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12月14日国際会議を経て
 
          三浦小太郎(守る会会長)

 本稿は、12月14日に東京神田の韓国YMCAにて行われた、国際会議「北朝鮮の人権問題について何ができるか」
(共催:北朝鮮難民救援基金 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 特定失踪者問題調
査会 北朝鮮による拉致・人権問題に取
り組む法律家の会)の報告と論評です。
  発言者の発言を報告することよりも、その趣旨を紹介し私なりの解釈を付け加えることを主としましたので、ここでの文責は全て執筆者三浦にあることをおことわりしておきます。

 まず、午前の部から。加藤博北朝鮮難民
基金による挨拶と、逢沢一郎衆議院議員
の議員挨拶に続き、荒木和博調査会代表が司会を勤める中、まず斎賀人権大使による基調報告が行われました。

斎賀美恵子基調報告要旨
 二〇〇五年に人権担当大使に就任以降、世界各国で行われた北朝鮮の人権問題を巡る国際会議や、またムンタボン国連北朝鮮人権状況特別報告官、レフコウィッツアメリカ北朝鮮人権大使との議論や意見交換を経て、北朝鮮人権問題についての国際連携の強化を強めてきました。
北朝鮮に対しては拉致問題だけではなく、帰国者、日本人妻、政治犯収容所、脱北者など総合的な人権問題が存在します。ムンタボン特別報告官は、日本、モンゴル、韓国などで脱北者へのインタヴューや調査を重ね、北朝鮮国内では自由が極めて抑圧され、国内には拘禁施設として、政治犯収容所である管理所、一般の拘禁施設である「集結所」懲役施設である労働鍛錬隊などがあることを報告しています。
 また、米国国務省の2007年度3月に発表した「各国人権状況報告書」2006年度版においては、北朝鮮では住民を政府が「核心層」「動揺層」「敵対層」に分類し、就職、教区、住居などにおいて差別を行い、さらに全国的な密告制度が敷かれ、国民への洗脳教育がなされていること、また児童の栄養状態が極めて悪い事が指摘されています。
さらに、わが国日本とEUが共同で国連総会第3委員会に提出し、2007年11月に97カ国の賛成を経て決議された北朝鮮人権状況決議では、北朝鮮による外国人拉致の問題と共に、公開処刑、拷問、強制収容所の存在、思想、両親、信教、言論、結社、移動の自由への制限、女性、児童、高齢者の深刻な栄養障害、また脱北者の人身売買、強制堕胎などの様々な許し難い人権侵害が指摘されています。
このように、北朝鮮国内に於ける広範な人権侵害の存在は国際社会において広く認識されており、この問題への対処は国際社会を挙げて取り組むべきものとされています。
また、わが国にとって重要な問題である日本人妻につきましては、日本政府は日本人配偶者の方々について、安否調査や故郷訪問を、人道的観点から対処すべき問題と考え、様々な取り組みを推進してきました。配偶者の親族に対するアンケート調査、親族の要望に応じ、日朝の赤十字間のルートを通じて、北朝鮮側に対し安否調査の要請などを行ってきております。
これに対し北朝鮮からは、若干名に関しては連絡がありましたが、残念ながら親族から安否確認の要請があった全ての配偶者の安否が確認されたわけではありません。
政府としては、一刻も早く日本人配偶者の方々の安否確認や故郷訪問を実現すべく、北朝鮮に対し粘り強く働きかけて行きたいと考えております。
北朝鮮という特殊な地域の人権侵害の抑止を図るためには、各国政府、国際機関、民間団体などの情報交換を通じて北朝鮮国内の人権侵害の実態解明を進め、それに応じた適切化施策を推進する必要があります。本日のシンポジウムがそのための実りあるものになることを祈念いたします(発言要旨以上)

(三浦コメント)斎賀大使が、北朝鮮人権問題全般に目配りを持っておられること、そして日本人妻の問題にきちんと言及してくださったことなどには私(三浦)は評価したいと思うし、日本の人権外交の先頭に立って努力していることも、また、大使という立場上は制約も限界もあることも理解します。ただし、本日のテーマは「北朝鮮の人権問題改善について何ができるか」であって、現状分析ではない。
国連決議は確かに北朝鮮の人権侵害を批判している。しかし、それ自体は特に各国政府に拘束力を持つものではないし、現実に中国やロシア、韓国など6カ国協議主要国すら北朝鮮の人権批判には全く声が弱い中、今直接的に北朝鮮政府を追い詰めるものではないでしょう。勿論国際世論は重要ですが、同時に、北朝鮮にどう「言うことを聞かせるか」の提案が、政府や人権大使にはもっと必要ではな
いでしょうか。
そして、ここでは省略しましたが斎賀大使は脱北者の悲劇についても触れています。しかし、人身売買や北朝鮮に送還されての地の拷問などの人権侵害は、半分は中国政府の責任。中国政府が脱北者を取り締まることへの批判をきちんとした上でなければ、脱北者問題を語っても余り意味はない。中国が国連UNHCRによる脱北者保護・調査を受けいれればこの問題はほぼ解決するというの、それ
を拒否し続ける中国への批判や抗議なくして脱北者問題は語れない。
日本人妻・配偶者問題では、ここでの「北朝鮮に安否情報を求める」姿勢は、北朝鮮に拉致被害者を返すよう「求める」姿勢と同様で、正直、この姿勢からは多分効果は生まれない。
勿論、こういう作業を地道にやられていることは評価しますが,日本国民である日本人妻の問題は、本当なら、日本政府はもっと強く迫る権利はあるはず。今日本に来ている脱北者たち全ては北朝鮮で日本人妻の安否や、日本に帰りたくとも置いてからだが動けない悲劇をいくらでも話してくれるのだから、もっともっと政府は彼らの聴き取りと、そこから得た情報を元に北朝鮮に迫れるのではない
でしょうか。
こうして斎賀大使が私たちの主催のシンポジウムに来てくださったことは評価し感謝しています。しかし、いつも他の問題では、政府や政治家に厳しくせまれと言って、自分たちの集会では一言も批判もしないでは、これは私自身の態度が問われると思います。ですから、あえて厳しい意見も書かせていただきました。守る会とも、他団体とも関係なく、どうか私個人の意見として受け取ってください


