このページは、守る会の過去のページです。新しいホームページはこちらをクリックして下さい。



 ホーム


守る会組織

 呼びかけ
入会の御案内 
会則

カルメギの記事

交流の広場
掲示板


お得な情報
3.03掲載
 

リンク Friendly Link

翻訳サイト


書籍
特別に紹介させていただきます
『隠された戦争』
(萩原遼 著)


「生命

人権」


目次

(購入方法)

ダウンロードは
右クリック

第一巻

第二巻

第三巻

第四巻

第五巻

第六巻

第七巻

サンプル2

(ショルテ女史)
 


御支援の
お願い

脱北者あしなが基金

脱北帰国者支援機構

  写真
chung
chubong

haengyong

yongbyon

naksaeng

アクロバット・リーダーのダウンロード


 

かるめぎ72 2006.9.5

     目 次
○ミュージカル「耀徳(ヨドック)ストーリー」日本公演実現に向けて
○金英順さん(脱北者、舞踊家)証言
○アメリカ、日本、アウシュヴィッツ公演は    招待公演ではない
○新潟日報記事 祈り
○金正日を相手にする時代は去った
○脱北者30人余りのアメリカ亡命計画
○脱北者あしなが基金 6(2006年7月17   日)

○脱北帰国者、長野県で証言
○モンゴルにおける国際議連総会
○ソウルの路地裏 
○守る会関東支部学習会のお知らせ
○本年度12月北朝鮮人権週間に、
   各団体が北朝鮮人権問題を訴える
 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会は   10日と13日に集会予定 


***********************

06.8.5鄭成山さん 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会・証言集会より
ミュージカル「耀徳(ヨドック)ストーリー」日本公演実現に向けて
「ヨドック・ストーリー」監督・鄭チョン成ソン山サン氏

 8月5日(土)東京食糧会館中ホール、6日、大阪府社会福祉会館にて、ミュージカル「ヨドック・ストーリー」監督である脱北者鄭成山さん、同じく収容所体験者である金英順さん、そして、劇団四季にかって所属し、「ジーザス・クライスト・スーパースター」地方公園等でヒロインを演じたミュージカル女優の李朱蓮さんが証言集会を行った。金英順さんはこの公演の実現に向けて尽力すると共に、北朝鮮でも舞踊家だった経験と知識を生かして本作に舞踊始動などで協力した。李朱蓮さんは、女優としてこの作品への感動と共感を語り、本作が日本公演が実現すれば是非その主役を演じ、芸術の力を通じて北朝鮮人権問題に貢献したい旨を訴えた。参加者数は東京で約65名、大阪50名。以下は、5日の鄭成山さん及び金英順さんの証言内容の抄録である。
(三浦)

 まず本題に入る前に、拉致された日本人、何の理由もなく、拉致される根拠もない日本人を北朝鮮に連れて行った金正日にかわって、同じ北朝鮮の人間である私が皆様にお詫び申し上げます。
 スパイを育てる、又対南工作を行うために、何も知らない純粋な、優秀な女学生を拉致し、そうした被害を及ぼした金正日は人間ではなく、人間の面をかぶっている悪魔ではないでしょうか?
 また、金日成・金正日の悪口を言った、お酒に酔っぱらって、ちょっと悪口を言ったり、本人とは全く関係ないこと  たとえば韓国に親戚がいたり、朝鮮戦争の時に韓国のために仕事をしたとかの  過去の経歴のために政治犯収容所に送られたり、殺されたりする、そういう北朝鮮というのは、本当に神から見放された国ではないでしょうか?

 そのような彼(金正日)のことを、これから≪悪魔≫と表現します。まれに見る悪魔に、又その悪魔に従って忠誠を尽くしている北朝鮮の偽善者たちの前に私は敢えて挑戦状を突きつけました。その挑戦状が「耀徳(ヨドック)ストーリー」です。
 1994年、私は韓国の放送を聞いたと言う罪を問われて脱北し、両親は両江道の収容所に収容されていました。そして私はお金を稼ぎ、もしまとまったお金があれば、北朝鮮に残っている両親を韓国に連れてくるために、中国の公安関係者をお金で買収をしようとしていました。

 その最中、2002年に、衝撃的な知らせに接しました。その知らせというのは、私の父親が北朝鮮の22号収容所(ヘリョン収容所)というところで公開処刑されたというニュースでした。しかも、殴り殺されたと聞いています。
 その理由は、私が韓国に来まして、韓国で作られる北朝鮮に関わる映画  みなさんもご存じだと思いますが、「JSA」や「シュリ」、KBSのドラマで「ツツジの花が咲くまで」というドラマがあるんですが、そのドラマの内容に、金正日の一番知られたくない私生活の部分が描かれていますが、それに協力したからです。
 その知らせを聞いたとき、私は一瞬でありますが、韓国で生きていく意味を失いました。
 自殺を図り、自分の体を切ったり、水に飛び込もうとしたり数十回も考えましたが、結局は死ねませんでした。その時私は、感じました。『このままでは絶対に死ねない。』と。

 その時に何かをしようと決心し、作ったのが『太陽の呪い』という北朝鮮の映画のシナリオを書きました。しかしそのシナリオを持って韓国のいろんな制作会社を訪問しましたが、どこも相手にしてくれないし、又、変人扱いされました。
 その時ちょうど、金大中政権が執っていた『太陽政策』の中で(私のシナリオは)本当に南北平和を壊す、時代を歪曲するような内容だと言われました。
 そして、テーマを私はミュージカルに変えました。タイトルも「耀徳(ヨドック)ストーリー」に変え、人を恨み、憎み、復讐を誓うそういうストーリーから、赦す、愛する、そのような人間のヒューマニズムに近いストーリーに変え、又、イデオロギーや思想は 何より人権の問題にはかなわない、人権の問題より先にしてはいけないという、そういうテーマに変えたわけです。
 そして去年からミュージカル制作に取り組んできたわけですが、しかしその時まで、韓国に数多く存在していた、保守陣営、右翼、その時まで、金正日を打倒し、金正日政権の崩壊を声を高く訴えていた各団体が、いざ訪ねていくと私を無視し、相手にしてくれませんでした。

 その時に、私に本当に力を貸してくれた人たちというのは、私と同じように北朝鮮から脱北してきた、韓国にいる脱北者たちでした。
 そういう悩んでいるときに、この場に来日している金英順(キム・ヨンスン)さん、みなさんご存じの姜哲煥(カン・チョルファン)さん、安明哲(アン・ミョンチョル)さん……など脱北支援団体の方が、私に不足しているお金、10万20万ウォンのお金を渡してくれて、又、稽古をする練習場に訪ねて来て、『韓国の状況は悪いけれど、勇気を失わずに頑張ってくれ』と間食を差し入れてくれたりした、そのような行為が私に『これは進むべきだ、これからやるべきだ』という決心をさせてくれることになりました。
 誰も、この「耀徳(ヨドック)ストーリー」が公演されるとは予想している人はひとりもいなかったんです。

