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かるめぎ69号

     も く じ

○2月4日(大阪) 5日(東京)
 脱北者・救援団体証言集会報告
○日本国国会議員への要請行動を積極的に展開 
 脱北者問題、人権問題などを国会議員諸氏に訴える
○ソウルの路地裏
○脱北帰国者・日本人配偶者救援を「拉致」というな    ら北朝鮮は直ちに彼らに出国の自由を認めよ
○来月から欧米諸国で北朝鮮人権大会開催
○《資料》12・16国際連合総会決議文
○12・16国連総会決議を読み、広めよう
○米人権特使「脱北者、直接受け入れる」
○北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 
  東北支部学習会のお知らせ
○北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会
 本年度総会のお知らせ 《会員限定》
○編集後記

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2月4日(大阪) 5日(東京)脱北者・救援団体証言集会報告   脱北女性の人身売買、幼児殺害など、人権侵害の実情が明らかに

文責:三浦小太郎

 去る2月4日大阪社会福祉会館、5日東京食糧会館において、脱北女性、韓国の救援団体による証言集会が開催された。参加者は大阪が約150名、東京が約100名。人身売買の被害者である脱北者がその実体験を直接公開の場にて語ることは、日本においては初めてのことであろう。この集会の意義を再確認するため、当日の各氏の発言趣旨を抄録する。守る会としては、今後もこのような証言集会の日本開催を大きな活動の柱としていきたい。

 

 脱北女性 朴ウンミさん証言

(プロフィール)29歳。1976年3月生まれ。1997年10月脱北。北朝鮮に強制送還され、脱北者収容施設で様々な悲惨な事件を目の当たりにした。食事は僅かなトウモロコシだけ、栄養失調や伝染病で死んでいく人々、そして、脱北女性から生まれた赤子たちは、直ちにビニール袋に入れられ殺されてゆく。

 私は1997年4月に豆満江を越えて脱北しました。北朝鮮の食糧事情が一番悪いときで、生きていくこともできませんでした。兄からは、「これから家族を養うことはできない」と言われました。兄もどうすることも出来なかったのだと思います。

 そして豆満江を越えましたが、中国には一人の親戚も知り合いもいなかったんです。川を渡ったものの、どちらに行っていいかもわからないし、言葉も通じません。幸運にも、川辺に中国朝鮮族の人が釣りをしていたので、その人たちに、私は北朝鮮から逃れてきたものです、どうにか助けてくださいと頼みました。たまたまその頼んだ人の弟が、独身で身体障害者だったのですが、そのうちに私と結婚したような状態になり、その家に一年ぐらい過ごしました。そして、延吉に移りまして、食堂などを転々としながらアルバイトのような形で働いておりました。しかし、勿論身分証明書など持っていませんから、経営者からひどい言葉を言われたり、また仕事をかってに延長されたりしました。何もいえず、我慢するしかありませんでしたが、ついに我慢できずに口答えをしてしまい、社長が警察に密告し、2001年、北朝鮮へ強制送還されてしまいました。

 北朝鮮では、脱北の理由、中国での生活について厳しく調べられ、その後、鍛錬隊で強制労働教育を受けさせられます。ひたすら労働を強制されるんです。

 そこで一番つらかったのは食べ物でした、ジャガイモでしたが、冬だったこともあって殆ど凍りついて、しかも腐っていました。量も少なくて、その腐った部分をとるともっと減ってしまうし、労働はきつく、女性の場合は栄養失調から生理が無くなってしまいます。私の場合、5ヶ月の間生理がとまってしまいました。

 その次は清津の集結所に送られました。食事はまだましでしたが、労働はさらに厳しく、男女共に、炭鉱に行って働いたり、山に行って材木を集めたり、畑仕事もさせられました。炭鉱は設備も悪く、真っ暗な穴の中に入っていくんですが、もうどれだけ深いかわからないところに降りていきます。若い人たちはまだいいのですが、お年寄りにはとても過酷でした。

 集結所の中には妊婦もいましたが、子供が生れると、出産直後にポリ袋に入れてすべて殺されていくのでした。直接、目撃しただけでも死んだ人は十人を越えます。本当にひどい光景でした。

 そこには井戸がありましたが、中の水も汚染されていました。その水を飲むとひどい下痢をして、そのまま立ち上がれずに亡くなって行った人たちも沢山います。私も病に倒れました。熱が40度に上がることもあり、トイレさえ一人でいけませんでした。この集結所では、住所がはっきりした者だけ、地元の警察が迎えにきますが、確認できない者は半年も集結所にいなければなりません。幸い、私は集結所から近い場所だったので、すぐ警察が来てくれましたが、病気を治してくれる医者もいませんし、家に帰ってもまともな食事はありません。結局、家で1ヶ月、休養した後、もう一度、脱北しました。

 今度は2回目ですから自分で仕事を見つけて、ある食堂で働くことになりました。そこのオーナーから1人の男性を紹介してもらったのですが、その男性は私より20歳も年上の人でした。自分も、身分証明書を持っていないということは、まったく保護を受けられないということでしたので、年の差など考えているわけにもいかなかったんです。

 しかし、この男性は、毎日お酒を飲んで賭け事をするばかりで、何の仕事もしようとしないんです。最初はそれでも我慢していましたが、私一人のお金では暮らしていけなくて、それで私が愚痴をこぼすようになりますと、今度は暴力を振るわれるようになりました。私は顔にあざを作りながら仕事に向かっていました。
 私があまりにも暴力を受けるので、まわりの人たちがかわいそうに思って、私が北朝鮮から来た人とは知らずに、好意から警察に通報したんです。それで、私は結局公安につかまって、脱北者ということがわかったので再び北朝鮮に送還されることになりました。2002年7月のことです。そのときは運良く集結所には入らずに済みました。その後8月に、川の水が深くて危険な時期だったんですが、それでも北朝鮮にいるくらいなら死んだほうがましだと思って、三度目の脱北をしました。

 中国へ行くと、本当は行きたくなかったのですが、前の夫の所へ行きました。それは私が妊娠していることが分かったからです。仕方がなく私は、子供をおろすという話をしましたが、夫は「頼むから産んでくれ」といいます。

 最初は信じられませんでしたが、「一度だけ信じてみよう」と思い、産むことを決意したのです。それなのに妊娠8ヶ月になってから、夫は「やっぱり育てられない。おろしてくれ」と言い出しました。私も唖然として何と言い返せばいいのかわかりませんでした。
 8ヶ月で子供をおろすことは無理だ、あなたがいやなら私一人でも育てる、といって、2ヶ月後に私はその子供を生みました。しかし、私も身分証明書はないし、この子供も勿論ない。夫には頼れない。どうすることもできなくなった私は、そこで始めて、何かにすがろうと教会に行きました。そして、たまたまニュースで、脱北者たちが瀋陽や北京の大使館に駆け込んでいることを知りまして、この子供を助けるためにはこれしかないと決意し、韓国の救援団体にお願いして、何とか韓国に行かせてくださいとお願いしたのです。

 トリハナ宣教会のお助けで、私は韓国に来ることができました。しかし、案内してくれた牧師さんが、東南アジアのメコン川を渡るときに、犠牲となって命を落としてしまいました。道に迷って、何度も死ぬような思いをしていたんですけれども、韓国や、日本の山田先生ほか多くの皆様の支援の手が差し伸べられて、こうして命を永らえることができました。皆様に本当に感謝の気持ちを申し上げます。

 しかし、北朝鮮にも、明日どうなるかわからないかわいそうな脱北者がたくさんいますし、私よりも苦労している脱北者もたくさんいると思います。一日も早く助け出せるよう、皆様のお力をお貸しください。

 

脱北女性 李美花さん証言

(プロフィール)1998年6月脱北、2003年1月韓国入国。先に脱北した姉、そして自分自身と妹までも皆中国で人身売買にあう。そのとき彼女は21歳、妹はまだ18歳だった。中国では、他にも様々な人身売買の被害者を目撃している。

 私は1998年6月北朝鮮を脱北し、中国で約5年間生活していて2003年1月韓国にきた韓オクチョンです。私は今韓国でお母さん、お姉さん、妹と暮らしています。

 お姉さんは工業大学を卒業し、鉱山で仕事をしていましたがあまりにも過酷な力仕事が続いたので、家出をして行方不明になってしまったのです。残された私達はお姉さんを探していましたが、1998年6月、姉がいなくなってから1週間を過ぎた頃でしたか、姉の手紙をもっているという男が訪ねてきました。男は「おれが(姉を)中国へ案内した」といい、その手紙には「中国のほうが生活しやすいからもう戻らない」と書いてあったのです。実は 私は六歳から党の宣伝部で歌手活動していました。「資本主義が悪い。社会主義は素晴らしい」とさんざん歌っていましたから、お姉さんが中国に行っている事実がわかってしまえば、舞台生活を続けられないし、家族に被害が及ぶだろう思ったので、お母さん、私、妹3人でその男性について脱北する事を決心しました。

 しかし、中国に行ってみるとすでにお姉さんはどこかに売り飛ばされた後でした。ここで何日か待っていればお姉さんが来るからという男性の話を信じるしかない私たちは、倉庫、屋根裏、豚小屋から山奥へと、居場所を変えながら3日間お姉さんを待っていました。そしてある夜、和龍に行こうと言ってタクシーの運転手と女性が来ました。隠れていた山から下りて、そのタクシーに乗って市内に向かいました。

 夜の11時頃でしたが、雨が降った後での田舎道は足場が悪く、他の車のライトが見えるとそのたびに車から降ろされ、道路の端に隠れていて、他の車両がいなくなってから車に乗る方法を繰り返しやっとの思いで和龍市に到着しました。私たちの前に大きな罠が待っていることも知らずに............