続いて、
タイの政治学教授 スラット・チャイモンコン氏の発言要旨です。

(発言要旨)タイには今多くの脱北者が入国しています(数百名)。彼らは他移入国語警察に自首し、不法越境者として逮捕されてはいますが、その後は人道的見地から、皆第3国に送られており(殆ど韓国、アメリカに移住した人々もいる;三浦注)、北朝鮮に送還された例は一つもありません。しかし、収容施設の状態はまだまだ悪く、多くの収容者が詰め込まれているのに洗面所の数は少ないな
ど、環境としては改善の余地は多いにあります。
しかし、彼らはタイにとっては難民ではなく、形式的には不法越境者であることに代わりはありません。タイには、ラオス、ミャンマー,カンボジアなどからも多くの難民もまた不法越境者も入っており、勿論脱北者は他の不法越境者のように不法に長期滞在したり不法労働に重視したりするような可能性はなく、全て第3国への脱出を求めていることは分かっておりますが、やはり、タイにとっては同じ不法越境者として認めざるを得ませ
ん。
そして、私はタイにおけるナショナリズムの衝突を最も恐れています。タイの人々の中には、難民や越境者を特別扱いして、自分たちに本来来るべき福祉や支援がそちらに流れて行っていると考える人もいるかもしれないからです。私はこの問題はあくまで平和的に、そして国際的な問題として解決しなければならないと考えています。

(三浦コメント)この発言は当日配布資料や私のコメントで補足する必要があると思いますが、今、タイは脱北者が韓国に向うための最も重要なルートの一つとなっています。脱北者は中国を南下し、ジャングルを超えて東南アジアに入り、タイ国境を秘密裏に超えて、その後はタイ警察に自首して保護を求める事が多い(ジャングルの中で命を落とす人も、中国の国境でつかまる人もいますが)。タイ政府も、脱北者は不法在留や不法就労などをするはずがない、単に韓国行きを求めているだけであることはわかっているので、そのまま韓国行きを認めています。
ただ、不法越境者を収容する施設は、やはり環境はいいはずもなく、また病人への対処、何よりもハングル通訳の不足、北とは違うタイの熱帯地方の気候が脱北者に遭わない事から、トラブルや問題が起きていることも事実。その意味で設備の改善は必要。しかし同時に、彼らを難民として認め、保護することは、タイとしては中国との関係や、他にラオス、ミャンマー(ビルマ)カンボジアからも押し寄せてくる不法越境者、難民との区別の点からも難しい。
特に、脱北者女性も多くの人身売買などにさらされていますが、タイ人女性も含む、東南アジアでは多くの女性が同じように売春や人身売買で中国や、場合によっては日本にまで来ているという現実があります。その中、タイとしては脱北者だけを特別に扱うということは、隣国の中国の圧力を考えるときわめて難しい。逆に言えば、色々な問題を抱え、他にも多くの国からの難民を迎えていながら、脱北者に対してもできるだけ人道的に振舞っているのは、タイ国なりの努力とも言えるでしょう。外交音痴の日本国としては、こういうタイの逞しさを学ぶ必要もあるのかもしれません。そしてこの外交力は、ベトナム戦争、カンボジア・ベトナム戦争、そして中越戦争などを通じて大量の難民を経験した大国だからこその実力かとも思います。

金尚憲 (韓国、人権活動家)発言要旨
今、私達は、北朝鮮情報データベースセンターと言う機関を作り、北朝鮮の人権抑圧情況を、公開されたあらゆる資料(報道されたもの、実際の難民から聞き取り調査したもの、また脱北者の著作など)を集約しています。この過程で、私達は数百名の脱北者に聴き取りを行い、彼らの証言にもし矛盾があればそれをただし、彼らの発言を精査して参りました。その過程で、脱北者の発現に矛盾があれ
ばそれを精査し、各自の発言を比較検討し、基本的に厳しく検討を続けていますので、私たちの情報センターの資料はほぼ間違いの無いものと考えています。この資料を、各国マスコミ、運動団体にはどんどん利用できるようにして行きたいと思います。
そして、今回は、北朝鮮政治犯収容所で生まれた証言者、シン・ドンヒョクさんと共に来日しております。北朝鮮の収容所および普通の刑務所は最悪で恐ろしいものです。ソビエトの収容所やナチスの強制収容所で行われた以上の犯罪が行われており、それが広い国際的な非難や行動のないまま何年も何年も続いてきています。北朝鮮では、数十年もの間、こうした忌むべき犯罪が無慈悲に体系的に続
いてきました。
シン・ドンヒョクさんは収容所で生まれ、そこで24年間を過ごしました。従って、彼はキャンプの外の世界の、また。北朝鮮の知識さえを全然持っていませんでした。彼が学んだことは、読み、書き、足し算引き算がすべてで、それも最も初歩的なレベルだけを教えられました。例えば彼は九九(掛け算)を学びませんでした。彼の最も重要な毎日のレッスンは、キャンプの規則にいかに従順に従うか
ということ、言い換えれば、いかに完璧な奴隷の生活を送るかということでした。
2005年1月、彼は、キャンプを奇跡的に脱出し、逃走中の20日間に、初めて北朝鮮の社会を見ました。彼は2005年早くに、中国に着きました。彼は、高山の木材伐採現場で約1年間働き、そこで一人の韓国人に出会い、彼の助けで韓国に昨年くることができました。明日、15日の星陵会館での集会ではシンさんから直接話を聞く機会を設けます。彼は先月彼の自伝を出版しましたが、日本語での出版
も早く実現することを願っております(3月末、KKベストセラーズから刊行予定:三浦)。
私は、私達が、今日北朝鮮で行われている非人道的犯罪を止めさせない限り、このような残虐行為が広がり、世界のどこかで、また次の世代で再び行われると確信しております。私達は、もしより早くヒトラーを止められたらば、第2次世界大戦やアウシュビッツの悲劇を避けることが出来たはずだという歴史の教訓を忘れてはなりません。
私は至急北朝鮮についての行動が必要だという強い信念をもっています。今こそ、国際的社会がこれらの進行中の重大な違反を終わらせ、大量の殺害、任意の投獄、拷問、および国際的な犯罪から北朝鮮の普通の人々を助けにいく時です。