 私自身も、「耀徳(ヨドック)ストーリー」のミュージカルの幕が上がるのかと心配になったこともあります。また、この「耀徳(ヨドック)ストーリー」のミュージカルに対していろんなところから脅迫の電話、脅迫のメッセージがあったり、時々変な人が練習場に訪ねて来る。本当に自分自身が死と背中合わせでやっていく、そう言う日々でした。
 助監督を務める人に、『私が万が一、何かがあっても、必ずこの舞台の幕をあけろ』というそういう命令したこともあります。
 そして韓国の国家権力は、情報関係者を私のところによこして、シナリオに問題点を提起し、『シナリオの内容は、韓国国家保安法にひっかかるよ』と。なんとなくシナリオの盛り上がりに水を差すような、そういう脅迫も私にありました。
 その一連の流れで、一番決定的なダメージを私達に与えたのは、去年の11月、公演を予定していた劇場が、韓国政府の圧力によって、我々の公演を辞退してしまったのが一番ショッキングな事でした。
 それに連ねて、政府がこのような圧力をかけると知ってしまった投資家、制作に金銭的に協力してくれる制作担当者が、投資を、金銭的協力を止めるという連絡をしてきました。
 私の人生であの期間ほど、涙を流した時はなかったでしょう。

 しかし、何とか公演できる劇場を確保しなければいけないので、私は自分の内臓を担保に2,000万ウォン(日本円で250万円)を借りました。
 本当に辛いそういう環境の中で、絶対に諦めずにやらなければいけないという、その気持ちの支えになったのは収容所で亡くなった私のお父さん、又、収容所を経験している金英順(キム・ヨンスン)さん、その他の脱北者たちの恨みをはらさなければいけないという気持ちです。そして私の内臓を担保に、自分の体を売ってもなんとかこの作品を上演させるという決意が固まりました。
 そしてその後、そのような一連の動きが韓国の新聞に報道され、何となく社会的雰囲気が追い風になったときに私は、「耀徳(ヨドック)ストーリー」の公演は神様が支えてくれていると思いました。
 その新聞報道が出た後に、1日2,000万ウォンの募金が入るようになりました。

 また、約1,000人ほどの後援者が、韓国のお金で1億1,000万ウォン(日本円で1,400万円)を集めてくれました。そのために、私達の「耀徳(ヨドック)ストーリー」のコピー、宣伝文句は『「耀徳(ヨドック)ストーリー」・大韓民国の国民のみなさんが作ってくれました』というコピーに決めました。
 確かに舞台の幕が上がった最初は低迷していたんですが、3月26日公演以降は毎日毎回満員御礼が続く大当たりになりました。
 ミュージカル「耀徳(ヨドック)ストーリー」は韓国のミュージカルの歴史を少しずつ変えています。
 まず韓国のミュージカル業界では5つの悪害=これがそろえば公演は成功しないという素材が5つあるそうです。

 その一つ目が、原作が輸入物ではなく創作ものであること
 二つ目は、私のような全くの新人監督
 三つ目は、新人俳優
 四つ目は、深刻なストーリー、内容
 それから、非常に環境の悪い劇場
 ソウルで公演したとき、この5つの素材は全部私達に当てはまりました。
 この5つの悪材を全部ひっくり返したのは、私達の「耀徳(ヨドック)ストーリー」が初めてです。
 ソウル公演を終え地方公演まで、7月末までやりましたが、延べ7万5,000人の観客が私達のミュージカルを見たことになっております。
 一番最初に、この作品をやろうとしたときに、スタッフのみなさんが私に言った言葉があります。
「監督さん、この作品は本当に政治的であり、内容も深刻なものなので、これは本当に上手くやらないと、みんな夜逃げするようなことになりますよ」と言われました。

 しかし敢えてその問いかけにこういう言葉をかけました。
『ミュージカル「耀徳(ヨドック)ストーリー」は核爆弾になるよ』と。
 私にいろんな人が、『何故、鄭成山さんは、「耀徳(ヨドック)ストーリー」をそんなに熱意を持っているんですか』と聞かれます。そこで私は、敢えて俗な言い方をします。
 金正日と一本勝負を望んでいます。
 金正日はどの文化を、どのように利用し、使えば、上手く政治的に利用できるかを本当によく知っている人間であります。私は、北朝鮮で文化を学んでいたので、敢えてその(文化を政治利用する)金正日と、文化で一本勝負を挑んでいるのであります。

 私達の「耀徳(ヨドック)ストーリー」を韓国国内で7万以上の人が見たと言うこと、その裏付けは、私達の「耀徳(ヨドック)ストーリー」に力があり、実力があると私は思っています。
 それは収容所で亡くなった私の父親、又そこを経験して韓国に逃げてきた金英順(キム・ヨンスン)さん及び脱北者たちが、『私達を忘れないで欲しい』と訴え、また北に残っている(収容所に収監されている)人たちも『私達を助けて欲しい』と願っている、その魂が未だに私に訴えているからです。
 私は「耀徳(ヨドック)ストーリー」の今年の9月アメリカ公演を行うことにしました。
 このアメリカ公演は、アメリカから招待された、招待公演ではありません。
 私達が、私の団体がお金を作って行く、企画公演です。
 およそ150万ドルの費用がかかりますが、私は強行突破をはかっています。

 それは何故ならば、この私が進もうとする道=行動が正義の行動であり、その意志は天にあると思っておりますので、私はその過程の中でたくさんの後援者ができると信じておりますし、必ず、その後援者と共に「耀徳(ヨドック)ストーリー」のアメリカ公演が実現できるだろうと考えております。
 北朝鮮の人権問題に非常に高い関心を持っていただいているアメリカの人たち、又、脱北者のみなさんと力を合わせて、金正日の実体を暴く「耀徳(ヨドック)ストーリー」の公演が成功すれば、非常に大きなきっかけになるだろうし、そしてブッシュ現大統領、クリントン前大統領、及びアメリカ政府の色々な人たちに招待状を送るつもりです。
 このように、全世界の打倒金正日の雰囲気を盛りあげていけば、必ず金正日を倒すことができる。
 そしてそのエネルギーを私は、日本で爆発させたいです。
 ここにいらっしゃるみなさんが日本の拉致被害者、及び北朝鮮からの帰国者、脱北者のために献身的に努力を惜しまず行っている行動について、北朝鮮の人々は、決してそのことを無視することはしないでしょう。
 これは私の個人的考えですが、本当の意味で北朝鮮を崩壊させ解放できるのは、アメリカ・日本しかないと思っています。
 その始まりが、この「耀徳(ヨドック)ストーリー」であり、また日本公演を実現することによって北朝鮮、金正日をさらに追い詰めることになるでしょう。