 私たちからすると中国は外国だし彼らの話を聞くしかないので彼から言われるままするしか方法がなかったです。

 その場に着いてみると、私たちを待っていたかのように、何人かの中国人たちが中国語でしゃべりながら打ち合わせをし、私と妹は同じ車に母親だけは別の車に乗るように言われました。私たちは別れたくないと泣きながら訴えると、お母さんの乗った車について行くから心配ない、それに同じ車には5人は乗れないと言われたので、仕方なく彼らの言う通りにしました。

 その後、テレビのドラマのような出来事が起きました。交差点でお母さんが乗った車は直進し、私たちの乗った車は右の方に曲がったのです。妹と私は、車の中で泣き喚きながら騒ぎましたが、誰も力になってくれませんでした。このように、私たち家族は、お姉さんに続きお母さん、妹、私まで金で売られました。これは後で分かったことですが、お母さんは年をとっているから売れないと思われ、私たち姉妹を売るために最初から分けて連れて行ったのです。私達は黒龍江省の農家に売られていきました。その時、私は21歳、妹は18歳でした。

 私は我慢できましたが、妹は18歳で、何も知らない子が10歳も年が上の人に売られて行くのを見て、彼女には私しか力になれる人はいないのに、姉として何もしてあげることが出来ない悔しい気持ちで二人で抱き合って泣きました。私と妹は両親の愛を受けながら育つ多感な時期に身売りされ、大変な生活をするようになりました。幸いだったのは、せめて二人とも朝鮮族に身売りされたので言葉が通じた点でした。

 私が売られていった家は、両親がともに知的障害者でした。その家の長男と私は結婚生活を始めました。北朝鮮にいた時は、家の生活もそれほど苦しくもなく子供時代から苦労を知らずに育った私にはあまりにもきつい生活でした。

 今でも壊れそうなわらぶき屋根の家、昼間でもネズミが駆け回り、夜は壁の間から星が見える家で、農業の仕事をしながら暮らしていました。私と妹はその翌年子供を産みました。貧しい生活はまだ、がまんできたのですが、消息も分からない母親のことが心配でいつも涙を流して居ました。そこで、ついに男性の家族が結婚式に使うつもりで用意してあった金を、結婚式をしなくてもあなたと暮らすから、そしてお金は必ず返すからと言って泣きながら頼み、何とかお母さんを連れて行った人と連絡が取れ、お母さんが売られた金を私が出して買い戻すことが出来ました。

 その結果、私たち家族は全員連絡が取れるようになり、なんとお姉さんまでも私たちの居るところに戻ってきました。お姉さんは中国の漢族に身売りされ、連れてゆかれる道中、死を覚悟で脱出に成功、もともといた朝鮮族の家に戻っていたのでした。そこで、その家族の話からお母さんと妹二人が中国に来て、別のところに身売りされたことを知り、お母さんと妹たちが居るところを教えてくれなければ、この家を中国公安に人身売買をする家だと申告すると脅し、どうせ私は捕まっても北朝鮮に送還されるだけだ、怖いものは何もないと居直って脅迫したそうです。

 今もその当時を思い出すとお姉さんはどこからあのような勇気があったのか分からないと言っては苦笑いをしています。あのような広い中国で半月で別れ離れになった4人の女性が再会できたのは本当に運が良かったとしか言えないのです。私たち家族が経験したことは、多くの脱北者に程度の差はあれ起きたことで、皆つらい経験として胸に残っているはずです。

 同じ時期に、私が居た村に売られてきた北朝鮮の女の子は、18歳で子供を産むときに死にました。また、ある女性は、貧しい北朝鮮から来たという理由で、泥棒に誤解され悩んだ末、自殺しました。朝鮮半島の諺に、自国のない民は野良犬より哀れだという話がありますが、なぜ、私たちは他の国に来て、動物よりも酷い扱いを受けなければならないのか、一番楽しい人生を歩めるはずの16歳、17歳に、外国の男性の性の遊び相手にされなくてはならないのでしょうか。

 ある精神疾患者などに身売りされ、酷い扱いを受け、つらさから逃げようとして捕まえられオートバイに手首を縛られて引きずり回される脱北女性の姿を現場で見た私は、今も夢でその場面が出てきて目覚めることがあります。今も中国でそのような生活をしている脱北者を考えますと夜も眠れません。

 そして、私たちが韓国に来たという連絡を聞いた父は、中国にある韓国領事館に入ろうとして失敗し、北朝鮮に強制送還されました。北朝鮮に残っている親戚に問い合わせたところ、政治犯収容所に入られ今は生きているのか亡くなったのか分からないということです。お父さんのことを思うと心配で一日一日を涙の中で暮らしています。私たち4人は韓国で幸せに暮らしていますが本当に一日も早く北朝鮮の人権問題が解決され政治犯収容所が無くなって今も海外でさまようかわいそうな北朝鮮からの脱北者が安心して暮らせる日が一日も早く来てほしいです。

 

 チョン・ギオン牧師 韓国・トリハナ宣教会代表

(プロフィール)仕事で訪れた中国で、遭遇した脱北孤児(コッチェビ)たちの実態を見て脱北者支援活動を始める。2001年12月中国公安に逮捕され8ヶ月収監されたが、現在も活発に脱北者支援、救出活動を行っている。国際的にも評価の高い韓国人の脱北者支援活動家。

 私が延吉から30分ぐらい離れたところで実際に見た話をしたいと思います。知人の男性から「大事なことがあるからすぐにきてくれ。電話では話せない」といった連絡をもらいました。

 彼の指定する村に行きまして、そこである家に案内されました。その家に入りますと、何と、そこにはそして18歳ぐらいの若い少女が真っ裸で両手両足を縛られて天井につるされ、床には2歳くらいの赤ん坊が泣いていたのでした。そばには棒をもった50歳ぐらいの男が立っていました。

 私はその男を外に引っ張り出し,少女を天井から下ろしました。そして私が着ていたジャンパーをかけてあげたのです。事情を聴いても少女は30分間、ただ泣くだけでした。

 少女に代わって案内してくれた男性が話してくれました。少女は3年前に父親が餓死。母が「中国へ行けば生きていける」と信じて、当時17歳の姉と一緒に(少女は当時15歳)16日間、歩き通して国境へ着き、中国へ渡ったそうです。

 中国で案内された家へ行くと、白いご飯を出され、夢中で食べました。あまりにおなかがすいていて、次の日の朝ご飯まで食べたそうです。そしてわれを忘れて深い眠りにつきました。

 次の朝、とても幸せな気持ちで彼女は目覚めたのですが、そばにいたはずのお母さんとお姉さんがいなくなっていました。家の主に、お姉さん、お母さんはどこへ行ったのですかと聞きましたら、「すぐ帰ってくるのでここで待っていなさい」と言われたので、昨日と同じようにご飯を食べながら待っていました。しかし、2人は帰ってくることもなく、中国の男性が入れ替わり立ち代り入って来て、品定めをするように彼女の顔をのぞきに来たといいます。

 2週間が過ぎてやっと分かったのですが、お母さんとお姉さんは、既に別なところにつれて行かれ、もう売り飛ばされていたのです。毎日、のぞきに来た中国人は、その女性を買いに来たのですが、まだ幼いし、子供だと思われて売れなかったようなのです。北朝鮮の食糧事情が悪すぎて、彼女は充分大人には見えなかったのでしょう。結局、少女はそのまま追い出され、浮浪者のような生活をしていました。そして、図門の駅の前で、ある男の人が、「おいしいものを食べさせるからついてこい」と言って彼女を連れていったのが、先程言った50歳の男性だったのです。