(三浦コメント)金尚憲さんはかって国連でも活動され、脱北者救援、また北朝鮮人権問題への真摯な取り組みにおいても最も尊敬できる方の一人です。そして、今回、北朝鮮政治犯収容所で生まれたシン・ドンヒョクさんを日本に招くことができたのも金さんのおかげでした。このことは大変感謝し、またこれまでの北朝鮮情報をデータベースセンターの形で共有しようという姿勢も、各団体の情報
共有(英語という形にはなりますが)という点では大切なことだと思います。特にここで述べた、「私達は、もしより早くヒトラーを止められたらば、第2次世界大戦やアウシュビッツの悲劇を避けることが出来たはずだという歴史の教訓を忘れてはなりません。」という言葉はよく考えるべき発言でしょう。ヒトラーがドイツ国内で独裁を強め、同時にユダヤ人迫害を明らかに行ってきた時、周辺諸
国は、自分たちに直接害が及ばない間は、ユダヤ人たちが亡命してきてドイツ国内の人権抑圧を訴えても、多少の同情はしても行動は起こさなかったのでした。むしろ、ドイツがチェコやオーストリアに明らかに侵略を行った時も、「平和維持が何より大切」という視点から、ドイツへの強硬姿勢?,

今、北朝鮮を巡る情勢では、とにかく「北が崩壊すれば大混乱になる」「戦争だけは避けねば」「まずは核の停止」など、すべて「平和と安定が第一の価値」という言説があまりにも当然のように語られています。この姿勢は結局もっと酷い悲劇をもたらしたこと、それに学ぶことこそ、歴史に学ぶことではないでしょうか。
また、金尚憲さんは、韓国内では左派リベラル派に属し、保守派に批判的な立場です。しかし同時に、ノムヒョン政権下でも、特に国外務省の脱北者への冷淡な態度には断固反対
してきました。そして、この問題を南北対決ではなく、普遍的な人権問題にするためにも、日本を初めとする国際社会との積極的な連携を求めてきた方でもあります。多少の意見の違いよりも、今は人権と反独裁で連携し
ていくべき時でありましょう。

川島高峰さん(政治学者)発言要旨
これまで、日本国政府は世界の人権問題や、国際法における人権概念の拡大に遅れているといわれ続けてきたが、近年はそうではなく、むしろ女性の就職差別撤廃のための男女機会均等法にここにおられる斎賀大使が努力されるなど、事態はむしろ日本国は国際的な人権問題に呼応するようになって来ている。北朝鮮の人権問題も同様で、この流れに沿って、日本国や東アジアが、人権の拡大や、難民の救援、受け入れなどの「道義ある安全
保障」(ノーベル賞学者、アマルテイア・
センの「人間の安全保障」という理念をさらに発展させたものと思われる:三浦)に進んでいくことが望ましい。
積極的に人権擁護や独裁政権の被害者の救援(拉致被害者、脱北者など)に国家とNGOが連携して乗り出して行くこと、これが積極的な人間の安全保障につながる。この意味で、拉致被害者、失踪者の救援、脱北者保護などに積極的に日本が取り組むことが、日本が人権国家として大きく世界の中で貢献するための大きなポイントとなる。日本国が世界の人権先進国となっていくためにもこの問題に取
り組んでいくべきである

(三浦コメント)一部の新聞や知識人が良く口にする「日本は人権面で世界では遅れている」などという視点はそう軽々しく言うべきではないこと、むしろ先進国の中で、日本の様々な社会矛盾の解決や人権問題への取り組みは近年大変進んでいること、これをさらに発展させ、北朝鮮問題、拉致問題でも積極的に、国境を超えて、国家主権が守られなければならないように、難民や、ここ日本からさ
らわれていった拉致被害者の人権や生命も、当然のこととして国際社会が、そして日本が率先して守り、救い出さなくてはいけないという姿勢が、リベラル派の知識人からきちんと述べられた事は大変意義深いと思います。アマルテイア・センの「人間の安全保障」という概念をさらに発展させた「道義ある安全保障」という概念は大変胸に響くものがあります。安全保障という概念を主権国家の防衛
と国民の生命と財産の保護という視点を乗り越え、さらに国際的な人権概念に発展させると共に、現実の軍事的、政治的対立を無視した空想的な平和主義ではなく、あくまで安全保障という形での現実的な政策に則るものとして、いつか川島先生にご講演などの形でより詳しい説明をお願いしたい?,
$H;W$$$^$7$?!#