 私の計画としては、2007年、来年にはポーランドのアウシュビッツの跡地でこの「耀徳(ヨドック)ストーリー」の公演を目指しています。
 そういった一連の行動が、この計画が、ひいては、北朝鮮の人権問題の解決につながるし、金正日政権を潰すことになると思います。
 みなさまにみなさん全員が、力を合わせて、NGO団体が力を合わせて、国際的雰囲気を盛りあげていって欲しいです。
 私は日本公演をどんな手を尽くしてでも必ず実現させます。
 私はみなさまの高い関心、そして温かい励まし、自らの参加がですね、私達の「耀徳(ヨドック)ストーリー」の日本公演を実現するキーポイントになると思っております。

 私は最後に皆様に訴えたいことがあります。この話をはじめる最初に言ったことですが、何の理由もなく、拉致され連れ去られていった、辛い出来事のきっかけをつくる金正日政権。そして、今でも、北朝鮮では何の理由もなく殺されるという殺人が日常茶飯事に起きています。(北朝鮮には)そう言う人たちを殺すことに何の罪の意識もなく疑問を持たないまま行動を起こすような人間がたくさんいます。
 私は、1日も早く金正日政権がこの地球からなくならないと行けないと思っています。
 本当に時間がない、一時でも早く解決しなければならないと言うことを、みなさんに最後に訴えたいし、最後にこのような北朝鮮の人権問題に真剣に取り組んでいるみなさまにもう一度感謝の気持ちを申し述べさせていただきます。
 今日はありがとうございました。

**********************

脱北者の心を代弁した「ヨドック・ストーリー」
金英順さん(脱北者、舞踊家)証言  
編集部

 みなさん今日はこちらに足を運んでいただいてありがとうございます。今日ここで話を聴いていただく方々に感謝を申し上げます。
 私、金英順は1937年生まれで、今年で70歳になります。 私は1970年に平壌の平壌総合芸術大学舞踊学部を卒業し、日本でも有名な朝鮮舞踊家、崔承喜先生からクラシックバレエを教えていただきました。平壌で私は北朝鮮ではもっとも幸福な生活をしていた人間の一人だと思いますが、ある日突然、それまで全く聴いたこともなかった、耀徳(ヨドック)収容所というところに連れて行かれる運命となりました。
 この「耀徳(ヨドック)収容所」の悲惨な状況を話そうとしたら、何日間話してもきりがありませんので、今日は短く何点か話させていただきます。
 私は1970年8月に耀徳(ヨドック)収容所に収容され、1978年11月に出所をいたしました。私の旦那さん(主人)は辛光洙に告発されて耀徳(ヨドック)収容所に入れられました。


 私が何故耀徳(ヨドック)収容所に収容されたかというと、私は金正日の奥さんであるソン・ヘリンと同級生であります。一家の内幕を良く知っていることが、罪となって耀徳(ヨドック)収容所に監禁されたのです。
 その期間は8年間に及びました。その8年間の間に父母は栄養失調で亡くなり、一人しかいなかった息子は9歳の時に学校から帰るときに川で溺れて死んでしまったんです。耀徳(ヨドック)収容所には日本人も何人かいらっしゃいました。有名な俳優の、カンウオンシンと言う方がいるんですけれども、彼の奥さんも日本人でした。耀徳収容所では日本人だけで構成された作業班があったんですけれども、第十作業班と言われていました。
 耀徳(ヨドック)収容所の8年間の話は、「耀徳(ヨドック)ストーリー」の2時間では表現しきれない悲しい8年間だったんです。

 それを鄭成山監督さんが、私達の証言をもとに、また、監督さんのお父様が北朝鮮で亡くなった事への怒りを込めて、本当に良い作品に仕上げたと思っております。また、私も証言者として監督さんや俳優のみなさんに自分の知っている限りの証言をしてきました。私は北朝鮮で舞踊家をしていましたので、今回の舞台の北朝鮮側の振り付けを担当しております。
 これから、この作品(「耀徳(ヨドック)ストーリー」)を皆様が見てくださって、世界平和を願う皆様が、この作品を見て人類の幸せのために、北朝鮮の(収容所に収容されている)二十万の政治犯を助けるために、是非力を貸していただきたいのです。
 私は、収容所を出るときは、この10本の指で誓約書に指紋を押され、収容所の中のことは決して喋らないよう誓わされて出てきました。しかし、お父さんとお母さんの死体は、棺桶も無しにただ風呂敷に包まれて、子供の死体も棺桶もないところにただ捨てられたということです。それを思い出すたびに怒りがこみ上げて何を言えばいいかわからない気持ちです。
 そのような私の気持ちを「耀徳(ヨドック)ストーリー」という作品が代弁してくれまして、本当に感謝しております。

 まだ若い鄭成山監督さんが、この作品、「耀徳(ヨドック)ストーリー」を仕上げてくださって、金正日の罪を世界に知らせる、その発端の作品になるように願っております。
 見てくださる人々も、早くこの金正日体制が倒れるように、みんなが力を合わせて、世界平和のために、苦しんでいる人々を助けてくださるようにお願いいたします。世界には貧しくてご飯を食べられない国がいっぱいありますが、それのほとんどは自然災害、地震などが理由ですが、唯一この北朝鮮だけは、独裁政治によって、国民が思うように食べられない国であります。この国の体制は必ず絶滅させなければなりません。このミュージカルが、私たちの証言や政治的な議論、集会よりも、遥かに広い効果を人々に与え、芸術の力を通じて、金正日政権を倒す世論を作り上げて言って欲しいと思います。
 北朝鮮では未だに無実の罪で、無法に死んでいく人がたくさんいます。日本の皆様、そしてアメリカ、ヨーロッパの中でも、北朝鮮の人権侵害に関心を持つ人々が力を合わせて早く金正日政権を倒して、北朝鮮の人々を助けてくださるように願っております。
 最後にもう一度、素晴らしい作品に仕上げてくださった鄭成山監督と、韓国で主演してくださる素晴らしい女優さん達に感謝の気持ちを述べます。
 みなさん、ありがとうございます。

 

************************

アメリカ、日本、アウシュヴィッツ公演は招待公演ではない
守る会名誉共同代表 小川 晴久

 8月5日と6日のヨドック・ストーリーの原作者・監督鄭成山来日講演は、その一言一言が心に沁み入り、われわれの心を揺さぶらずにはおかないものであった。紙幅上3つにしぼる。
 第一は彼の両親の収容所入りと彼の自殺未遂。彼が脱北したことで両親は両江道の収容所に入れられたこと、彼が金正日の私生活を扱ったKBSのテレビドラマつつじの花が咲くまでの制作に協力したことで(推定)、父親がヘリョンの22号管理所(収容所)で公開処刑(実質はなぐり殺し)された知らせが2002年に入り、彼は生きる意味を失い、何度も自殺をはかったことを今回知った。韓国の報道では、一週間寺にこもり断食をして考えた末に、芸術の力で復讐するしかないという結論を出したと述べていたが、断食も自殺の試みの一つであったのかもしれない。今回わかったこの第一は、彼が何度も自殺を試み、何十回となく自殺を考えたという事実である。彼は一度死んだのである。