 その男は彼女に、家に着てから一度もまともな服を着せず、部屋の外に一歩も出さず、自分が出かけるとき外から鍵をかけていくような生活が1年間続きました。私たちが見た泣いていた子供は、その少女の子供だったようです。

 男は毎日、麻雀をやり、お酒を飲むだけのだらしない男だったようです。そして、麻雀などで負けると、腹いせに彼女を殴るのが習慣になっていきました。私に電話をしてきた人が言うには、「毎日のように悲鳴が聞こえてくるが、この女性は脱北者だし、警察に申告することもできないので、貴方に連絡をしたのだ」ということでした。

 私は少女に「今すぐには助けられないが、一週間だけ待ってほしい、そうすれば韓国に連れて行くから」と言いましたが、しかし、その話が終わったとたん、少女は泣き出し、「先生、いますぐに私を連れて行ってください、私はこの男に殺されてしまいます」と足にしがみついて離れないのです。

 しかし、私には残念ながらまだ準備が出来ていませんでした。結局、私に電話をしてきた人に、3日間だけ何とかかくまってくれと言って、彼に引き取ってもらったのですが、50代の男が警察に申告し、中国の公安に逮捕され、北朝鮮へ返還されてしまいました。トリハナ宣教会では色々なルートを使い、半年後、もう一度、脱北させることに成功し、2001年4月、韓国へ連れて来ることができましたが、今彼女がどこにいて、何をしているのか全く分かりません。彼女は酷い対人恐怖症にかかったようで、私達の前からも姿を隠してしまったのです。

 これは数十万人という脱北者のなかで、決して特別なケースではありません。私は両親の目の前で17歳と19歳の娘2人が、縁談交渉をしている現場に遭遇したこともあります。両親の前で「高い」「安い」とか言っているのに、両親は泣くばかりなのです。また、長春で出会った脱北者は、私たちがどんなに聴いても家族構成の話をしないで、下を向いたままでした。実は、彼は北朝鮮にいるときに、子供は飢え死にし、奥さんは、中国に食べ物を探しに行き、6ヶ月後に、食べ物を持って帰ってきました。その後もう一度脱北したのですが、1ヶ月が過ぎ、2ヶ月が過ぎても帰ってきません。妻を捜しに彼も脱北したのですが、そこで分かったのは、妻は中国人にすでに売り飛ばされていました。彼は中国で警察につかまりそうになり、何とか逃げ出して、私たちトリハナのシェルター(避難所)に来ました。

 私達は、自分達のシェルターではタバコをすう事を禁じています。しかし、彼は大変なヘビースモーカーで、我慢ができず、外にでて時々タバコをすっていました。すると、シェルターの向かいの家で、自分の妻が台所仕事をしているではありませんか。身売りされた女房が、中国人の夫のために、朝ごはんをつくっていたのです。すぐ目の前に身売りされた妻がいるのに助けることもできないので、自分の家族の事を語れなかったのでした。

 私は最初、そのような脱北者たちの態度が理解できませんでした。自分の女房や娘が目の前で売られていくのに、何も出来ない態度を理解できなかったのです。私は、あるとき、2人の娘が売られて行ったお父さんを怒ったことがあります。「なぜ、可愛い娘が売られていくのを止めなかったのだ」と。その父親は涙声で私に訴えました。「私だってつらい。自分の娘が売られていくのに何もできない自分がつらい、しかし、人身売買を断ったら、公安に密告される。全員が北朝鮮に送還され、酷い目に会う。それよりも、たとえ人身売買でも、腹いっぱい食べた方がいいじゃないか」と言ったのです。

 私が、脱北者を支援するのは特に勇気があるとか、使命感があるとかでやっているのではありません。私を含め、ここにいらっしゃっている山田先生、加藤博先生、そして金尚哲先生、皆、中国に行って、自分でこのような悲惨な情勢を見てしまいましたので、このまま放置することができないのです。皆様がこうして脱北者の問題に関心を持ち続けてくださることが、この問題を解決するための力となります。どの国の政府もこの問題には関心を持っておりません。日本でも、この問題に真剣に取り組んでおられる加藤先生や山田先生に、皆様方がさらに大きな応援を寄せていただきたいと思います。

 

 

 姜 哲 煥(北朝鮮民主化運動本部代表)

(プロフィール)政治犯収容所体験者。北朝鮮帰国者の子供として生まれるが、家族連座制により本人は理由も分からず、ヨドック政治犯収容所に収容され、9歳から19歳までそこで苦難の青年時代をすごす。脱北後、北朝鮮の人権侵害を告発し民主化を求める運動を展開、朝鮮日報記者としても活躍中。著書「平壌の水槽」(ポプラ社)昨年6月、ワシントンでブッシュ大統領と会見、政治犯収容所を頂点とする北朝鮮の人権問題を訴えた。

 本日、脱北女性の方々の生々しい体験を聞きましたが、私自身も、中国でこのような方々に実際にお会いしたり、また、救援活動を行ったりしてきました。今、中国の延吉に行きますと、非常に多くの脱北者に出会います。これは、北朝鮮の政権が滅びる直前だからだと思います。しかし、そのうち十分の一くらいは救援されていますが、その他の人々は、売られていったり、そのまま亡くなったり、また捕らえられてしまっています。

 私は、脱北者を救援する皆さん救援団体の活動は素晴らしいと思いますが、根本的には、金正日政権の暴政が終息しない限り、この問題は解決しないと思います。私は、自分でも想像できなかったことですが、昨年6月、ホワイトハウスでブッシュ大統領とお会いし、40分間、北朝鮮の問題について論議することができました。

 私は、一日でも早く金正日政権を終息させるためにはどうしたら言いか、私なりの考えを述べたいと思いました。大統領も、このように質問されました。「もしも貴方がアメリカの大統領だったら、北朝鮮のためにどうしたらいいと思うか」私は、「まず、最初に脱北者問題を解決します、2番目には、北朝鮮の人権問題を解決します、3番目に、北朝鮮の核問題を解決します」と答えました。

 ブッシュ大統領をはじめ、アメリカの一部の人々は、まず核問題が最も重要だとお考えかもしれませんが、実際には、核問題はそれほど重要な問題ではなく、人権問題を解決すれば核問題も解決するはずなのです。アメリカが戦争をして北朝鮮の各基地を破壊するとか、そんな極端な手段をとる必要は全くない。北朝鮮は既に疲弊した状態ですから、いくらでも平和的な方法でこの問題は解決できるんです。その中でもっともよい方法は、人権問題で北朝鮮に迫ることです。

 一番大きな問題は、北朝鮮というのは50年間も閉鎖された社会だったので、北朝鮮国内で、飢えて亡くなっていく人にも、この原因が金正日独裁政権の悪政によるものだという事が中々分からない。これが重要な点だと思います。ですから、核開発だけで金正日政権を圧迫すると、逆に金正日は、それを利用して、反米宣伝を盛り上げ、それを口実に韓国や欧州から支援を取り付けようとすると思います。それに対し、人権問題で北朝鮮を追い詰めていく、それも漠然とした人権問題ではなく、具体的に、収容所の名前や場所を挙げ、実態を明らかにしていけば、北朝鮮の現政権の崩壊のきっかけになると思います。

 今、収容所は北朝鮮には5箇所あって、約20万人がそこに収容されていますが、それだけではなく、国家安全部、保衛部、集結所、その他の代用監獄などが無数にあり、北朝鮮全体が収容所のようなもので本当に悲惨な状態です。そういう強圧政権の元でも、それに抵抗して命がけで出てくる脱北者がいるわけです。この人たちを、単純に飢餓難民だ、経済難民だという人がいますけれども、果たして本当にそうでしょうか。90年代末に300万人の人々が、飢餓のために脱北することも出来ずにそのまま死んでいったわけです。脱北した人々は、無意識のうちであれ、この金正日政権の暴政に反抗する意志を示したのだと私は思います。

 ドイツの統一を考えますと、東ドイツから400万人の人々が西ドイツに流入することによって、ドイツの統一は成功したわけですね。しかし、東ドイツと違って、北朝鮮の隣国は不幸なことに中国です。ですから、中国に逃げても助かることができず、殆どの人が北朝鮮に送還されてしまいますが、もしも北朝鮮の隣国が日本や他の民主主義国家でしたら、間違いなく北朝鮮はとっくに崩壊しているでしょう。