司会の荒木和博(特定失踪者問題調査会)
の発言要旨

以前拉致問題で運動を始めた頃は、日本が北朝鮮人権法を制定することなど思いもよりませんでした。それが今、このように日本政府も民間も、北朝鮮の人権問題に関わるようになったことは大変喜ばしいことです。
拉致問題などを通じて分かったことでしたが、日本国民の生命と人権だけを守ろうという運動では、結局日本国民の人権も守りきれないのです。周辺諸国の独裁体制や人権侵害を許さない、国内で民衆を弾圧し、無慈悲に殺害するような独裁政権を許さないという姿勢を戦後日本が持たなかったことが、独裁者を延命させ、こうして拉致問題を招いてしまったのでした。北朝鮮の人権を訴えることは、日本国民の人権を守ることとも直結して
いることを忘れてはならないと思います。

(三浦コメント)この午前は荒木さんは調査会としての発言を控えて司会に徹してくださいましたが、この点は大変重要なので、うろ覚えですが紹介します。特に付け加えることはありません。荒木さんの発言や方針、思想については、この板では最早触れるまでもないでしょう。

12月14日国際会議 午後の部
テイム・ピータース(アメリカ、人権活動家)基調報告発言要旨

(スライド等で、脱北者の中国における
様々な映像を紹介)
現在中国では、脱北者は以前として逮捕
や北朝鮮変の強制送還、また人身売買な
どの悲劇にさらされています。この写真(大地に泣き伏している一脱北者の写真)に写っている脱北者の男性は、幼い子供と共に、モンゴル国境を超えて韓国への亡命を目指したのですが、子どもはこの砂漠に耐え切れず
、途中で息を引き取りました。しかし、韓国にたどり着いた後、彼は悲しみを乗り越え、一人でも多くの自分や自分の失った子供と同じ脱北者たちを助けるために、救援活動を続けています。
私はこのような脱北者たちの悲劇を訴え、中国に講義するために、韓国でも、また世界中どこでも、脱北者の救援、保護を求め、たった数名でも各国中国大使館前で抗議行動などを続けてきました。(スライドを使用して様々な抗議活動のシーンを見せる、その中には、政治家や活動家と共に多数大使館前で抗議しているシーンもあれば、2,3名で講義しているシーンもあり、どのような場でも同じようにこの問題を訴えている姿が現れている)私が何を訴えているのかすぐに分かるように、脱北者たちの姿と保護を訴えるメッセージが書かれている上着を、いつもこうして着て訴えています。
私は今こそ運動の好機であると考えてい
ます。なぜなら、2008年は北京オリ
ンピックの年であり、中国は逆に、オリンピックのためには国際社会の訴えに耳を貸さざるを得ない状態になっているからです。この機会を逃さず、今こそ、中国に強く脱北者保護を訴えるべき時です。

(三浦コメント)ピータースさんはアメリカの善意の象徴のような方で、地道な脱北者支援や、コッチェビの救援などに取り組んできました。
脱北者の現状についての総括的なコメントは、難民救援基金のホームページそのほかで多くが示されているのでここには再説しませんが、重要なのは、北京オリンピックの今年こそチャンスだということ。これは脱北者問題に留まりません。拉致問題を含め、もし中国を動かして北朝鮮に影響を与えたいのならば、オリンピックは一つのカードになるはず。
もう一つ、今世界では「環境問題」というととにかくかっての「反戦反核」と同じように、とりあえず正義ということになりがちなのですが、中国の環境改善のため、また遺棄兵器の問題などで日本はまたまた経済「協力」を要請され、しかも何ら交渉もせず引き受けているようなのですが、これもまた、「国民感情から見て、皆さんが我が同胞を拉致した北朝鮮政府を支持し、かつ拉致問題への強力も言葉だけのものである間は、経済協力も技術支援も難しいのです。」くらいの一
言があれば大分情勢は変わるはずで、要するに実利と商売の国に対してはこちらも相手の「嫌がること」ではなく「損になること」を言わなければ。この点では、安倍内閣も、福田内閣も対中外交を誤っている。この姿勢を変えさせることが私達国民の使命です。