 第二は、ヨドック・ストーリー上演までには3つの大きな段階があったこと。第1段階は金正日政権打倒を叫ぶ保守・右翼団体も財政支援はしてくれず、資金が集まらない苦しい時に、収容所体験者や脱北者たちが、日本円に換算して5千円や1万円を乏しい中からカンパし、間食の差し入れなどして支えてくれたこと。最も苦しかったのは政府の妨害で11月に予約した劇場がキャンセルしてきたときと、今年1月スポンサーが下りてしまったときの第2段階。彼は自分のアパートや内蔵を担保にお金を借り、新しい劇場だけは辛うじて確保した。2月に新聞がこの窮状と彼の壮絶な意思を報じて第3段階に入る。その日から全国から心ある市民、国民のカンパがどっと寄せられるようになった。記事が出たその日は1日で2千万ウォン(250万円)ものカンパが集まったという。後援会員も1千名でき、計1億1千万ウォンの協力があり、上演にこぎつけることができたという。ここから次のような方程式が浮かび上がる。

 原動力はヨドック収容所廃絶を切実に願う脱北者たち→既成組織の非協力と韓国政府の妨害→どん底での鄭成山監督の自己犠牲→マスコミ報道による心ある市民・国民の財政支援。

 この方程式は多くのことを教えてくれる。
 第三は、9月に予定されているアメリカ公演は招待公演ではなく、自分たちの意思で決めた企画公演であると監督が言明したこと。150万ドルかかるという。勿論アメリカ側で実行委は作られているが、自分たちでお金を作ってでも行なう公演である、来年計画しているアウシュヴィッツ公演もそうだと言う。私を一番驚かせたのは、自分たちの企画による公演であるという点であった。監督は日本公演も必ず実現するという(実行委の協力を得て)。なぜなら、金正日政権を打倒し、人権を回復できる国はアメリカと日本しかないからだという。
 莫大な経費がかかるのに何のために海外公演か。収容所廃絶のためである。私たちは決意を新たにするしかない。

**********************

金正日を相手にする時代は去った
  金正日を除去し新たな局面を開くための私論
   
           萩 原  遼

(以下の論は守る会の意見をもどこの意見をも反映しない、私の個人的見解である)
 7月はじめの北朝鮮のミサイル乱射以降、どう対処したらよいか、多くの専門家が「北朝鮮に早く6カ国協議に復帰してほしい」とか「先制攻撃をやれ」といったこれまでに破綻した論をあいも変わらずとなえている。 私は金正日を相手にする時代は去ったという観点で北朝鮮の指導者を交代させる戦略をいまこそ真剣に検討する時期に来たと考える。
 結論から言って、無血で金正日を別の指導者に取り替えるには、金正日は父金日成を謀殺した極悪犯人であること、200〜300万人の北朝鮮国民を餓死殺人した犯人であることを北朝鮮の人民に広く浸透させ、お上の言うことは何でも聞く北人民の意識を根本的に変える。それによって、もはや金正日ではだめだということを事実上の宗主国である中国に認識させ、指導者の交代を図ることである。

1.金正日といくら話し合っても懸案の解決はない
 日本国民の大きな関心事は拉致と核・ミサイルの問題である。金正日といくら話し合っても解決の展望はない。なぜなら二つの問題を発想し、実行し、推進してきた張本人がまさに金正日だからである。このことはいまでは広く知られている。拉致の張本人に拉致問題を完全に解決せよというのは自殺せよというにひとしい。2002年9月に小泉首相を平壌に呼び日朝国交正常化をうたう日朝平壌宣言を取り交わし5人の日本人とその家族を還したのは、日本から多額の金を取るための金正日の策略に過ぎなかった。これにはめられた小泉首相は金正日に「拉致は解決ずみ」との言質を与えてしまった。小泉首相の軽率さのせいであり、外交的な大失態である。そのため拉致問題はその後なんらの解決もなしにすでに4年たった。金正日を交渉相手とする限り進展は望めない。

 核問題も同じである。北朝鮮の核問題が浮上したのは1993年から94年である。金日成と金正日が北人民の反政府暴動を反米運動にすりかえるためにわざと核開発の事実を見せつけてアメリカを挑発した。金日成・金正日が社会主義圏の軒並み崩壊という1990年代初頭の流れの中でどう生き残るか、必死の模索として核問題が使われた。米朝双方に多大の犠牲者の出る朝鮮半島での戦争一歩手前で、カーター元大統領の斡旋の結果手打ちとなり、北朝鮮は核開発を控えることを約した。その見返りにアメリカから何をもらうかで金日成と金正日の間に深刻な対立が生じた。
 金日成は、飢えた人民のために食糧の増産に役立つ肥料の生産を狙って火力発電所の建設を主張した。一方金正日は、核開発に役立つ原子力発電所(軽水炉)の建設を主張した。金正日は腹心の姜錫柱第一外務次官を動かし、アメリカから軽水炉をもらう方針を進めた。1994年7月8日ジュネーブで米朝高官会議が行われる運びとなった。その2日前の7月6日、金日成は党・政府の経済協議会で軽水炉に真っ向から反対した。「軽水炉は不足する電力の解決には役立つが建設に10年もかかる。その間をどうするのか。手っ取り早く肥料を生産できる火力発電所でいけ」と最終方針を示した。 自身の方針が否定されその後の生き残り戦略に恐怖を感じた金正日の打った手は金日成を亡き者にすることだった。1994年7月8日午前2時、金日成は心臓麻痺で死んだと北朝鮮は発表した。ジュネーブ会議の15時間前である。

 私は、金日成が死ななければならなかった日時まで特定して、これが金正日による金日成謀殺であったことを『金正日 隠された戦争』(2004年 文藝春秋)で論証した。
 北朝鮮人民の偉大な首領である神にもひとしい金日成を亡き者にしてまで核兵器に固執する金正日が、話し合いぐらいで核を手放すことはありえない。
 6カ国協議は、中国とアメリカの思惑による時間稼ぎであって、金正日が握って離さない核を取り上げるためのものではない。したがって北朝鮮を6カ国協議のテーブルに着かせることを至上とする論はおろか6カ国協議そのものすら完全に破綻したことを意味する。これ以上金正日を相手として核問題を解決しようとすることじたい時間の浪費であり、空論である。