 ブッシュ大統領にお会いした時に申し上げたのですが、アメリカが北朝鮮問題を解決したいと思うのでしたら、中国に、脱北者の北朝鮮への強制送還を止めさせるように働きかけて欲しい。それが実現すれば、北朝鮮問題の50%は解決すると思います。私は、日本、アメリカ、欧州の国々が、中国に圧力をかける事によって、北朝鮮を崩壊させる、もしくはよい方向に導く道が速く開けると信じております。

 私がここで最も申し上げたいのは、今、韓国が非常に誤った対北朝鮮政策を取っているということです。北朝鮮を支援し、平和的に交流すれば、金正日から何かを得られると思っているようですが、これは完璧に間違っています。しかし、幸いなことに日本やアメリカの対北政策は基本的に正しい方向を向いていると思います。

 実際、日本、韓国、アメリカが連携して中国に圧力を加えれば、かなりの影響を与えることができるはずなのに、韓国の政権が中国に遠慮をして、脱北者問題を取り上げず、金正日にとてもよい口実を与えています。今まで北朝鮮を支えてきた資金の多くは、日本からの支援です。それは総連からの送金ですとか、海産物ですとか、日本からお金を得ることが北朝鮮の政権維持に大きな力になってきたのですが、それが最近うまく行かなくなってきています。しかし、その分、韓国が身代わりになって負担しているような状態です。

 実際、韓国が北朝鮮と大変うまく行っていると宣伝していますが、その実情は北朝鮮の対南工作により、韓国から支援を引き出す工作に載せられているようなものです。私が北朝鮮を脱出してから、随分あの国にも変化がありました。配給が途絶え、餓死者が続出し、そして民衆は配給がなくなってからは、国家というものから距離を置き始めています。80年代のヨドックの水準が、今や全国の水準になっています。民衆は既に、金正日政権への信頼を失いつつあるはずです。今の北朝鮮は、平壌の特権階層は、外国からの援助を得て生きながらえています。以前なら、北朝鮮に支援しなければ一般の人々の生活が苦しくなったのですが、今は逆なんですね。今は、海外からの支援は、特権階級に行くだけですから、北朝鮮への支援を止める事が、特権階層に打撃を与えることになります。

 私はある脱北者に、外国からの支援が行けば、少しは貧しい人にも回るかもしれないから、それはそれでいいのではないかと言いましたら、彼に、お前は北朝鮮に住んでいたくせに何を馬鹿な事を言うんだ、と怒られました。外国が支援すればするほど、それは金正日政権の延命になって、人権を抑圧する方を援けるのであって、現在は北朝鮮に経済支援をしない事、あの政権を終息させることが本当の民衆への支援になるのだということでした。

 韓国では、2000年に金大中、金正日の首脳会談が行われましたが、そのときには、韓国国民の合意もなく、5億ドルという税金を金正日に送ったわけです。その後はノムヒョンが大統領となるのですが、昨年、金大中はノーベル平和賞受賞記念パーテイで、韓国の支援のおかげで北朝鮮の人権が改善されているというとんでもない嘘を語っているわけです。

 金大中氏は、かって朴大統領時代、命を懸けて民主主義のために闘ったはずです。しかし、今客観的に見れば、朴正熙大統領は、経済的に苦しくろくに食べられなかった韓国を、少なくとも経済的に発展させた人です。300万人を餓死させた金日成、金正日より、この点だけでも朴正熙を評価すべきなのに、金大中氏は朴大統領には反対して、北朝鮮に関しては、食べ物さえ支援すれば人権改善なんて後回しでいい、という扱いをしている。これが現在のノムヒョン政権まで続いています。これは私にとって信じがたいことです。

 これは、80年代に北朝鮮が対南工作として伝えてきた思想の汚染が韓国では広がっていまして、その影響を強く受けた親北、反米の人達が国会議員になったりしているのですから、ある意味当然のことかもしれません。しかし、私は決して絶望しているのではなく、韓国の人たちが騙されて、一時的に親北朝鮮傾向になってきましたけれども、韓国の人たちも気づきはじめています。ですから、必ず2007年の大統領選挙では、金正日政権に批判的な候補者が当選して、日韓米の連携が再び強固なものになるでしょう。そして、それは北朝鮮の崩壊を早めると信じています。

 私はこうして日本に来ると、時々恥ずかしい思いがします。かって、北朝鮮の公開処刑の映像が世界で始めて取り上げられた時、日本では盛んに放映されていましたが、韓国ではほとんど取り上げられませんでした。韓国ではその時、竹島(独島)の問題ばかりやっていました。それは確かに、独島の問題も韓国にとって重要でないとは言いませんが、同じ民族が公開処刑されているという実状について全く無視できるという神経が、韓国のマスコミの偏向ぶりを表しています。

 ただ、日本のマスコミの報道が、時々拉致問題だけに集約されてしまうことがある気がするのは、私は少し残念です。勿論拉致問題が直ちに解決されなければならないことは確かなのですけれども、さらに大きく広範囲な人権侵害が北朝鮮では繰り広げられていることにもっと注目していただければと思います。そして、現在、韓国政府はそれでも8000人近い脱北者を受け入れています。現在、日本でも100人ほどの脱北者が入国していると聴いておりますが、もっともっと、日本にゆかりのある帰国者や日本人妻の家族などが、日本に来ることが出来るように、日本政府もさらに力を尽くして欲しいと思いますし、その様な方々への日本での定着支援、職業訓練などの制度がまだ日本では充分でないとも伺っています。是非、この点につきましては、日本政府がもっと充実した対策を講じていただきたいと思います。

 

 

 金 尚 哲(脱北難民保護運動本部)

(プロフィール)北朝鮮平安北道出身。ソウル大学法学部を卒業、裁判所の判事を経て弁護士になる。金泳三大統領時代に第26代ソウル市長歴任、太平洋アジア協会会長、脱北難民保護運動本部長、韓国・アメリカ友好協会名誉会長。北朝鮮の人権改善に韓国国内だけでなく海外でも精力的に活動。

 こうして日本の皆様の前でお話をさせていただきますと、1999年12月に、私はジュネーブのUNHCRにて、緒方貞子難民高等弁務官にお会いした事を思い出します。2001年までに、私たちの脱北難民保護運動本部では、1180万人の署名を集めまして、脱北者を国際法上の難民と認めるべきである、中国は強制送還を停止すべきであると訴えました。99年の段階では250万人分の署名簿を、UNHCRの関係者に渡しました。その時同行した脱北者金ソンミンさんは、今、自由北韓放送というラジオ放送の代表をしています。当時私は彼に、貴方の説明は5分以内に留めて欲しい、なぜなら、報告書を詳しく説明しなければならないからだといいました。話したいことはいくらでもあるのに、5分以内で話せなどと言われ、彼の気持ちはいかばかりだったかと思います。金ソンミンさんは、次の二つのことだけを話しました。脱北者たちは国境を超えるとき、命がけで超えるわけです。もし、中国当局に捕らえられ、北朝鮮に強制送還されれば、死ぬかもしれませんし、無慈悲な拷問にかけられるかもしれません。この事実を語る金ソンミンさんの言葉を聴いて、担当の方も涙を流しておりました。

 それを聴いていた緒方貞子高等弁務官は、それまでUNHCRは、脱北者は飢えによって北朝鮮を脱出した人である、ゆえに、国際法上難民に当たらないと言っていた方針を多少修正してくださいました。そのときに、脱北者2193人のアンケートやインタビューもお渡ししました。その内容には大変高い評価を戴いたのですが、その中の600人のインタビューを作成した金ドンシンさんという牧師がいらっしゃいました。しかし、この方は1ヶ月後、北朝鮮に中国から拉致され、その生死は分からない状態です。

 昨年、国連総会で北朝鮮人権決議が採択されました。その中で、中国政府に対して、UNHCRが、脱北者にアクセスすることに協力せよと言う勧告を出したのですが、中国政府は対応しておりません。現在、中国はたまたま脱北者を捕まえているのではなく、組織的に捜査し、北朝鮮に送り返しているのです。中国が国連難民条約になぜ加入したかと申しますと、当時ベトナムが統一された後に、大量の華僑が中国に逃れてくるので、彼らを保護するお金を国連から引きだすために、難民条約に加入したのです。そもそも中国の難民条約加入の動機はそういう自国の利益のためのものでしたし、今は自分達の国益になると思っている北朝鮮の体制を守るために、平然と難民条約に違反しているのです。