加藤博(北朝鮮難民救援基金)発言要旨
北朝鮮には深刻な人権問題が存在し、その根源となるのは、金正日の軍事独裁体制による国民の支配とそれを可能にする統治機構です。この体制を守り維持するために、国民の生きる基本的な権利を乱暴に蹂躙しているのです。
北朝鮮の人権侵害が改善されるためには、軍事独裁体制から、よりましな民主的な政権に変わらなければ、どんな人権の改善も期待できません。なぜなら人権の改善は、独裁体制を否定し、崩壊に導く危険性をはらんでいるからです。私たちは、北朝鮮政府の人権侵害の事実を繰り返し世界に提示し、普遍的な人権の尊重を国際社会が要求し、圧力をかけ、そして対話もすることが、きわめて重要であ
ると考えます。拉致問題の解決はこの枠組みで考えなければ世界的な規模での支持や共感を得ることは難しく、日朝二国間の問題とみなされ、解決が遠のく危険性があります。
北朝鮮の人権侵害の中でもっとも深刻なのは、人身売買だと私は考えます。生きるために、人身売買の罠に陥るしかない女性たちの命のことです。
北朝鮮難民救援基金が救援活動の中で遭遇した人身売買の最年少者は8歳の少女でした。母親と一緒に売られたのですが、母親は中国国境の延辺朝鮮族自治州の和龍市にある人身売買のブローカーの家で娘と10日ほど暮らしただけで、よそに売られ、娘はあまりにも幼いために、人身売買をする中国朝鮮族の家で14歳まで育てられ、その後、河南省の保定市(Baoding City)の漢族の農民に2000人民元で売られ、その少女は16歳で母親になりました。愛のない男と女の結びつきだけで、夢も希望も育たないあまりにも貧しい中国の農民の生活に耐えられず、4歳になった子どもを置いて、人身売買のブローカーの力を借りて別の漢族の農民の嫁となってうられる道を選択したのでした。この例は、決して極端な例外的な事例ではない。北朝鮮を脱出する女性は若くても、年齢が50歳台であっても農村に売られていく可能性があります。
なぜこのようなことが起きるのか、人身売買は中国でも非合法であり、犯罪である。北朝鮮女性が中国の闇社会で生きなければならないのは、中国政府が北朝鮮からの脱出者を「彼らは不法入国者であり、不法滞在者である」という公式見解を変えないのが、悲劇を生む原因です。
中国政府は自ら批准した難民条約を遵守しなければならない。国際社会は、もっと強く中国に法令順守を求める必要があります。中国政府が法令を順守し、脱北者を難民と認めれば、人身売買ブローカーと中国公安の癒着
もなくなり「難民の地位」を認められ、自由な居住地を選択、新しい生活の可能性が開けるはずです。
そして、この様な脱北者を支援する側にも、今いろいろな問題が生まれて来ています。同時に、この体制から脱出してきた脱北者難民を助けるNGOを名乗り、あるいは、キリスト教の宣教師や伝道師を名乗り、脱北者難民から、わずかな所持金まで巻き上げたり、宣教
の道具に使っている例が見られるようになりました。これは、救援を看板に弱者を利用する人権侵害行為です。
彼らはNGOを名乗り、時に、キリスト教の韓国人伝道師を名乗り、脱北者女性に300万-1000万ウオンの所持金があるかどうかを訊ね、金を持っていれば助ける、持っていなければ借用書や預り証を書かせて、彼らが韓国に到着後、政府が支給する定着資金から支払うとの担保を取り、韓国に着てから厳しく取り立てます。その結果、せっかく韓国に到着しても生活が立ち行かなくなり、売春の道に転落する例さえ報告されています。
また、中国で宣教活動をする韓国人キリスト教牧師の中には、「教会で2ヵ月間勉強しないと、韓国に連れて行かない」と、弱い立場の脱北者を利用して宣教活動をする例や、「毎月収入の1パーセントを献金します」と毎日唱和させたり、「百万ウオンの1パーセントはいくらですか?」と献金額を答えさせたり、あの手この手で脱北者を試し、一定の正解をする人に優先順位をつけて、安全地帯に連れて行くという例が見られます。これ
では、立場の弱い脱北者の人権を侵害し、それを利用していると批判されても、言い訳はできません。
 弱者の人権のために、正すべきところは正さなければなりません。良心的な韓国のキリスト者たちは、自分たちの名誉のためにこのような悪弊を正す努力を求めたいと思います。

(三浦コメント)脱北者救援の最前線で努力してきた団体として、現状の悲劇と、また救援運動が陥りがちな問題点について的確に語られた発表だと思います。勿論、韓国の方々にも反論はあるでしょう。しかし、この様な運動はしばしば、基本的に正しいことを行っているのだから、たとえ問題点があっても批判しないでおこう、という姿勢が時として様々な矛盾や運動の堕落に繋がるのですから、
ある程度厳しくこのような問題点は指摘され、様々な議論がなされるべきでしょう。
尚、現実に脱北者が中国に逃れ、また第3国に亡命するためには、勇気や幸運だけではなく、お金がかかることは現実です。それは運動団体が負担するのも余りにも厳しい現状があり、脱北者自身が、例えば韓国や日本に到着後、時間をかけてでも、働いて少しでも団体の今後の支援活動に協力するような姿勢は私は必要だと思う。しかし、それが余りにもビジネスとビジネスの関係になってはいけま
せんね。こういう救援に生じてくる問題点は確かに目をつぶってばかりいるわけには行きません。
ただ、根本の問題は、中国が脱北者を保護していないことにあります。この点さえ改善されれば、脱北者問題はほぼ解決する。中国にさえ逃れれば韓国に行ける道が開かれれば、北朝鮮からはかなりの幹部クラスや情報提供者が脱北する可能性は高いですし、同時に、それは拉致問題を初めとする様々な情報をもたらすだけではなく、究極的には独裁体制崩壊にもつながるはずです。

金 ヒデ(韓国の救援活動家、ラオス在住で救援活動中)発言要旨

現在私はラオスで脱北者の救援活動をしているが、2006年から7年まで177人の同地で保護した脱北者の経験からいくつか報告します。

1、2007年2月、脱北者5人とブローカー2人がラオス国境検問所で捕まり、ルアンナムタ移民局に送られ、そこで彼らは2000ドルのお金を払って釈放され、中国に送り返された。しかしその後、ブローカーは5人を置き去りに逃げてしまったという。
2、2006年7月、9人の脱北者が逮捕され、中国に強制送還されることになった。彼らは。ラオス駐在韓国大使館に電話をかけ、自分たちを中国に送り返さないでくれと頼んだが、韓国大使館は「韓国大使館の公式立場では、脱北者問題に関与しない」と答え救出を拒んだ。(結果的に、お金を払うことで彼らは釈放)
3,2006年12月、ラオス韓国大使館に7人の脱北者が直接保護を求めて入ろうとしたが、パスポートの提示を求められて拒否され、私(金ヒデ)が、自らそのうち12歳と14歳の脱北少女だけを連れて入った(未成年なので、パスポート無しで強引に入った)しかし、韓国大使館は出て行くよう命令し、私は断固として保護を求めて拒否、結局、大使館はこの2人のみの保護を認めたが、彼女
らの母を含むほかの脱北者は保護されなかった。
4、同じく2006年12月、脱北者2名が、韓国大使館に入りさえずれば保護されると、休日の韓国大使館に塀を乗り越えて入ったが、韓国大使館員は彼女らを引っぱりだそうとし、ラオスの公安が駆けつけて2人を引き出した。結局賄賂を払って彼女らは自由となったが、韓国に幻滅を感じ、今はアメリカ亡命を求めている。