2.金正日にはめられ日朝平壌宣言に署名した小泉首相 このような父殺しの大逆犯、国際的無法者の金正日をあたかも責任ある指導者であるかのように持ち上げてきたのはクリントンと金大中、盧武鉉、小泉純一郎の各氏である。彼らが金正日をつけあがらせ、問題解決の行き詰まりを招いた戦犯たちである。
 日本人の立場として特に小泉首相の責任を問いたい。
13歳の少女横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されたという事実が1997年ごろから広く知られるようになって以来日本国民の間に拉致への怒りが高まった。ブッシュ政権の登場によって「悪の枢軸」と名指され恐怖した金正日は、日米の分断を狙って日朝国交正常化を画策し、森首相(当時)に接近した。そのえさが拉致であった。金正日は密使姜錫柱第一外務次官をシンガポールに送り、拉致をすべて解決するとのべた。森氏の失脚でお鉢が小泉首相に回った。彼は平壌に乗り込み、日朝平壌宣言に署名した。はめられたのだ。はめるために重要な役割を果たしたのが外務省の売国奴田中均アジア大洋州局長(当時)であった。詳しくは拙著『拉致と核と餓死の国北朝鮮』(2003年 文春新書)にゆずる。
 拉致をえさに金正日は小泉首相に日朝国交正常化をうたう日朝平壌宣言に署名させた。

 日朝国交正常化となると一兆円から数兆円ともいわれる多額の金が北朝鮮に入る。金正日のいう経済協力資金である。ところがこれがアメリカには大問題である。 朝鮮戦争に介入し北朝鮮・中国といまも戦争状態(一時休戦中)にあるアメリカは、対戦相手の北朝鮮に日本から多額の金が入るのを喜ばない。戦力は一挙に高まる。宣言締結の1ヵ月後、アメリカは北朝鮮が核開発を続けている事実を暴露し小泉・金正日の野合に冷水を浴びせた。かつて1990年に金丸自民党副総裁と田辺社会党副委員長、金日成の間で交わした三党共同宣言の1ヵ月後にアメリカは北朝鮮の核開発の事実を日本で公表した。このときと同じやり方である。
 つまりアメリカは、朝鮮半島を握っているのはおれたちだ、おれたちの頭越しに日朝国交正常化などという出すぎたまねをするなということである。アメリカから核開発の事実を暴露された北朝鮮は開き直って核爆弾を持っていることを認め、「もっとすごいものを持っているんだぞ」とすごんだ。これが2003年6月であった。
 あわてたのは中国。北京五輪を契機に経済飛躍をはかりたい中国はなんとしても東北アジアの安定がほしい。北京オリンピックまでは北朝鮮に騒ぎは起こしてほしくないとの気持ちから6カ国協議をお膳立てして、共同保護観察の枠組みを作った。その思惑は時間稼ぎのためであって、なんとしても北朝鮮の核問題を解決しようとする意思はない。アメリカは2003年3月からのイラク爆撃に手いっぱいで極東で第二戦線を開く余裕はない。問題の先送りのために6カ国協議に賛成したにすぎない。中国、米の問題先送りの思惑から始まり、すでに3年たった。なんらの実効もなく事実上その役割は終わった。

 日米安保条約に縛られた日本が、アメリカの頭越しに日朝国交正常化ができるわけもないことを知らない小泉首相が金正日にはめられて署名した日朝平壌宣言がことを面倒にした。6カ国協議というわけのわからないものを生みだした。その結果、拉致も核もなんの解決の見通しもない行き詰まりを招いたのである。
 小泉首相が日朝平壌宣言に署名したため金正日に「拉致は解決済み」という口実を与えてしまった。そのことが、その後の拉致被害者の家族や支援の国民の運動にも大きな障害を作った。当初5人の生存者とその家族を取り戻したことがあたかも小泉首相の功績であるかのように本人も国民の一部も錯覚した。小泉首相と金正日にお願いすれば拉致は解決するかのような幻想を与えた。
 小泉首相が日朝平壌宣言に署名して以来拉致も核も進展がないところから国民の間にも疲れが見えたり嫌気やあきらめムードが広がっている。北朝鮮を崩壊させるしか拉致と核の完全解決はないことがはっきりするにつれて、あと2年で北は崩壊する、いやあと1年だなどという予想が出回ったりして運動する人にも根拠のない崩壊の見通しに振り回される現象も起きている。 北朝鮮は簡単には崩壊しない。その理由は中国が経済大国としてのし上がるために先端産業で勝負できる希少金属(レア・メタル)の世界的埋蔵地の北朝鮮を取り込むため属国化しつつあることである。中国はいまでは北朝鮮の宗主国として何千年も続いた主従国の関係にもどりつつある。中国が北朝鮮を見放すどころかその紐帯は強化されつつある。
 であるなら拉致の解決も核問題の解決も絶望的ではないか、という反問が出される。そうではない。現状を認識しどうするかの発想の転換をしなければならない。


3.無血で金正日を除去する方法
 金正日と交渉相手とする限り問題解決に役立たないことをすでに述べた。それを前提として、金正日を除去し、新しい指導者を擁立するしかない。金正日を平和的に除去するには、金正日が金日成を殺した事実を北の人民に広く知らせることである。北朝鮮人民の怒りを組織して彼を引きずりおろさねばならない。そのことを事実上の宗主国の中国に理解させることである。そして中国が考えている後継者を北京オリンピックのあとではなくいま、前倒しで擁立させることである。
金正日除去というと、クーデターやピンポイント爆撃で暗殺することを考えるが、いまの北朝鮮情勢では現実味はない。クーデターを起こすだけの国内の反政府運動がない。骨のある人物は1990年代後半の餓死殺人によってみないなくなっている。軍を金正日は掌握している。中国は金正日を擁護してきたし現在も朝鮮半島で騒ぎは起こしたくない。
 アメリカがピンポイント爆撃で金正日を除去する可能性はイラク以上に困難である。アメリカが爆撃するといえば北人民は朝鮮戦争の恐怖から無条件に団結し、死に物狂いで立ち向かおうとする。それを熟知する金正日は絶えずアメリカが攻めてくると虚偽宣伝を流しては食糧不足への不満や不平を反米にそらせて窮地を脱してきた。先制攻撃論やピンポイント爆撃論はかえって金正日を強化するだけの逆効果しか生まない。
 ある北朝鮮専門家は言う。最近は中国から情報が入っていて北朝鮮は昔とは違うと。だがそれは200万人ほどの特権階層や首都平壌の住人や中国との貿易関係者だけであって、2000万人近い人民は水道もない、ガスはおろか石油コンロもない、電気は一日数時間10ワットほどの豆球ひとつの原始生活に近い生活を送っている。慢性的食糧不足ゆえに考えることは食うことばかリ。天下国家のことを考える余裕すらない。
 そんな人民にもわかりやすく理解されるのは金日成殺しと餓死殺人である。200万とも300万とも言われる餓死者が出た1995年から98年までは餓死を装って敵対階層数百万人を意図的に抹殺した。これは前出の拙著『金正日 隠された戦争』に詳しく立証しているのでそちらにゆずりたい。