 幸いにも、国連が北朝鮮人権決議案を制定してくださいましたので、脱北者問題を国際的な舞台に登らせることはできたと考えております。私達は、当初は人道的観点からこの問題に取り組み始めましたが、今は、この問題は人道だけではなく、政治のレベルで運動していかねばならないのではないかと考えております。

 この北朝鮮の人権抑圧と脱北者の悲劇的な現状に対し、これを良心と正義の立場から見過せないと考えるか、それとも仕方がないこととして無視するのか、この二つの勢力の戦いになっていくと思いますし、これは国境を超えた戦いになると思います。韓国には、残念ながら良心と正義の側に立たない勢力がおります。その一方、ここ日本では、自由を愛し、人権を尊重する人々もおります。したがって、国境を超えて、自由を愛し、人権を尊重する人達が連携しなくてはならないでしょう。

 また現実的な問題として、北朝鮮の金正日の暴政が仮に終わったとしても、そのまま北朝鮮が、中国の事実上の属国になることも考えられます。そうなった場合は、韓国への中国の政治的影響力は大変大きなものになりますし、朝鮮半島は中国の勢力下に陥れば、日本の国益にとっても深刻な問題となっていくでしょう。東アジアの政治的力学が大きく中国よりに変わってゆくわけです。そうなれば、日本の中でも、中国の顔色を伺う勢力が増えていくのではないでしょうか。アメリカ、日本の同盟だけでこれに対抗するのは無理があるのではないかと思います。

 私は、これ以上、時間はあまり残されていないのではないかと考えています。私は機会があるたびに韓国国民に訴えています。私たちが北朝鮮の現状を無視し、今の自分達だけの生活や幸せのことだけを考えていれば、いずれ北朝鮮は中国の支配下になり、私達は同胞であるはずの北朝鮮を失うことになるかもしれないと警告しています。是非、この問題は、日本にとっても重要な問題として皆さまもお考えいただければと思います。

 だからこそ、日韓の自由を愛する人々、そしてアメリカ、欧州、全世界の自由を愛する人たちの連携を強めていかなければならないのです。北朝鮮の人権問題を解決し、脱北者の強制送還を止めるには、他に方法はありません。国連の人権決議案が成立した今も、中国は脱北者の強制送還を続け、北朝鮮国内では未だに政治犯収容所が撤廃されておりません。また、日本人拉致問題も、これ以上の解決は、今のままでは難しいのではないかとすら思います。金正日体制そのものを打倒、崩壊させることによってしか、拉致問題も完全解決はできないのではないでしょうか。

 新聞報道で、日本でも北朝鮮人権法が制定される方向である事を知ることができました。このような努力をされた方々に、敬意をささげたいと思います。しかし同時に、北朝鮮は現在、日朝国交回復後の、日本からの巨額の経済支援を狙っています。これを北朝鮮に送ることは、現政権の国民を奴隷化する暴政に手を貸すことです。むしろ日本は、現在の姿勢をさらに強め、北朝鮮に対し強力な制裁などの手段を講じるべきではないかと思います。

 さらに重要な点は、本来北朝鮮民衆は自由を求めており、かの政権が倒れて、日韓のような自由と民主主義の側に向かうならば、それは日本の国益にも繋がり、かつ東アジアの平和と反映、自由と民主主義にも繋がるはずです。しかし、逆に北朝鮮が、現在一部で言われているように中国流の改革開放の方向に進むのならば(三浦注;独裁体制を維持したまま経済だけを自由化する方式)これは、中国による実質的な北朝鮮支配に繋がり、日本の国益を、ひいては東アジアのバランスを大きく崩すものとなることは、先程申し上げたとおりです。

 危険なのは、韓国のノムヒョン政権が、おそらく今年上半期に、形式的なものであれ、南北の平和的な統一をアピールするような何らかの声明を用意しているという情報があることです。そして、仮に日本政府が、万が一にも北朝鮮の現体制との国交正常化に踏み出すならば、日本の国益にも巨大な損失を与えることになりますし、自由と民主主義のアジアを実現することから大きく後退することになります。

 私達はその様な危機に陥らないためにも、また、北朝鮮の人権問題、拉致問題、脱北者問題の解決のためにも、まず、このような集会を通じ、日韓の自由を愛する人々が手を繋いで行こうではありませんか。

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日本国国会議員への要請行動を積極的に展開

脱北者問題、人権問題などを国会議員諸氏に訴える

                三浦小太郎

 集会終了後、2月6日より、守る会は国会議員と脱北者、救援団体とのいくつかの意見交換や要請の場を持つことができました。6日には平沼赳夫拉致議連会長事務所に、金尚哲、チョン・ギオン、脱北女性、また守る会メンバーが訪れ、金尚哲代表を中心に意見交換が行われました。

 ここでは、金尚哲氏が集会での発言を踏まえて韓国、中国の政治情勢を踏まえて解説、平沼議員も深く共感し、日韓の政治的連帯を語りあいました。

 2月7日は、午前中、民主党の鳩山幹事長、同じく民主党長島昭久拉致問題対策本部副部長と会見、その後衆議院議員会館第一会議室にて午前11時から12時まで、自民、公明の有志議員、丸谷佳織(公明)漆原良夫(公明)山口泰明(自民 内閣府副大臣)の3議員に要請、脱北者救援等や受け入れについて報告と要請を行いました。

 その後、10日前に全国会議員にポステイングの形で連絡した院内集会が行われ、参加した議員(無印は秘書参加)の方々は以下の通りでした。

平沼赳夫(議員)(無所属)わしお英一郎(民主)大塚 拓(自民)漆原良夫(公明)赤池誠章(自民)

内藤正光(民主)谷本龍哉(自民)林 久美子(議員)(民主)江田五月(民主)円よりこ(民主)

土肥隆一(民主)中川正春(議員)(民主)田名部国省(無所属)高橋千秋(民主)熊谷裕人(民主)

古賀一成(民主)白真勲(民主)今泉 昭(民主)原田令嗣(議員)(自民)小池百合子(自民)

大前繁雄(議員)(自民)渡辺 周(議員)(民主)(順不同) 

 その後、午後3時からは郡和子議員(民主)を、チョン・ギオン牧師と脱北女性が訪問、女性の人権問題として脱北者問題に取り組んでいただく事を訴えました。

 総じて議員の方々の反応もよく、「北朝鮮人権法案を、党派の違いを超えて満場一致で国会で成立させて欲しい、脱北者保護、北朝鮮人権問題、拉致問題に取り組んで欲しい」という私たちの訴えは確実に受け止められたと思います。今回の国会への取り組みに多大な協力を戴いた、自民党大前繁雄議員、公明党漆原良夫議員、民主党中川正春議員、並びに秘書の方々に心からお礼を申し上げます。

 

ソウルの路地裏  依藤 朝子

 1月29日は韓国の旧正月でした。親戚の家に向かう人たちで駅や空港は大混雑し、高速道路のラッシュ情報がテレビやラジオで流れていました。韓国の人々の家族の絆を特に感じる時期です。韓国の文化を学んだときに、家族や親戚の絆の強さについて知りました。一方で、家族や親戚以外の人に対してはそっけないことがあるという話も聞きました。そのため、初めて韓国に滞在したときには、孤独を感じるのではないかと不安に思ったこともありました。

 けれども、韓国で暮らし始めて、社会を一つの家族とみなそうとする人が多くいることも知りました。「サラン」という言葉が流行しているということを以前書きましたが、地域で互いに助け合おうとする動きがあり、心強く感じられるときがあります。

 欧米でも、地域のコミュニテイや、地元の大学の学生やスタッフが計画して、食事を無料配給している光景がよく見られますが、先日、韓国で屋台の経営者たちが集まって、一人暮らしのお年寄りのための無料食堂を開いているという話を聞きました。食事を作っておもてなしし、食器洗いを終え、慌ただしく仕事場に戻って行く人たちが、「自分も生活の大変さが分かるので、こうした奉仕活動に参加したい」と話していたのが印象に残っています。また、ある一家が食材を自家用車に積み、定期的に障害を持つ人たちの施設に行って、食事を作っている姿が報道されました。母親は子供が学ぶ機会にもなってよいと話し、父親は普段はそれぞれ忙しくしていて一緒にいる時間がなかなかとれないけれども、奉仕活動を通して家族の絆も強まったと語っていました。秋には大勢の人たちが集まって、寄付するためのキムチを大量に作る姿も報道されます。外国の人たちが参加する催しもありましたが、そこではキムチ作りを体験することができ、寄付することもできるという有意義なイベントで、とてもよいアイデアだと感じました。そのほか、外国人の労働者や貧しい人に無料で治療を施している医者、高齢者や障害を持つ人を無料で散髪する床屋など、さまざまな人の活動が紹介されています。