これらの事例に見るように、ラオス当局及び韓国の大使館は脱北者保護を果たして折らず、この姿勢を変えさせるには国際世論の力が必要です。ラオスの韓国大使館の姿勢を変えさせなければならないし、悪に沈黙する人は悪に加担したことになる、というキング牧師の言葉を忘れてはならない筈です。

(三浦コメント)韓国大使館が脱北者保護の責務を果たしていないことはよく言われます。実際、韓国憲法では、北朝鮮は「北韓」とされ、本来は北朝鮮民衆は韓国国民であるはず。その自国民が人身売買にさらされ、やっと第3国への亡命を目指して大使館まで来たというのに保護しないのでは、韓国が日頃言う民族の誇りも統一の意思も独立精神もその本質が疑われるというものでしょう。そして、まさに現地での賄賂がものを言う実態
が赤裸々に示されています。

林飛(中国民主運動家、日本在住)発言要旨
北朝鮮というアジアの一貧困独裁国が、核を開発し、国際的に強固な姿勢を取れるのは、中国共産党政権というもう一つの独裁政権が背後にいるからです。第2次世界大戦後、北朝鮮はソ連と中国という二大共産主義国家に支えられてきましたが、今は主としてソ連崩壊後は中国の援助に頼っています。
中国と北朝鮮は、お互いに利用しあいながらも、お互いを信頼していない「ならず者国家」です。中国は北朝鮮を利用して国際社会を脅かし、北朝鮮は中国の支持と影響を利用して、国際社会から経済援助を得ています。逆に、中国の支持がなければ、北朝鮮は国際社会から孤立し、国際社会の制裁と圧力の元で崩壊に直面すると思います。
中国当局の北朝鮮支援は、北朝鮮人権問題、拉致問題を解決する上で最大の障害だと思います。
そして、北京オリンピックは人権改善の大きなチャンスです。私は昨年ソウルでの国際会議でも訴えましたが、脱北者保護のための難民キャンプを、国際社会は北京オリンピック前に中国が作るよう要請すべきであり、また、中国国内の、法輪功、民主活動家、人権活動家、チベット・ウイグル・内モンゴルの活動家への弾圧をやめさせねばなりません。北京オリンピックは、中国の人権改善を求め、民主化を進めるための大きなチャンスに
なるはずです。私達は国際オリンピック委員会などに、人権迫害下でのオリンピックに反対すると共に、中国の人権改善と民主化を強く求めて運動して行きます。

(三浦)中国民主化運動については私は詳しく語る資格はありませんが、北朝鮮問題が大きく中国問題に依存していることは確実です。そして、中国政府は徹底して北朝鮮を利用できる範囲では利用し、北朝鮮もまたアメリカと中国を天秤にかけながら生き延びようとするでしょう。その意味で、中国の民主化と北朝鮮人権改善運動、脱北者保護、そして広く北朝鮮独裁政権打倒の運動は連帯してこそ大きな成果を挙げられるはずで、その可
能性はもっと私達は現場の部分で追求して行きたいと思います。
ただ、日本における中国民主化運動はまだまだ脆弱であることも事実。そして、アメリカが現状では中国現政府と決定的な対立は避ける、むしろ米中が相互協力体制に向かう可能性がある傾向がある中、日本政府もそれに追従し中国政府よりの姿勢を強めて行くかもしれません。まず、私達は「民主主義か、独裁政権か」という大原則に根ざし、民主主義国家の連携、そして独裁政権とは断固退治する
という政治姿勢の原則を貫く政治家の方々を支援しつつ、「中国と戦う決意のない政治家は基本的に北朝鮮とも戦いきれない」という厳しい目を持つ必要があると思います。

海老原智治(拉致被害者アノーチャさんの救援と脱北者問題に取り組む)発言要旨

タイは長く韓国と北朝鮮の双方と国交を有し、韓国とは1958年に、北朝鮮とは1975年に国交を樹立しています。北朝鮮とタイの関係は深く、貿易面では、タイ税関のデータによる2006年の北朝鮮の対タイ年間貿易高は13,741,571,735バーツ(1バーツ=約3.75円)で、北朝鮮にとっては中国・韓国に続
き対外貿易額第3位の相手国となっています。
その一方、2005年にはチャールズ・ジェンキンスさんの証言と北朝鮮から持ち帰った写真により、タイ人拉致被害者1名の存在が明らかになりました。また、2003年頃以降、中国に逃れた北朝鮮難民が第3国に定住するための脱出先として東南アジアを目指し始めた結果、タイは2006年にはタイ当局による拘束数ベースで約1,000人の北朝鮮難民が流入するなど、現在、中国を除けば北朝鮮難民の最大
の脱出先となっています。
タイはこのように、北朝鮮にとって最重要貿易相手国のひとつであると同時に、北朝鮮政府による拉致(=外国人に対する人権侵害)と、北朝鮮難民(自国民に対する人権侵害の結果)の双方で、深い関連を有する国となっています。
 現在判明しているタイ人拉致被害者は、1978年にマカオで拉致されたタイ人女性アノーチャー・パンチョイさんで、2005年のチャールズ・ジェンキンスさんの証言とその追跡調査から、アノーチャーさんは1978年にマカオに出稼ぎに行った際に当地で拉致され、二人のマカオ人女性と共に船で北朝鮮に連れてこられたことが明らかになっています。
 タイ政府は、北朝鮮との関係に配慮してアノーチャーさんの案件を「拉致」とは呼ばず「行方不明者」としながらも、判明直後から北朝鮮との2国間交渉により照会・調査・共同作業部会の設置等を依頼してきたが、北朝鮮側は現在まで一貫してアノーチャーさんの存在を否定しており、これまで具体的な進展は出ていません。その他、1982年には10名のタイ人女性が日本に行くと騙されて、1年間
北朝鮮の外貨食堂で働かされ翌年帰され、さらに、2006年7月末にはソウルでタイの偽パスポートを所持した北朝鮮工作員が逮捕されています。
 タイは北朝鮮と国交を有し、北朝鮮にとっての最重要貿易国のひとつであることから、タイは北朝鮮人権状況の改善に大きな影響力を行使できる可能性がありますが、タイ社会での北朝鮮に対する一般的な認知と関心はきわめて低く、拉致や脱北を含めた人権侵害状況が社会的な支援対象として認識される状況にはありません。この問題を広くタイの方々に知ってもらう必要があるため、私達は2007
年9月にタイで初開催した第1回バンコク北朝鮮人権状況国際会議を開催し、タイ政府の独立機関である国家人権委員会が共催したことにより、同委員会の北朝鮮人権問題に対する理解が高めることができました。同時に、問題の体系だった発信のために、2007年にはチャールズ・ジェンキンスさんの著書『告白』タイ語版と映画「めぐみ-引き裂かれた家族の30年-」タイ語字幕版の作成を行いました。
続いて、2008年には北朝鮮難民関連のタイ語翻訳書の出版を行う予定で、また第2回国際会議を催行する準備をしております。これらを基に、タイ社会のさまざまな方面に北朝鮮人権問題の働きかけを行って行きたいと思います。