 偉大な首領を殺したのがほかでもない金正日であったことを知ったとき北の人民は驚愕しそれは瞬時に怒りに変わる。親殺しは普通の国でも大罪である。まして忠孝を尊ぶ儒教国家北朝鮮で父親、しかも神のごとき金日成をあやめたことを知ったとき北朝鮮人民の金正日への怒りは想像を絶する。
 この事実をあらゆる手段で北朝鮮の人民に浸透させることである。口コミで広がるように韓国にいる脱北者たちが小さなビラや出版物にして気球に乗せて北に飛ばしている。また脱北者が運営している自由北韓放送や、米議会がスポンサーとなっている自由アジア放送(RFA)の朝鮮語放送で金日成殺しを北に流している。現に私の本『金正日 隠された戦争』の韓国語版は自由北韓放送から全文朗読された。自由アジア放送でも数回紹介したと7月のワシントン訪問で知った。こうした宣伝をもっと大規模に、もっと組織的に行えば北住民に広く届くであろう。

4.中国がそれを認めるか?
 金正日の除去を中国が認めるだろうかという質問が返ってくる。中国もいずれは北朝鮮の後継者を模索しなければならない時期に来ている。金正日はことし64歳。中国が北朝鮮を握り続ける方向に動いている以上、権益擁護のうえからも北の後継者を考えざるをえない。金正日の息子金正男を北京に囲っている。真偽のほどは未確認だが彼は2001年5月に日本への不法入国で捕まったとき日本の取調官にこういったという。  
 「私が国に帰らない理由はひとつある。それは私を愛してくれた祖父(金日成)を殺した父(金正日)が許せないからだ」

 事実とすればきわめて示唆的である。金正日に対する強い憎しみを持ち、かつ金日成には強い愛情を持つ人物。中国が考える後継者の条件を満たしている。中国は北朝鮮を韓国やアメリカに渡す気は毛頭ない。それどころか人民の無知蒙昧の状態から今後数十年は金日成思想で治めることが得策と考えているとみられる。毛沢東を憎みながらも中国人民の毛信仰を利用している中国の現指導部である。北の人民は中国に輪をかけた金日成信仰である。
 金日成の家系なら金正男以外にも金正日が二度目の妻高英姫との間にもうけた息子が二人いる。金正哲と金ジョンウンである。このほか金日成が後妻の金聖愛に生ませた金平一と金○○がいる。後継者としての条件は満たしている。
 しかし金日成の家系で、金正日への憎しみを利用して無血で指導者の交代を北民衆に納得させられる人物となると消去法によっておのずと決まってくる。私は中国が情勢の推移によってもはや金正日を担ぐことは得策ではないと判断したときは動くと思う。
 いまがそのときであることを中国に提言したい。しかし聞く耳を持たなければわれわれもその条件を作って中国を動かざるを得ない状況に追いこむ。中国がその判断を誤れば望まない流血の事態になるだろう。次期指導者に担がれる者の資質を問題にする向きもあるが、それはどうでもよい。北朝鮮には、指導者は無能でもブレーンには切れ者が多い。金日成の威光を借りて無知蒙昧な状況に置かれている人民の納得を得ながら少しずつ改革・開放の風を入れ、生活を高め、南との格差をちぢめ、北の民衆に自信をつけさせ、無知蒙昧の状態から解放することである。

5.拉致、核、帰国者・日本人妻の完全解決を
 無血による北朝鮮指導者の交代に当たって日本ができることは多い。次の三つの条件を飲めば日朝国交正常化に応じることを中国や関係国に納得させることである。
@ 拉致した日本人数百人(あるいはもっといるかもしれない)の全員無条件返還。責任者の処罰。死亡している場合遺骨の返還、遺族の墓参りなど必要なことをすべてやれ。
A 核は関係諸国と連携しながら放棄させる。
B 60年代にだまされて北朝鮮にわたった在日朝鮮人とその日本人妻全員を原状回復し、いったん日本に連れてくること。日本に連れ戻してあらためて本人の意思によって居住国を決める。日朝間の自由往来は保障する。
 これらが満たされれば日朝国交正常化に応じ、植民地支配の賠償金(金正日は経済協力資金という)を提供することを約束する。そうなれば北朝鮮民衆だけでなく中国やロシアにとっても利益となる。問題はアメリカである。日朝国交正常化になると必ずつぶしにかかるアメリカを説得できるのは拉致と核と在日朝鮮人帰国者・日本人妻の問題の解決こそアジアの平和に不可欠であることを信念を持って説得できる首相の存在である。次期首相は外交力を発揮して関係諸国を説得していただきたい。いまやその時期が来たと私は確信する。
 その私の確信を行動に移すため昨年私は『金正日 隠された戦争』の韓国語版を作ったのについで英語版をこのほど完成させた。6月にストックホルム大学から招かれて1ヶ月『金正日 隠された戦争』を中心に講義をした。7月にはワシントンで3週間米政府要人や関係者などを回って英語版500冊の普及につとめた。中国語版製作をいま検討中である。そうしたさなか、『金正日 隠された戦争』の文庫版が今秋11月文藝春秋から出ることになった。小泉首相の周辺とおぼしきところからの妨害を受けてほとんど絶版になりかけていた本であるが、流れは私に有利に転換しつつある。金正日を退陣に追いこむ戦いは少しずつ好転しつつある。(終わり)