 こうした報道を見ると、今一生懸命に他の方のために尽くしていれば、自分の身に何かあったときも、また老後もきっと誰かが見てくれるという信頼感を持って生きて行ける気がします。

 韓国では、ウェルビーイングライフ(心身ともに元気で、いくらかのゆとりがある生活とでも解釈できるでしょうか)という言葉も流行しています。身近な奉仕活動もまた、ウェルビーイングライフの基盤の一つではないでしょうか。

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脱北帰国者・日本人配偶者救援を「拉致」というなら

北朝鮮は直ちに彼らに出国の自由を認めよ

事務局長  三浦小太郎 

 既に各紙が報じているように、2月8日に終了した北京における日朝協議は、殆ど何の進展もなく終了した。梅田邦夫外務省アジア大洋州局参事官「納得のいく答えはなく、非常に遺憾だ」原口幸市・日朝国交正常化担当大使「(北朝鮮側の)どこに誠意ある努力があったのか。疑問を抱かざるをえない」などの発言は、日本外交としては珍しく強い口調で相手方の姿勢を批判したものだ。
北朝鮮側は、拉致問題については横田めぐみさんの偽遺骨を引き渡す事を主張して議論を蒸し返し、同時に、脱北者、日本人妻などを救援して日本に迎え入れてきた救援団体のメンバー等を、「拉致」実行犯として身柄の引渡しを求めてきた。
北朝鮮を脱出(脱北)した日本人妻らを支援する非政府組織(NGO)幹部ら七人を「誘拐犯、拉致犯」と非難、身柄の引き渡しを求めてきたのだ。名指しされたメンバーの中には、李英和(RENK代表)、加藤博(北朝鮮難民救援基金)各氏と共に、当会山田文明代表の名前までが挙げられている。北朝鮮の宋日昊大使の「拉致問題を解決しようというのに(日本は)拉致をしてはいけない」という言葉は、まさに唯我独尊の北朝鮮外交官にしか口にできないであろう馬鹿げた発言である。

 しかし、今回の日朝協議は、表面上の停滞の影に、様々な問題を結果的に提起している。北朝鮮の脱北者救援団体メンバーの引き渡し要求は、帰国者・日本人妻の救援という、日朝関係において、拉致問題同様に日本側が強く要求するべき重要な人権問題を逆に北朝鮮側から浮かび上がらせたものなのだ。

 今回、北朝鮮が「わが国の国民を拉致した実行犯」として名指ししてきた方々は、脱北者に直接食糧、医療、靴などを中朝国境で配布し、また孤児を里親制度で救援するなどの支援活動を行ってきており、北朝鮮政府には飢餓に苦しむ自国民を救ってくれたとして感謝されこそすれ、拉致実行犯呼ばわりされるいわれはない。そして同時に、何よりも重要なのは、彼らは北朝鮮を脱出して、ここ日本への「再帰国」を求めていた帰国者、日本人妻の救援活動をしてきた方々だということである。

 今回、北朝鮮が彼らを拉致実行犯として指定してきたのは、辛ガンスら日本人拉致実行犯の引渡しを求めて北日本に対する言いがかりに過ぎない。そして、ここで北朝鮮側は実は墓穴を掘っている。帰国者、そして日本人妻の現状、そして彼らの日本への再帰国という重要な日朝間の問題に北朝鮮側から足を踏み入れてしまったのだ。この好機を日本側は逃すべきではない。

 数万とも数十万ともいわれる北朝鮮からの脱北者の中には、既に多くの、1959年からの帰国運動で北朝鮮に渡っていった帰国者、並びに日本人妻が含まれている。そして、現時点で100人ほどが、この日本に「再帰国」を果たしていることも確かである。

 脱北した帰国者、日本人妻のうち、日本国籍を有している人(日本人妻と、日本で生を受けた後北朝鮮に連れられていった子供たち)の場合は、勿論日本国民としての保護対象である。同時に、在日コリアンとして北朝鮮に渡った人たちの場合は、日本入管法における定住者として、日本への入国が認められている。これらの法的根拠によって、帰国者、日本人妻は日本への「再帰国」への道が、脱北しさえすれば、狭く危険な道でありながらも開けつつあるのだ。

 日本政府の彼らへの保護が充分とは言わない。しかし、以前に比べれば、遥かに日本政府、外務省の当事者が努力し成果を挙げていることは事実である。かって救援団体が危険を犯して中国の現場で、殆ど孤立無援で活動していた時代に比べれば、外務省は帰国者、日本人妻に関しては、救援要請が届けば少なくとも動き出すようになった。
そして、中国政府もまた、当事者の日本からの保護要請に対し、渋々ながらとは言え従う傾向も出てきている。首相の靖国参拝が日中関係を損ねているというのは明らかに俗説であって、日本の経済力・国力を持ってすれば、中国相手の外交交渉で実を取ることは充分可能なのだ。この力を、日本政府は対北朝鮮外交では何故か殆ど発揮していないことが問題ではあるのだが。

 そして、北朝鮮帰国者の問題は、拉致問題同様、日朝関係における解決すべき巨大なテーマである。このように、脱北してきた人々を人道的に保護している姿勢に日本政府、外務省が至りつつあることは私は正当に評価する。しかし同時に、この問題の根本的解決なくして、北朝鮮との日朝国交回復などありえないことを、脱北することも出来ず、様々な苦境の中で命を落とした帰国者、日本人妻のためにも力説しておきたい。

 北朝鮮政府は、日本に対し、過去の歴史における補償を、それも荒唐無稽な数字と共に要請してくる。これに対し、日本側は、本来人道目的ではじまったはずの北朝鮮帰国運動の無残な「歴史」を突きつける事ができるはずだ。それも、誇張も誹謗もなく、ただ事実のみを告げるだけで、北朝鮮政府の非人道性はいくらでも明らかになるはずである。
わが守る会発足当時に告発された、浩平、小池秀子両氏の受難、芝田孝三さん一家の悲劇、永田源次郎氏とその妻の運命、処刑された朴春仙氏の兄など、実例は余りにも多い。政治犯収容所で殺害されていった帰国者、日本人配偶者の悲劇については、姜哲煥、安赫、安明哲ら脱北証言者の悲痛な報告がある。

 北朝鮮政府は、脱北帰国者を救援し、日本に助け出した人々を拉致実行犯呼ばわりするならば、現在も北朝鮮に残る全ての帰国者、日本人妻の安否調査に応じ、

また成分階層分類というアパルトヘイト撤廃すると共に、彼らの自由往来、そして希望するものの日本国への「再帰国」を人道的見地から認めるべきではないか。そして日本側も、単に北朝鮮の救援活動家引渡し要求を一蹴するだけではなく、日本国籍を持つ脱北者、日本人妻の救援は全く正当な行為である事を北朝鮮につきつけ、さらには人道・人権の見地から、北朝鮮帰国者全員の安否調査並びに、全く不当なスパイ罪などの冤罪で処刑、また収容所に送られた人々の裁判資料公開(その様なものは多分存在しないのだが)と名誉回復、そして在日ご家族に対しての謝罪と補償を求めるべきである。これも重要な北朝鮮の「戦後犯罪責任」なのだ。(終)

 

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来月から欧米諸国で北朝鮮人権大会開催

  朝鮮日報 2006.2.21  

 来月から北朝鮮人権大会がヨーロッパと米国で相次いで開かれる。

 欧州連合(EU)議会は来月23日、脱北者らを出席させ、初の北朝鮮人権聴聞会を開き、米国のフリーダムハウスもこの時期に合わせて22日から23日まで、ブリュッセルで第3回北朝鮮人権大会を開催する。ヨーロッパの北朝鮮人権大会には、米国のジェイ・レフコウィッツ北朝鮮人権問題担当特使も出席する。

 フリーダムハウスは昨年末にも、米国の北朝鮮人権法に基づく米政府の財政支援を受け、北朝鮮人権大会をワシントンとソウルで開いている。

 また、米国では宗教・人権団体が4月24目から5日間「北朝鮮虐殺(North Korea Genocide)」展示会を開催する。これらの市民団体が組織する「北朝鮮自由連帯」(NorthKoreaFreedomCoalition)は19日、「4月23日、北朝鮮自由週間を迎えて、北朝鮮に人権改善を促し、中国の脱北者強制送還に反対する集会・展示会・キャンドルデモなどを展開する予定」と明らかにした。

