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『隠された戦争』
(萩原遼 著)


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『金正日 隠された戦争』
(金日成の死と大量餓死の謎を解く)は何を書いた本か

             萩原遼

           

この本のあとがきでおおよその内容をまとめていますのでそれを引用します。

この本は過去十五年の北朝鮮の最近史の中で起きた三つの怪事件を扱っている。米朝核対決、大量餓死、金日成の死である。米朝核対決は主として金日成が推進したが、あとの二つは金正日の手によるものである。どちらも自然に起きたものではない。金正日が引きおこしたものであり、金正日の戦争といいうるものである。

この本の意義はつぎの二点を明らかにしたことである。

1.

九五年から始まる北朝鮮の大飢饉は人為的に作られたものであり、意図的に大量餓死を引き起こすためであった。その目的は、民衆反乱の温床となる数百万の敵対階層を殲滅するためであった。餓死を偽装した金正日の殺人であった。

2.

金正日の餓死殺人遂行の最大の障害となったのが金日成であった。金日成の除去なしには金正日の戦争は遂行できなかった。民衆反乱におびえる金正日は生き残りをかけてもう一つの戦争、すなわち金日成の除去に着手した。

以上の二点はこれまで世界の北朝鮮問題専門家のだれも主張したことのない、この本で初めて提起されるものである。

大量餓死の存在を北朝鮮政府は認めていない。九四年から毎年あいついだ自然災害によって農業が大打撃を受けて食糧不足におちいったというにとどまっている。
ところが飢餓に耐えかねて中国に逃れてきた数十万人の北朝鮮難民は、人肉を食うほどのすさまじい飢餓と大量の餓死者の発生を異口同音に証言している。韓国の仏教団体による詳細な難民調査や、元北朝鮮の最高幹部の一人黄長よう氏からもたらされた証言などから三百万人の餓死者という数字はほぼ公認のものとなった。

問題はその原因である。餓死者の発生を認める論者でも自然災害や農業の不振を理由にあげるにとどまっている。そのため金正日政権にもっと援助をすれば餓死者は出なくなると主張する。根本的に誤った見方である。金正日の主張にまどわされて、そこから一歩も出ていない。

わたしは以下のことを明らかにした。

一、 国際援助の食糧が大量に入り始めてから餓死者が急増する不可解な現象が起きている    

二、 大量餓死者の発生する九五年からピークの九七年まで北朝鮮政府は毎年二五〇万トンから三〇〇万トンの食糧を輸入している。国際援助と合わせれば国内生産が仮にゼロでも全国民を食わせるに十分である

三、 餓死者が敵対階層の多く住む咸鏡南北道に集中しているこの三点をあげ、大量餓死は自然死ではなく金正日による意図的、人為的殺人であったことを論証した。

金日成の死も自然死と見る論者がほとんどである。父子間に対立があったとみる論者も

一、 金正日が金日成に政治のやりかたのまずさを叱責され逆恨みした

二、 金日成の後妻金聖愛とその子どもたちのグループとの確執から金正日が失脚を恐れて父親を亡き者にした

などと主張する。いずれも皮相な見方である。

金日成は、金正日の大量餓死殺人遂行の障害であったから除去されたのである。もし金日成が生きていれば三百万人の餓死者は出なかった。
その理由は本文中でくわしくのべた。金正日は敵対階層の反乱によるチャウシェスク型の処刑におびえて、生き残りを賭けた戦争に打って出たのである。

親子の対立は、たんなるいさかいや不和の域ではなく、生死のかかったのっぴきならない政策的対立であった。金日成は農業を立て直し人民に食糧を供給することで民生安定と政権維持の道をとり、肥料生産に役立つ火力発電所建設を主張した。
一方、金正日は内外の敵に脅しのきく核開発による政権維持の道をとり、それに役立つ軽水炉(原子力発電炉)に執着した。金正日は父親に手ほどきされて九三年から九四年の米朝核対決で核の脅しの効果とうまみを知った。

火力発電所か軽水炉か。アメリカからどちらを獲得するか。最終的に論議される一九九四年七月八日ジュネーブでの米朝高官協議の前日、金日成は急死した。

自然死を主張する北朝鮮問題専門家がほとんどだが、この日程の不気味な符合をどう説明するか。金日成の死によって、その後の大量餓死殺人が可能になったのである。金日成の死と大量餓死との間に密接な関係があることを論証したのは、この本が初めてである。

金日成死亡についてもわたしの問題提起にそってあらためて見なおす必要がある。

 

金正日が自国民殺害に乗り出したのは、父親金日成の死亡直後の一九九四年夏からである。このころから日本政府は金正日の言い分をそのまま受け入れて、人道援助だとか金正日政権との信頼関係の構築と称してコメ支援に熱心に動き始める。
それを主導した政治家や評論家に問いたい。あなたがたのやったことは犯罪に手を貸したことになったのではないのか。

善意で支援された方がたもこの本を読んで、せっかくの善意が稀代のペテン師に踏みにじられたことを知るだろう。

いま支援しないとかわいそうな北朝鮮の子どもたちが飢え死にするとタマゴやバナナを送った善意の方がたの志は尊い。けっして落胆されず、その善意を別の方向に生かしていただきたい。
本文で登場したアメリカの女性研究者スー・ローツェさんもいうように、本当の被害者に支援の食糧が届くように知恵と力を合わせることが大事だ。

金正日の宣伝が虚偽であったことが明らかになった以上、金正日政権とのつきあいはどうあるべきか、根本的に見なおす必要がある。
小泉首相は日朝国交正常化に熱心だが、それはこれまでの日本政府の誤った金正日支援政策の上塗りでしかない。日米安保条約にしばられた日本が、アメリカの意に反する日朝国交正常化をすんなりおこなえるなどとは空論である。
そのことは拙著『拉致と核と飢餓の国北朝鮮』(文春新書)に書いたのでくりかえさないが、空論をふりまいて国民をあざむく小泉首相、政府を批判し牽制するという本分を忘れて小泉追随に熱心な野党の誤りをただし、本当の日朝間の関係改善とは何かを国民の前で議論し、実践することである。