***********************

脱北者30人余りのアメリカ亡命計画
[2006-08-2909:00連合]  DAILY NK(翻訳トリハナ宣教会 秋元)
 ドゥリハナ宣教会のチョン・ギウォン牧師は、30人余りの脱北者たちのアメリカ亡命計画があることを明らかにしたと自由アジア放送(RFA)が29日伝えた。
 チョン牧師は、28日のこの放送のインタビューで「去る5月アメリカに入国した6人の脱北者に続き、第2陣のアメリカ入国が早いうちに執行されるだろう。」と語り、さらに「数は以前よりも3倍位多い」といい「25〜30人余りの人たちみんなが一度にアメリカに行くことになるかは確かではない。アメリカ国務省のエレン・サワブリー人口難民移住担当次官補が9月初めまで東南アジアを訪問しており、早いうちにこれらの解決方案が出るだろう」と推測している。
 アメリカは北朝鮮人権法により、5月初めに脱北者6人のアメリカ入国を許容したことを含め、最近相次いで脱北者たちのアメリカ行きを収容している。
 チョン牧師は、タイ国内にいる脱北者175人の摘発事件と関連し、「今回摘発された175人以外にも、移民局につかまった脱北者たちは130人以上もいる。今回、タイ移民局に連行された脱北者の中でアメリカ行きを願う脱北者たちと面談した。」といい、これに関連した手続きが終わればアメリカ行きが成立するだろうと付け加えた。
 一方、アメリカの脱北者支援団体である
“Helping hands Korea”のティム・ピータース代表はRFAとのインタビューで「国際社会は、タイ国内の脱北者処理問題よりはむしろ、ラオス・ミャンマー・ベトナム等の地で不安に隠れ住んでいる脱北者たちに助けの手を伸ばさなければならない。タイ国内にいる脱北者たちは、中国や北朝鮮などに強制送還されるという心配がない。しかし、他の東南アジア3国に隠れている脱北者たちは、自分たちが中国の地から脱したにもかかわらず、変らず強制北送の危険に苦しみ、不安な生活を続けている。」と伝えた。
 彼はまた、タイ国内の脱北者摘発事件と関連し、「今回の事件により、その間にタイで脱北者たちを助けてくれていた現地の教会が脱北者たちに背を向け始めた。タイ国内にいる多くの脱北者たちが、28日、バンコクのある韓国人教会を尋ねたにも拘らず、この教会が急に門を閉ざしてしまい、結局、その脱北者らは引き返すしかなかったという報告を聞いた。」と批判している。

***********************


脱北帰国者、長野県で証言

 宋 允 復(守る会関東支部長)
 8月12日、脱北者の講演会が長野県松本市で開催されました。
 在日韓国人の団体である民団の長野県本部が、毎年恒例の解放記念日(光復節)式典の第二部として、北朝鮮難民救援基金の協力を得て主催したものです。
光復節の行事で脱北者の話を聞くのは稀な取り組みであり、これは民団長野ユンゴンテ団長らの強い意志が反映したものでした。
というのも、すでにご存知の通り、民団中央団長が総連との「和解」なるものを掲げ、民団が民族愛と人道精神の発露として地道に推進していた「脱北者支援センター」事業を、「和解」の障害として事実上廃止せんとしたからです。これは脱北者の多くに憤りと不安を惹起しました。
この動きは民団各地方本部等の強い非難を招き、中央団長はすでに辞任の流れにありますが、いち早く異議を申し立てその流れをつくった一人が当のユン長野団長でした。
 というわけで、今回は民団中央団長の画策が招来した地域社会の疑念、懸念を払拭し、民団は自由民主主義と人権、人道に立脚し、脱北者支援を継続する旨を改めて宣明する場ともなったのです。
講演者はKさん(40代)とOさん(30代)の女性お二人。約2百人を前に基金の加藤博さんがお二人の経歴、脱北の経緯を簡単に紹介し、後は、質疑応答の形で進行しました。
 特に中国で拘束され北朝鮮に送還された後の当局の取り調べの詳細など、そのむごい内容に涙を流しながら聞き入る姿が多数見受けられました。
 会場でカンパも募り、25万円余りが基金に託されました。(後日、守る会にもその内半額が寄付されました)
 通訳として同行しましたが、会場は独特のぬくもりに満ちていましたし、講演したお二人もたしかな手応えに勇気を得たようにお見受けしました。
 「民団の懸命の警告に耳を傾けず自ら進んで北朝鮮に渡った人たちなのに、なぜ民団が支援しなければならないのか釈然としなかったが、今日直接話を聞いてその意義が分かった」
 ある参加者からいただいた言葉です。
 たしかに歴史的経緯を振り返りますと、帰国事業が始まった1959年当時、民団はこの事業は「共産主義者たちの強制労働計画のために、多くの人たちを奴隷的労働力として送り込む非人道行為だ」と言明し、帰国希望者の乗った列車を止めようと線路に寝るなど、それこそ体を張って阻止に動きました。帰国事業の本質が当時の民団が喝破した通りのものであったことは、今日、ほぼ自明となりました。
 そして40数年を経て、今また民団を母体とする人々があらためて支援の手を伸べようとしています。それも内部の逆風をついて。
 民団長野の皆様に感謝と敬意を捧げます。

***********************

モンゴルにおける国際議連総会

        宋 允 復(守る会関東支部長)

 IPCNKR「北朝鮮難民・人権問題国際議員連盟」第3回総会が8月7日、モンゴルの首都ウランバートルの国会議事堂会議室で開催された。
 日本、韓国の国会議員、NGO関係者を中心に、モンゴル、イギリス、アフリカ(ブルンジ、アンゴラ)から計40人余りが集った。
日本からは、同議連共同代表の中川正春議員はじめ渡辺周、松原仁、古賀一成、内藤正光(以上民主党)、小林温、葉梨康弘(以上自民党)の北朝鮮人権法制定や拉致問題で活躍の各議員、特定失踪者問題調査会、北朝鮮難民救援基金、救う会神奈川、守る会が参加した。
家族会市川龍子さんは、拉致問題解決のための国際的連帯を呼びかけ、救う会神奈川の川添代表は、よど号犯に拉致された福留貴美子さんは元々モンゴルでの生活を強く望んでいたことに言及、調査会の真鍋専務理事は、モンゴルにおける脱北者保護は人道、人権の視点からも、また拉致被害者救出にとっても重要な役割を果たすと指摘した。
 脱北者がたどるメインルートの一つがモンゴル。しかし中国側の取り締まりでリスクが高まり、RENKが保護していた少年が中蒙国境で中国側警備兵に射殺されるなど悲劇が後を絶たない。
 同地での開催は、難民受け入れ施設の確保につなげたい意図もある。
モンゴル側は、脱北者を労働力として受け入れることは可能であり、また、モンゴルにとって北朝鮮は過去であり、韓国は未来である、自由化に舵を切って経済発展にまい進するモンゴルの情報を流入させることで北朝鮮の変化を促したい旨を表明した。
 同総会後、北朝鮮大使館の総領事から参加したモンゴル議員に対し抗議の申し入れがあったという。
 政治的経済的にも中国に留意せざるを得ないモンゴルにとって、同総会の開催は一定の負担を伴うものであったのは事実であろう。
 それを超えて、議員レベルではあれ同国の前向きな対応を引き出した同総会の開催は成功であり、日韓の議員による人権外交の成果と評価できよう。
 事実上、モンゴル政府の黙認のもと小規模ながら多くの良心的な救援行為が民間の活動家により行われている。一方、同国のメディアで北朝鮮の人権問題が取り上げられることはほとんどなく、国民レベルではその詳細は知られておらず関心も得ていない現状という。その事情は同国議員の発言、認識からも窺われた。国際世論の啓発に向けさらなる工夫の必要が実感された。