 ハードソン研究所のマイケル・ホロウィッツ首席研究員は「今年は北朝鮮人権問題の節目の年になるだろう」と述べた。

 また同日28日、米議会で北朝鮮の人権改善を促す集会とキャンドルデモが開かれ、北朝鮮人権問題に対する国際的世論が拡散するものとみられる。

 この他、米国務省は3月頃に世界人権報告書を発表する予定であり、国運人権委員会も4月にウッティット・ムンタホン北朝鮮人権特別調査官から北朝鮮の人権状況に対する報告を受ける。また5月には、ノルウェーのラフト財団がベルゲンで北朝鮮人権国際大会(主催:北韓人権市民連合)を開催する予定だ。

 

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《資料》 
12・16国際連合総会決議文

2005年11月2日提出  翻訳 守る会 依藤 朝子

 第60回会議第3委員会 議題項目71

 人権問題:人権状況と、特別報告官および代表者による報告

決議案の草案:アルバニア、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、日本、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ノルウェイ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、トルコ、イギリス、アメリカ合衆国(共同提案国)

 朝鮮民主主義人民共和国における人権状況

 総会は、国連の加盟国は人権と基本的自由を推進、保護する義務および、国際的な種々の文書のもとに負ってきた責任を履行する義務を負うと改めて断言し、

朝鮮民主主義人民共和国は市民的、政治的権利に関する国際規約(注1)、経済的、社会的、文化的権利に関する国際規約(注1)、子供の権利に関する規約(注2)、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する規約(注3)の加盟国であることに留意し、

人権委員会の決議案、2003/10(2003年4月16日)(注4)、2004/13(2004年4月15日)(注5)、2005/11(2005年4月14日)(注6)を想起し、

特に2005/11の決議案の中で、もし政府が朝鮮民主主義人民共和国の人権状況について委員会の特別報告官に協力しなかったら、また国内の人権状況の改善が見られなかったら、朝鮮民主主義人民共和国における人権状況の問題について取り上げるように、人権委員会が総会に促したことを想起し、特別報告官の報告に注目し(注7)、

1.以下の事項に関して深い懸念を示す。

 朝鮮民主主義人民共和国政府が人権委員会の特別報告官の、朝鮮民主主義人民共和国の人権状況に関する任務を承認せず、報告官に協力しないこと。 

 朝鮮民主主義人民共和国における組織的で広範囲にわたる、ゆゆしい人権侵害の報告が続いていること。この人権侵害は以下の事項を含む。

 拷問および、その他の残酷かつ非人道的で下劣な扱いや刑罰、公開処刑、通常の法的手続きを踏んでいない、恣意的な拘留、法の適正な過程および法の支配の欠如、政治的な理由により死刑を課すこと、多数の収容所の存在と広範囲にわたる強制労働。

 海外から送還された朝鮮民主主義人民共和国国民に対する制裁。彼らの出国を裏切り行為とみなし、収容、拷問、残酷かつ非人道的で下劣な扱いや死刑を課すこと。

 思想、良心、宗教、意見、表現、平和的集会、結社の自由、また平等に情報を得ることに対する全国的な厳しい制限および、国内を自由に移動し、海外を旅行することを望む者全てに課される制限。

 継続して行われている、女性の人権と基本的自由の侵害。特に、売春や強制結婚を目的とした女性の人身売買および、送還されて、警察の拘置所や労働収容所に入れられた母親に対して行われる強制堕胎および、嬰児殺し。

 強制的に行われた失踪である、外国人の拉致に関する未解決の問題。

2.これに関して国連人権高等弁務官が朝鮮民主主義人民共和国の当局と対話を進めようと努めているにもかかわらず、朝鮮民主主義人民共和国が国連人権高等弁務官およびその事務所との専門的な協力事業に取りかかっていないことに対し、懸念を示す。 

3.国内の不安定な人権状況を深く懸念する。特に、非常に多くの割合の子供の心身の発達に未だに影響を及ぼしている、幼児の栄養失調の蔓延を深く懸念する。

4.朝鮮民主主義人民共和国政府に対し、非政府組織や国連機関、特に世界食料計画などの人道的支援団体が、人道支援が人道的原則にのっとって、必要に応じて公平に届けられることを確認するために、朝鮮民主主義人民共和国のあらゆる地域に、妨げられることなく、完全に、自由に、安全に立ち入ることができるように保障するよう促す。朝鮮民主主義人民共和国の当局が2006年1月以降、人道支援を受け入れないと発表したことによって、この懸念は更に増している。

5.更に、朝鮮民主主義人民共和国政府に対して、あらゆる人権と基本的自由を十分に尊重し、これに関し、上述の人権委員会の決議案に盛り込まれた処置を完全に履行するよう促す。特に、特別報告官に完全に協力すること。

注1 決議案2200A(XXI)付録

注2 決議案44/25 付録

注3 決議案34/180 付録

注4 経済社会理事会の公式記録 2003 付録3(E/2003/23,Corr.1) chap.2,sect..A

注5 同 2004 付録3(E/2004/23,Corr.1)

chap.2,sect.A

注6 E/2005/23(Part1)E/CN.4/2005/134(Part1)andCorr.1

理事会の第61回会議の完全な報告の一部として公表された

経済社会理事会の公式記録 2005 付録3 

注7 A/60/306 参照

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12・16国連総会決議を読み、広めよう

 北朝鮮人権法自民党案に触発されて 

守る会名誉代表 小川 晴久

 2月4・5日、大阪と東京で開かれた二人に脱北女性の証言集会(人身売買の辛い体験を語る)は聴衆に強い衝撃を与えた。知っているつもりであったが、実はそうでなかったこと、そしてこのような人権侵害は、また聞きとか要約で真実が伝わるという性格のものではなく、直接本人から話をきくか、それをテープから起こしたもの、または本人の手記を読むか、どちらかを絶対にしなければならないということを改めて教えてくれたのであった。生の証言集会は、お金もかかることなので、日本国内各地で何度も開くことができない。とすれば、テープから起こしたものや手記を読み、広めることの大切さを今回の証言集会の教訓として引き出しておきたいと思う。

 同じ時期(2月6日〜8日)ソウルで尹玄さんたちの北韓人権市民連合が母体となって第一回アジア人権フォーラム(主催アジア人権協会)が開かれた。子供の権利侵害をテーマにアジアから12の団体が招かれ、その実態が報告されたという。
国連の北朝鮮人権特別報告官ムンターボーンさんが招かれて基調講演をされ、ためにソウル駐在の外国大使が六名も参加したというし、北朝鮮の子供の人権問題は児童の人身売買問題としてイギリスの著名なNGOが報告をしたという。主催のアジア人権協会はソウルでこの1月に発足している。
今回はフィリピンの家政婦(メイド)の問題がフィリピン政府関係者の参加をえて、大きくとりあげられたともいう。以上のことは2月10日主催した尹玄さんから直接電話をいただいてきくことができた。三浦小太郎さんが出している市民連合のニュースレター日本語版で詳しく紹介されるであろう。

 市民連合が主催して今まで六回開催されてきた北朝鮮人権・難民問題国際会議は朝鮮日報が後援をしているが、今回第一回目が開催されたアジア人権フォーラムは東亜日報が後援をしている。高麗大学が今後とも会場を提供するという。非常にいい形である。私はアジア人権フォーラムの記事をインターネットでさがすべく、2月10日であったか11日であったか、東亜日報の日本語版のホームページを開いた。
私はホームページで何日も前の新聞記事を検索して読むテクニックを身につけていなかったので、めざす記事にアクセスできなかった。そこで副産物として出会った記事が、2月9日自民党が北朝鮮人権法案を策定し、今国会に上程することを決定したというニュースであった。

 私がビックリしたのは法案骨子の第一に、昨年12月16日に採択された対北朝鮮国連総会決議をふまえ、12月16日を「北朝鮮の人権侵害について考える日」(仮称)に制定するとあることであった。それ以外のあと二つの骨子は昨年2月に国会に上程されたという民主党案の方がよくできていると思うが、この第一の柱はつい二ヶ月前の国連総会決議のことであるので、民主党案にはない自民党独自のものである。

 私はこのアイデア(提言)に痛く感心した。とてもうれしくなった。なぜといって、昨年暮れの国連決議は、1997年8月に国連人権小委ではじめて採択された対北朝鮮人権改善決議以来の積み上げによるものであり、確かな内容と見識を持つものであるからである。自民党案はこれをふまえ、それを採択した12月16日を評価して「北朝鮮の人権を考える日」にしようと言い出したのである。これを自民党が今国会で実現するか否かはまだわからない。しかし、このアイデアだけはとてもいいものである。

