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        シンポジウム報告

 11月2日、「北朝鮮に人権を」というシンポジウムが、弁護士会館5階にて開催されました。以下、簡単ですが、録音テープに基づき報告します。(参加者約200名) 
第1回報告                    三浦小太郎

 

 まず、法律家の会の川人博弁護士が開会を告げ、この集会が北朝鮮の人権問題と拉致問題に真剣に取り組む人々の国際的な連携に繋がることの意義を再確認すると共に、この人権問題について日本の弁護士がもっと関心を持つべきなのに、現実的には弁護士組織の活動が鈍く、時には北朝鮮の側に立って日本政府やマスコミの報道姿勢を批判するような文面すら見られる事、これを是正し抗議していきたいという強い姿勢を示しました。


 続いて、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会の小川晴久名誉代表が発言。今回翻訳され日本でも発売された「北朝鮮 隠された強制収容所」(草思社)は、北朝鮮の山中にある恐ろしい政治犯収容所、また中国から強制送還された脱北者を収容し厳しい拷問などが加えられている集結所(国境沿いの脱北者の収容所)などの衛星写真と、現実にそこで惨たらしい弾圧を受けた人々の証言を組み合わせた素晴らしい本であること、さらに実際の収容所体験者をお招きしてこのような出版記念のシンポジウムが開かれた事の意義を簡潔に述べ、同時に出版社や協力者の努力への感謝の意を示しました。


 また、ミネソタ弁護士会が17年前に発表された北朝鮮の総合的な人権報告書もこのたび相次いで出版された事、同時に、このように余りにも朝鮮半島の人権問題(特に北朝鮮)について日本側が知る事が遅いことも問題点として認識しなければならないと、日本の一知識人としての自戒を込めた発言を述べた上で、現在の日本国及び関係諸国の間では、北朝鮮問題を6カ国協議の場で包括的に解決すると言うことが建前になっているが、これが北朝鮮現体制を結果的に保障するものになってはいけないと警告を発しました。

 小川氏は最後に、ナチスのアウシュビッツ等の強制収容所も、第2次世界大戦中に航空写真によってその実態が実は知られていたらしい事を報告、北朝鮮の現在の収容所は現在進行形の歴史的悲劇であり、この解体を目指す事が、北朝鮮の現在の抑圧体制を変えていくことに繋がるのではないかと延べて挨拶を結びました。

 続いて、デビット・ホーク(通訳依藤朝子)氏の報告に移り、まず、ホーク氏はアメリカの北朝鮮人権委員会を代表して本書の日本語版出版とこのシンポジウムへの招請を感謝し、本書を活用して、国際機関、ジャーナリスト、政治家、研究者などが、広く北朝鮮人権抑圧の実体を知り、その改善に努力して欲しいと述べました。

 同時に、このような報告書を90年代以前にまとめる事は難しかった、なぜなら、95年以降の北朝鮮難民の大量脱北という現実が本書の背後にはあり、それによって様々な証言を多角的に集める事が出来たからだと指摘しました。


 ホーク氏は、北朝鮮の収容所における人権侵害は現代社会ではもっとも酷いものであり、北朝鮮社会には、結社、集会、報道など民主主義社会では当然であるはずのあらゆる自由が存在しない事、さらに収容所はスターリン時代のソ連をモデルにした奴隷労働を目的としている事、収容所には韓国の唄を歌ったりラジオを聴いたとか、およそ罪とは言いがたい行為で沢山の人々が入れられて、苛酷な労働につかされている事、また脱北者が強制送還された場合、中国でどのような場所にいたか、誰にあったかを克明に聞きだされる、そこでひどい拷問が生じることなどを指摘しました。


 以上のように、北朝鮮の人権抑圧の有様をコンパクトに説明した後、ホーク氏は、朝鮮半島には核問題、ミサイル問題など様々な問題があり、北朝鮮現政権はとにかく経済援助を取りたがって色々と交渉をしてきているが、ミサイルや核問題だけではなく、あくまで人権問題、拉致問題が交渉の場で提起されなければならないこと、今後時間はかかるかも知れないが、日米の市民団体も声を挙げ続け、このひどい人権問題を追求していくべきだと提言して報告を終えました。

続いて、脱北者の金英順氏(女性)が報告。

 金氏は1937年5月26日生まれ。北朝鮮では平壌総合芸術大学にて舞踊を習い、朝鮮民族舞踊は戦前からの有名な舞踊家、崔承姫に学び、クラシックバレエについてはソ連留学経験のある先生につきました。さらにその後も、幹部が買い物をするような焦点で働いていたと言います。完全にエリート層にいたといえるでしょう。

 しかし、1970年、突然逮捕され保衛部に連れて行かれます。何の罪とも分からぬうちに、毎日何をしていたか、誰と話したかを克明に聞き出され、ついには家族全員でヨドック収容所へ(両親、子供4人)両親は父は1年後、母は5年後病死、子供も一人は事故で死にました。自分は8年1ヶ月ぶりにヨドックから出ることが出来ましたが、出版社に勤めていた夫は70年4月に逮捕され、それ以降姿を見ることはありませんでした。なんと、この夫は同じ職場(出版部)にかの有名なシンガンスがいて、友人だったとのことです。夫は彼の密告で捕まったと金さんは確信しているようでした。(シンガンスがスパイだった事は当時は分からなかったけれども、非転向長期囚として北に戻ってきた時に分かったということです)