ソウルの路地裏
依藤 朝子

 ソウルの中心から少し北に位置する城北洞には、都心から近くも静寂の中でひとときを過ごすことができる場所があります。地下鉄4号線の漢城大入口駅に近いこの界隈は、芸術の発信地ともなっている大学路から比較的近く、モダンな住宅も多く、独特な雰囲気が感じられます。漢城大入口駅から10分ほど歩くと、左手の小高い丘の上に立派な城壁が現れます。長さ10キロ以上も続くこの城壁は14世紀末から15世紀にかけて築かれ、ソウルを守ってきました。頑丈で、直角のラインが美しくもある石の壁を、昔の人は重機も使わずにどのように積み上げたのでしょうか。城壁を臨みながら更に歩くと、左側に韓国の国民的詩人、萬海韓龍雲が晩年に過ごした家、尋牛荘へと続く道が見えてきます。民家の間をくねるようにのぼってゆく、細く急な坂道は、意識していないと見落としてしまいそうです。通りの向かい側には、北朝鮮から韓国に来た人が経営していた冷麺のレストランがありましたが、数日前に行ってみたら閉店してしまっていました。駅からここまでバスに乗って来ることもできますが、道中には日本食品も扱うおしゃれな輸入雑貨店や公園があり、きれいな並木道を散歩がてら歩くのもよいでしょう。バスに乗った場合は、仏教系の大学、東方大学院前で降りるとすぐです。
 韓龍雲は知人たちの手助けを得て、1933年に、この場所に瓦屋根の家を建てたそうです。1944年にここで亡くなったとのことですが、現在、尋牛荘は文化財に選定されています。少し貧しい界隈にある平屋のとても小さな家の中は、こぢんまりとした記念館になっており、原稿や家具などが展示されています。尋牛荘は禅宗の「尋牛(自分の本性である牛を探すという意味)」からつけた名だそうです。「尋牛」とは、悟りの境地に続く過程を失った牛を探すという比喩であり、十種類の修行段階の一つということですが、仏教に深く帰依した韓龍雲らしい名称です。尋牛荘を後にして更に狭い道をのぼると、徐々に視界が開けて、城壁が続く丘の上の公園に出ました。城壁沿いのなだらかな遊歩道からの見晴らしはとてもよく、ソウルの中心部まではっきりと望めます。右手には南山タワーや鍾路の高層ビルが見え、後方を見上げると北岳山の上に建てられた、伝統的な建築様式の展望台が小さく視界に入ってきます。左手の斜面には、現在は高級住宅街が広がっていますが、尋牛荘は三方を低い山に囲まれた土地にひっそりと建てられており、韓龍雲も世間から少し離れて暮らしたいと願って、ここに居を構えたのではないかと想像されます。
 夜になると城壁はライトアップされ、幻想的な姿を現します。晴れた晩に石垣の下で焼酎を傾けている人たちを見ていたら、ふと「荒城の月」のメロデイーが浮かんできました。過去と現在が静かに同居している空間に立って思いを馳せると、文字通り一生を懸命に、黙々と生きてきたであろう人たちの姿が浮かび、知り得ない人々が紡いできた生活の営みが偲ばれるのでした。

*********************

守る会関東支部学習会のお知らせ
 現在、帰国事業を巡る様々な新資料が、ソ連など旧東欧諸国を通じて発掘されています。金日成が当初から帰国事業を朝鮮総連を利用して作り上げようとしていた事実や、帰国者を苦しめた成分階層などの実態が明らかになり、帰国事業に秘められた北朝鮮の犯罪性が証明されつつあります。今回、守る会では、ジャーナリストの菊池嘉晃氏を講師に、新資料の発掘とそこから見出される帰国事業の姿についてお話をしていただく予定です、多くの皆様方のご参加をお願いいたします。

講 師 菊池嘉晃(ジャーナリスト)
日 時 9月30日 午後1時開場 1時半開会
場 所 星陵会館3A会議室
参加費 1,000円

**********************

本年度12月北朝鮮人権週間に、各団体が北朝鮮人権問題を訴える

北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会は10日と13日に集会予定

 本年度12月10日から16日までの、北朝鮮人権問題を訴える啓発週間に、各団体(守る会、北朝鮮難民救援基金、RENK、北朝鮮に拉致された日本人を救出する全国協議会、拉致被害者家族会、法律家の会、特定失踪者問題調査会)が連日集会、展示会などを行う計画を考えています。私達守る会では、現時点で以下の2つの企画を計画中です。今後、カルメギなどでさらに仔細を発表してまいりますので、多くの皆様方のご参加をよろしくお願いします。

 12月10日(日)北朝鮮難民救援基金との合同企画として
イベント「映像とシンポジウムで語る北朝鮮」
 場 所:埼玉芸術劇場映像ホール
     午後1時開会予定
 参加費 1,000円

第1セッション:脱北者問題
 映画「ソウル・トレイン」上演
 ハンミちゃん一家の証言
      (司会:石丸次郎)

第2セッション:北朝鮮帰国運動 同時代の映像と証言
 映画「チョンリマ」上演
 脱北帰国者の証言による帰国運動当時の実態
      (司会・解説・高柳俊男)

第3セッション:シンポジウム 帰国運動とは何だったのか
(予定パネリスト)
川島高峰(明治大学情報コミュニケーション学)
高柳俊男(法政大学)
萩原 遼(ジャーナリスト)他

 
12月13日(水)「北朝鮮政治犯収容所の解体に向けて」
 証言予定:姜哲煥
小川晴久守る会名誉代表
小沼堅司教授 他発言
 場 所 星陵会館 午後7時開会予定
 参加費 1,000円

 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

発行:北朝鮮帰国者の生命いのちと人権を守る会年会費:5,000円  郵便振替口座 00140-4-718645
00970-1-119745
脱北者教育支援口座  口座名「脱北者あしなが基金」  口座番号「00900-7-315884」
代表 山田文明  〒581-0867 大阪府八尾市山本町7-6-5TEL/FAX(0729)90-2887
東 京 本 部  〒100-8691 東京中央郵便局私書箱551号TEL/FAX(03)3262-7473
関 東 支 部  〒151-0066 東京都渋谷区西原3-15-10-206(宋允復方)E-mail;songyunbok@yahoo.co.jp
関 西 支 部  〒581-0013 八尾市山本町南2-6-34(窪田和夫方)TEL(0729)99-8780
東 北 支 部  〒981-0952 仙台市青葉区中山8-25-8-305(相原悦子方)TEL/FAX(022)277-2471
中国・四国支部  〒791-8025 松山市衣山5-1517-21(福本正樹方)TEL/FAX(089)923-4732
 カルメギ・ホームページ(担当 福本正樹)http://homepage1.nifty.com/northkorea/頒価200円