 人権の大切さを強調したものは世界人権宣言である。日本国憲法は世界人権宣言と双子の姉妹であると思われるほど、人権条項に溢れている。世界人権宣言を具体化したものが二つの国際人権規約(自由権規約と社会権規約、1966年制定)である。北朝鮮は1981年9月にこの二つの人権規約に加入している。人権を強調すればする程、その人は、その党は、その国は、自らを高めていく。
一方、北朝鮮は人権のひとかけらもなくなってしまった国になり、しかも人権改善を求める声に全く耳をかそうとしていない。このような北朝鮮に対処する道はただ一つ、全世界の人が今回の国連決議を読み、北朝鮮の人権侵害について考えることである。

 幸い国連決議は国連公用語六ヶ国語(英語、フランス語、スペイン語、アラビア語、中国語、ロシア語)に訳され、いつでも国連ホームページからダウンロード(プリント印刷)できる[文書記号A/C.3/60/L.48、昨年11月2日提出の日付あり]。貴重なのは中国語訳があることである。これを大陸の中国人に一人でも多く読んでもらうために活用することである。

 まず日本国民が一人でも多くの全文を読むことである。今回依藤朝子さんに急いで訳していただいた。原文の英文も格調高くいい。高校生を持つ親なら英語の勉強のためにもこれを活用するといい。大学や高校の教師なら、これを学生や生徒に訳させたらよい。

 これを人々に広めるに当たって、一つ人権侵害の具体的な事例をプリントして添付するとなお効果的である。今回の証言集会の人身売買の証言や、宋允復氏が訳して「かるめぎ」に紹介した13歳の少年一家の収容所惨事の事例、また一寸長いが同じく「かるめぎ」に訳載された李エランさんの北朝鮮の女性の人権状況など。私たち守る会員は手元に沢山の事例を資料として持っている。そのひとつひとつを、この国連総会決議に添付して友人に送ることだ。

 この行動は手元にある北朝鮮の人権侵害の事例を死蔵させておかないためにも大切である。読む人に負担にならないように、典型的な事例を一つ選び出し、丁度週刊誌の記事を読む位の分量のものをコピーして、決議文と共に、友人に手渡ししたり、郵送したりして、確実に決議文と事例の全文を読んでもらうことが肝心である。

 こういう資料は守る会の本部が大量に作って、提供するという方法もあるが、会員の皆さんが手作りで作ることも大事である。手元にある「かるめぎ」や収容所体験者の手記から、各自の選択で事例を選び出し、読み手の負担にならない程度の分量のものを決議文に添付して作成する。手持ちの資料を死蔵させておかないためにも、意味のある活動である。

 会員の皆さん、本「かるめぎ」に載った決議文を読み、それをコピーするところから始めよう。

 なお、この4月の国連人権委員会や、今年秋の国連総会で、新しい決議が採択される可能性もあるが、よりよい決議が採択されたらそれを広めていけばよい。現時点では12・16国連決議が最高のものである。

 米人権特使「脱北者、直接受け入れる」2006.2.18 朝鮮日報記事  

 米国が北朝鮮からの難民(脱北者)を米国に受け入れる方策を積極的に進めていることが明らかになった。米国は、2004年10月に発効した北朝鮮人権法の成立にもかかわらず、これまで脱北者の身元確認問題と現地の国々の反対によって北朝鮮からの難民を1人も受け入れたことがない。
米国のジェイ・レフコウィッツ北朝鮮人権問題担当特使は今月13日、ワシントンの国際人権団体のフリーダムハウスで非公開の懇談会を開き、「北朝鮮の難民問題は、米政府の信頼性(credibility)に関わるもの」とし、脱北者問題に積極的に乗り出す意志を明らかにした。米国内の北朝鮮人権団体の代表・関係者ら20人が出席したこの懇談会で、レフコウィッツ特使は今年の主な実行目標として北朝鮮の人権問題を浮き彫りにすること、北朝鮮の難民問題への積極的対処、北朝鮮政権の解放促進の3つを提示したと出席者らが伝えた。
これと関連し、懇親会に出席した複数の関係者は、「米国はこれまで北朝鮮難民収容に生ぬるい態度を取ったという批判などを勘案し、遅かれ早かれ韓国ではない第3国にある北朝鮮の難民一部を米国で受け入れる」と伝え、「今年米国に来る北朝鮮難民の数は最大で100人以上となる可能性もある」と伝えた。
米国のコンドリーザ・ライザ国務長官も同日、下院・国際関係委員会予算聴聞会に出席し、「米国は北朝鮮の難民政策を再検討しており、国土安保部および連邦捜査局(FBI)とともに難民支援活動参与方策を検討している」とし、米国が積極的に脱北者を受け入れる方向で政策を旋回していることを裏付けた。
 米国が北朝鮮の核開発問題と偽造紙幣問題などで対北朝鮮圧力を加速化するなかで、脱北者の受け入れにまで乗り出せば、米朝間の対立はさらに鋭くなるものと見られる。またこれに対して中国がどういう立場を示すか注目される。

 

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北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 東北支部学習会のお知らせ

命がけで北朝鮮から逃れる人々!

映画「ソウル・トレイン」上映会脱北者のいのちの叫び

ドキュメンタリー映画「ソウル・トレイン」上映

北朝鮮難民救援基金事務局長の加藤博さんと同団体の国際理事担当の野口孝行さんにお話をしていただきます。 脱北帰国者も参加予定!

日 時 3月25日(土) 18:00 開場 18:30 開演

場 所 仙台市戦災復興記念館

 仙台市青葉区大町2-12-1 TEL 022-263-6931

仙台駅からタクシーで5分

地下鉄広瀬通駅から徒歩10分・電力ビルから徒歩8分

市バス"東北公済病院戦災復興記念館前"下車、徒歩2分

共 催 北朝鮮難民救援基金

北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 東北支部

参加費 1,000円

問合わせ TEL 022-277-2471(相原)

 

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北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 本年度総会のお知らせ《会員限定》

 本年度守る会総会が4月15日に決定しました。北朝鮮人権法案が与野党共に提出される見込みとなり、また、国連でも北朝鮮人権批判決議が賛成多数で採択されるなど、北朝鮮を巡る情勢は大きな一歩を踏み出しつつあります。私達はさらに、帰国者、日本人配偶者の悲劇と救援の必要性、脱北者の実情と必要な保護措置、日本における受け入れ態勢の整備、そして北朝鮮人権抑圧の象徴である政治犯収容所の廃絶等について、市民団体の立場から訴えていくべき時です。

 このような重要な時期、本総会においては、本年度の基本的な活動方針を決定し、具体的な運動の進め方を議論してまいります。会員の方々のご参加をお願いいたします。

 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会総会

日 時 4月15日(土) 午後1時開場 1時半開会

場 所 食糧会館小ホール

     東京都千代田区麹町3−3−6

    (地下鉄麹町駅下車1番出口徒歩3分)

参加費 無 料(原則会員限定)

 

編  集  後  記

 今号では2月4日、5日の証言集会の記録を中心に編集致しました。参加出来なかった方々にも、少しでも集会の雰囲気が伝われば幸いです。

 トリノでの荒川選手の堂々たる演技と金メダルには沢山の人々が感動したことと思います。私は村主ファンなので彼女もメダルに届いたと信じたんだけどなあ。そして村主は、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」前奏曲で滑ったら絶対いいと思う。お疑いの方は是非ともこの曲のCDをかけて、ビデオの音を消して村主の演技を観てみてください(三浦)

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発行:北朝鮮帰国者の生命いのちと人権を守る会年会費:5,000円  郵便振替口座 00140-4-718645

00970-1-119745

脱北者教育支援口座  口座名「脱北者あしなが基金」  口座番号「00900-7-315884」

代表 山田文明  〒581-0867 大阪府八尾市山本町7-6-5TEL/FAX(0729)90-2887

東 京 本 部  〒100-8691 東京中央郵便局私書箱551号TEL/FAX(03)3262-7473

関 東 支 部  〒152-0002 東京都目黒区目黒本町3-15-16(谷川 透方)TEL/FAX(03)3712-5202

関 西 支 部  〒581-0013 八尾市山本町南2-6-34(窪田和夫方)TEL(0729)99-8780

東 北 支 部  〒981-0952 仙台市青葉区中山8-25-8-305(相原悦子方)TEL/FAX(022)277-2471

中国・四国支部  〒791-8025 松山市衣山5-1517-21(福本正樹方)TEL/FAX(089)923-4732

 カルメギ・ホームページ(担当 福本正樹)http://homepage1.nifty.com/northkorea/頒価200円