(三浦コメント)このタイの運動は海老原氏の精力的な活動によって成り立っており、短期間のうちにタイ政府関係者も多くがこの問題に取り組んできたことは大変大きな成果を挙げています。しかし同時に、タイなど東南アジアの国では、若い女性が様々な事情から、海外に人身売買めいた形で売られていく、出稼ぎ先で行方不明になるなどの事態が起きており、マカオで拉致されたアノーチャさんのケースも、その一つとして考えられて
いる傾向は確かにあります。
広く、貧しい国で女性が様々な事情から悲しい運命を強いられることはありますが、アノーチャさんのケースは、本人の意志や情況と全く関係なく、北朝鮮工作員の暴力的な拉致であることをもっと啓蒙していく必要があるでしょうし、また北朝鮮がどういう国であるかをタイ国民に広く啓蒙していく意味で海老原氏の運動は今後とも重要なものです。日本からも様々な支援体制が必要ですし、現実に
日本の書籍をタイ語に翻訳し、自費出版に近い形で海老原氏は出版しています。
支援カンパなども皆様によろしくお願いします。
同時に、タイがある意味難民キャンプ的な役割をしていることをもっと日本国政府は評価し,脱北者を非人道的に扱っている中国よりはこういう国との友好や支援を優先して欲しいものです。そして、ここは北朝鮮からの最も重要な情報が一次情報で取れるはずなのですから、日本政府はもっとこの地での脱北者からの情報収集にも努力してもいいのではないでしょうか。

特定失踪者問題調査会 専務理事 真鍋貞樹 発言要旨

 北朝鮮の人権状況の改善のためには、拉致問題の全容解明と全ての国の拉致被害者の救出が一つの大きな鍵になる、という観点から報告と提言を致します。
 拉致問題は北朝鮮のあらゆる工作機関が複雑に絡み合い、永年にわたって、継続してきた重大な国家犯罪です。そして、拉致された被害者のみならずその家族に対する永年にわたる人権蹂躙です。この北朝鮮による国家犯罪を暴くことと、そして被害者の全員の救出をめざすことは、北朝鮮における人権問題を解決していくために、大きな貢献をするものだと考えています。
そのためには、北朝鮮国内に拉致被害者が現在、どこに、誰が、どのように生きておられるのかの情報を集めることが大切だと考えています。
 そこで、具体的な情報を集めるための具体的な方法論の提言を致します。
 一つは、これは皆さんも求められていることですが、北朝鮮国内に対する人権査察・調査を実現していくことです。国際機関ならびに国際的NGOが、協力して北朝鮮に対して人権問題の実態調査の受け入れを強く求めていくことです。もちろん、北朝鮮がそれを受け入れることは考えられません。
さらに、もし実現しても無難な場所しか査察することを認めないことでしょう。
しかし、こうした働きかけを北朝鮮に対して、国際社会が一致して継続して求めていくことの意味は大きいと思います。
 二つは、脱北者を保護し、彼らからもっと多くの情報を収集することが重要だということです。そのためには、脱北者の保護について、これまで以上に各国のNGOが協力し合い、関係諸国の政府に強く求めていくことが求められています。
 そして、三つは、逆に北朝鮮の国内へ情報を注入していくことです。私たちの団体を含めていくつかの団体が、すでに短波放送や風船によるビラの配布といった活動を続けています。それらに加えて、直接的に北朝鮮の人民に世界の情報が伝わる方法論として、多くの北朝鮮人民を国外に合法的に出して、実際に世界の動きを肌で感じてもらうようにすることです。例えば、北朝鮮の中学生や高校生
を、毎年500名程度、海外に招待していくことです。その際、彼らは選ばれた核心的な生徒たちかもしれません。しかし、世界の実態を自分で見れば、自分たちで自分たちの国の問題を考え、変えていくことの大切さを自覚するきっかけになるでしょう。
こうした方法論は即効性のあるものではなく、迂遠な方法かもしれません。しかし、こうした活動を通じて、北朝鮮国内の情報を得られることは確実だと思います。その情報をえられることにより、北朝鮮国内にいるあらゆる国の拉致被害者を救出していくことが現実のものになることでしょう。そして、拉致被害者を救出することを通じて、国際社会が北朝鮮の人権問題の解決へと目を向け、努力していくことになると考えます。