 さらに、幾つかの実例を挙げて、北朝鮮帰国者が数多く収容所に入れられている事を指摘、中には帰国船から降りるや否や、収容所に連れて行かれた人もいると驚くべき事実を証言しました。金氏は、「帰国者は北朝鮮という国を愛してきた人たちなのに、なぜこのような目に会わなければならないのか、北朝鮮と言う国には道理も何もない、北朝鮮は帰国者を資本主義国から来たスパイだと考えて収容所に入れている」と厳しく批判しています。

 そして、今は北朝鮮に親族がいる場合、韓国の銀行を通じて、日本円でも直接送金ができるようになりましたが、同時に多額の手数料が取られ、朝鮮が親族に送金して窮状を救いたいと言う悲痛な思いすら利用して外貨稼ぎをしている事が指摘されました。最後に、現在の北朝鮮の体制は民主主義とは水と油であり到底共存する事が出来ない、かの体制を民主主義諸国は連帯して崩壊させなければいけないと厳しく宣言して報告を終えました。

この後、質疑応答が行われ、続いて北朝鮮難民救援基金の野口孝行氏が発言。
 野口氏は脱北者救援活動の最中、ベトナム国境を目前として中国関係により不当逮捕され、この8月に釈放され帰国した。野口氏は救援の失敗を悔悟の年と共に語り、脱北者は共に帰国者であった、彼等は私に中国であった時点から、日本に帰れるのだという思いに駆られただろう、帰国者は数十年、望郷の思いに駆られながら北朝鮮で日本を懐かしんでいる、この気持ちはきっと拉致被害者の現在の思いとも通じるのではないかと、自らの体験を踏まえて語りました。

 さらに、自分が8月に帰国して暫くはまるで浦島太郎のような心境だったが、何よりも嬉しいのは、自分が捕まる前は、このように様々な市民団体が、国境や立場を超えて連携してシンポジウムを開くような事は考えにくかった。それが実現している事の意義は大きい、拉致問題も、脱北者問題も、収容所問題も、全ては人間を人間として扱わない北朝鮮現体制から生み出される問題である事を強調し、各団体が様々な立場から運動を盛り上げ、さらに共通の目的を見失わずに連携していく事を呼びかけました。

続いて、失踪者藤田進氏の弟、藤田隆司氏が発言。
 藤田氏は脱北者により、北朝鮮から兄、進氏の写真が届けられ、政府による認定を求めている。藤田氏は、自分は全くの一般市民であり、このような問題に関わる事があろうとは思ってもみなかったが、今回、兄の写真が明らかになって、北朝鮮が太平洋側でも活発に拉致を行っていることが明らかになった。そして、加瀬てる子さんの写真が出てきたと言う事は、この拉致問題は42年も前から発生していたことの証拠だ。政府は私達家族が生きている間に、この問題を絶対に解決して欲しいと述べました。

続いて被害者家族会事務局次長増元照明氏が発言。
 二〇〇一年に家族会が訪米した時も、日本の人権団体や政治家に比べて、アメリカの人たちは遥かに熱心に、かつ、具体的に、自分達は何が出来るのか、何をなすべきかを聴いてくれたことを再確認し、
 日本側は、どうも政府も人権団体も、「国交が北朝鮮とはないのだから難しい」「このような状態では難しい」と困難な現状を分析するばかりで、積極的に事態を切り開こうと言う姿勢が薄いと批判、私達日本は、もっと北朝鮮に対して怒らなくてはならないのではないか、北朝鮮側が、めぐみさんは精神を病んで入院したなどと言い出したら、「それは君達が連れて行ったから病気になったのではないか」と迫るような交渉姿勢が大事ではないかと述べると共に、あのような恐ろしい国を隣国に作り出し、延命させてしまったのは日本にも大きな責任がある、その解決のためには、個人的考えだが、日本は経済と言う大きな武器を使って北朝鮮を崩壊させるしかないのではないかと思う、と言う強い決意を示して発言を締めくくりました。

ここで、横田めぐみさんのご両親が簡単に挨拶をし、父、滋さんは、11月8日に、救う会が星陵会館で緊急集会を行うことを報告すると共に、来るべき実務者協議に向けて、特定失踪者の人たちを少しでも認定し欲しいと述べ、母、早紀江さんは、この集会の意義を評価するとともに、色々な視点から、このような「悪」は許せないと言う人々の意志が結集していく事を喜びたいと、幅広い連携を呼びかけました。

最後に荒木和博特定失踪調査会代表が結びの言葉として、北朝鮮の人権問題と、この拉致問題は根本的なところで結びついているのだと言う意識を決して忘れるべきではない事、今の北朝鮮の現実と実態を見つめれば、「粘り強い交渉」などを行っている場合ではないこと、この人権抑圧も拉致被害者救出も、北朝鮮現体制崩壊を目指して一刻も早くすすめていくべきことを強調しました。

そして、ホーク氏の今回の業績に感謝すると共に、同時に、このアジアの隣国北朝鮮の人権問題は日本がむしろ率先して解決しなくてはいけない事、それが出来ていない事は日本国民として恥ずかしい限りである事を述べ、そうなれば、今度はホークさんはいまだ世界の目が殆ど届いていない別の国の人権侵害に取り組む事ができる。北朝鮮の独裁体制を崩壊させるしかない、様々な団体がアプローチは違っても、そこに向かってゆくだろうと発言を結び、今回のシンポジウムは閉会しました