(三浦コメント)荒木さん同様、真鍋調査会専務理事の発言については特にコメントは必要ないと思います。同氏のブログなどを今年も是非ご覧ください。北朝鮮の学生達の合法的出国(留学などをさすと思いますが)などは現状ではごく限られた国以外は不可能でしょうが、硬軟あらゆる手段を使って北朝鮮国内に情報を入れていく一つの手段としての提起でしょう。独裁政権打倒を前提とした対話
策と、独裁政権との国交回復や妥協のための対話策は全く違います。後者は拒否すべき妥協案ですが、前者については、様々な可能性が考えられる必要があるかもしれません。

須田洋平(北朝鮮による拉致問題、人権問題に取り組む法律家の会)発言要旨

金正日を、国際刑事裁判所にかける可能性を追求して行きたい。この国際刑事裁判所(ICC)は、「第7条 人道に対する罪」で、「「人道に対する罪」とは,いずれかの一般住民に向けられた広範な攻撃または系統的な攻撃の一環として,この攻撃を知りながら行った次に掲げる行為のいずれかを意味する。」と定めており、そこには「強制失踪;「強制失踪」とは,国家もしくは政治的組織によって,または国家もしくは政治組織の許可,支援もしくは黙認によって,人の逮捕,
拘禁または拉致をする ことであって,これに続き,長期的な期間についてこの人に対する法の保護を取り去る意図をもって,このような自由の剥奪の事実を認めることを拒み,または この人の生死または所在に関する情報の提供を拒むことを意味する。」と記されています。北朝鮮の拉致事件はまさにこれに当たります。
拉致事件の多くは70年代におこなわれたかもしれませんが、今現段階で全ての被害者が開放されていない以上、この犯罪は今でも持続しているものと見なせます。勿論様々な困難があり、第9条の犯罪成立要件によれば、「犯罪成立要件は,第6条,第7条および第8条の解釈および適用にあたって本裁判所に提示される。これらの要素は,締約国会議の構成国の3分の2の多数によって採択される。」
と、ICCに加盟している国々の3分の2の賛成を取り付けなければならないことや、他にもさまざまな難関がありますが、これは法律家として、金正日を国際刑事裁判所に訴えるというのは試みるべきものであると思います。今後様々な可能性を探って行きたいと思います

(三浦コメント)これは以前からフォラツエン氏なども指摘してきたことと思いますが、確かに試みるべき取り組みの一つと思います。そして、こればかりは法律家、特に国際法の専門化の知識と実践力が必要で、日本弁護士会などが全面的にバックアップしてくれればいいのですが、今のところはこのような少数の良心的な方の努力に頼らざるを得ません。
勿論、どこまで現実味があるかについては色々な疑問もあると思います。加盟国3分の2の賛成というのは中々難しいですし、ここに加盟していない大国(アメリカ、中国、ロシア)なども存在していることを考えると、現実政治の場でどの程度力になるかもわかりません。しかし、人間社会は少しずつ進歩し、独裁やテロを国際社会が許さない方向に向うべきなのですから、私たちも先進国の一員と
して知恵を絞り、この様な合法的手段で独裁者と戦う道を探していくべきでしょう。

一応、大雑把な形ではありますが12月14日の国際会議の報告です。このような会議を通じ、私達なりに学んだことを生かしながら、二度とこのような催しが必要ないように、今年こそ努力して行きたいと思います。

最期に、
守る会の当日配布資料(大体この通り発表しました)を付記しておきます

北朝鮮の人権抑圧体制と、中国における脱北者の苦難は本質的にはまったく変わっていない。この人権侵害の情況の改善のためには、各NGOの国際的連帯と、それによる情報の共有、また国際社会への呼びかけが急務であり、ひいては国際的機関による、核査察だけではなく北朝鮮への「人権査察」が必要である。

1、北朝鮮国内及び脱北者の人権侵害情況の証言を集約し、国際的な人権査察を求める

今現在、韓国には約1万人、日本には100数十名、アメリカにも数十名の脱北者が定住している。彼らの北朝鮮における人権侵害や、また中国脱出時の体験などを、文章もしくはインタビュー映像などの形で各国救援団体等が出来るだけ聞き取り、その情報を集約して国連人権委員会並びに国際刑事裁判所などに持続的に提出、北朝鮮に対する国際的な人権査察の必要性を訴える。守る会では、日本人妻
2名及び脱北者2名に対する聞き取り調査を本年度ほぼ終了しており、この資料を提出する用意がある。

2、中国政府に対する抗議並びに自国政府への要望

北朝鮮問題は中国問題でもある。中国政府が脱北者の逮捕と強制送還を停止しない限り、脱北者の悲劇は終わらない。現在、中国政府は、欧米を中心とした国際社会の抗議の声に、ダルフールにおける自国の政策をやや変換させている。北京オリンピックに向けて中国政府も国際的批判に対し多少は耳を傾ける傾向にあり、脱北者の中国における体験などを国際的にアピールする事が効果を挙げうる可能性もある。各国政府にNGOが脱北者
の中国体験を報告し、中国との経済交流やオリンピックへの参加は、脱北者問題の人道的解決とセットでなければならないことを、日、米、韓国政府が中国に求めていくよう訴える。

3、帰国者・日本人妻の安否調査並びに救援

日本国は1959年に始まった北朝鮮帰国事業で9万3千人の帰国者、日本人配偶者が北朝鮮に帰国しており、その名簿は赤十字並びに法務省に保存されている。日本国政府は日本国籍者である日本人配偶者に対しては国民としての保護として、その安否調査並びに希望する人々の日本再帰国を求める権利と義務がある。現在日本国には数名の日本人妻が脱北して定住しており、彼女らの証言から、北朝鮮での日本人配偶者の苦難は明らかであり、
一刻も早い救援が必要である。私達は守る会は、この日本人妻問題、帰国者問題では積極的に日本国政府に救援を要請し、日朝交渉の場で北朝鮮に安否調査などを要請することを求めていく。
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