北朝鮮人権情報ニュース(12)2人の囚人が殴打・拷問で殺害される  

└ 2012-04-27 07:40

北朝鮮人権情報ニュース(12)2人の囚人が殴打・拷問で殺害される 

前巨里12化所野菜班保安員徐ヒョク、方ジョンフィと金スンボク暴行傷害‏

事件の概要

2009年事件当時咸鏡北道(ハムギョンプクド)前巨里第12号教化所野菜班保安員徐ヒョクは何の理由からか、方ジョンフィを殴打し始め、これを制止しようとした金スンボクにも、四時間にわたり暴行を働いた。 これによって方ジョンフィと金スンボクは、二人とも一定期間動けない程の激しい傷害を受けた

事件の発生時期および場所

発生時期(期間) : 2009年

発生場所 : 人民保安部教化局国傘下の第12号教化所(別名前巨里教化所)構内の庭

人権侵害の類型

権利の類型 : 個人の尊厳性および自由権

侵害の類型 : 拷問および暴行

細部な項目 : 殴打(暴行)

2009年事件当時、咸鏡北道会寧市豊山里(プンサンリ)(旧前巨里)に位置する人民保安部教化局傘下第12号教化所(別名前巨里教化所)に収監中だった目撃者の証言によると、何の理由からか野菜班(野菜農作業班)保安員の徐ヒョクが野菜班の班長である方ジョンフィを庭で殴打し始めた。 証言者が語る、徐ヒョクが殴打する様子は次のとおりだ。

“理由は分からないが、とにかく庭で方ジョンフィが先に殴られ始めました。 ですがそれこそあちこち所構わず、靴先で後頭部を思いっきり蹴るので、額から地面にバシン!と叩きつけられ、本当にひどいものです。 その動作一度で、それ位ですから。一度の動作でそんななので、それが続けて殴られるのを見たら絶句します。見ているだけであまりにおぞましくて...”

金スンボクは、あまりにひどい殴打でこのままでは方ジョンフィが殴り殺されると感じ、無意識に“あれ先生、どうしてこんなにまで?”と言って徐ヒョクの体をつかんだ。 金スンボクがしがみつくや、すぐに徐ヒョクは罵声を浴びせながら金スンボクも一緒に殴り始めた。 この二人の女性に対する徐ヒョクの殴打は四時間近く続いた。 この事件を目撃した他の脱北者は徐ヒョクの暴力は有名だと証言した。“この人は本来、殴打が激しいという話です。 何というか、狂気というか、粗暴であの人の妻も何度か逃げ出して、一緒に暮らせないと逃げた、だから元々の本来生まれつきの、持って生まれた性格自体が粗暴で乱暴な、そんな男という話です。”

でヒョクの殴打のせいで方ジョンフィは約半月間仕事ができなかったし、顔と体の傷が見るも無残だったという。 金スンボクも両側の肋骨をひどくケガして約二月間動くことができず、監房だけで過ごさざるを得なかったのみならず、今も変らず後遺症で苦しんでいるという。

証言者1:“あの人たち、二人とも体がぼろぼろという程度ではありません。”

証言者2:“犬だってあそこまでひどく殴らないでしょうに...”

被害者

金スンボク(女、年齢未詳、咸鏡北道会寧市(フェリョンシ)、韓国行きを試みた罪で教化3年刑)
方ジョンフィ(女、40代初め、咸鏡北道会寧市)

加害容疑者(機関)

徐ヒョク(男、40代後半、人民保安部教化局傘下第12号教化所野菜班担当保安員)

情報提供者

二人の情報提供者は上の事件を北朝鮮でそれぞれ直接目撃して、2011年韓国へ脱北した後この件に対して証言したが、自身の身辺安全上の理由から実名の公開を許諾していない。

情報の出処 : (社)北朝鮮人権情報センター人権調査面接紙

情報受付時期 : 2012年2月

情報受付場所 : 北朝鮮人権記録調査室

情報受付方法 : 面談調査

情報取得および事件分析者 : 北朝鮮人権情報センター研究員

検証者 : 北朝鮮人権情報センター北朝鮮人権事件リポート検証委員会

教化所内で拷問や暴行が行われる場合は大きく三つの状況に区分することができる。 最初は、収監者が生活規定を破った時だ。 二番目は収監者が偶発的な失敗をした時だ。 三番目の場合は管理者による悪意の拷問や暴行が行われる場合だが、このような場合、収監者は訳も分からないまま一方的な殴打にあう。

もちろん上の事件のように管理者の収監者に対する暴行は、法に違反する行為だ。 朝鮮民主主義共和国憲法第79条には公民の人身不可侵を規定していて、刑法第7章一般行政管理の秩序を侵害した罪、第2節管理従事者の職務上犯罪には管理従事者が利己的目的から職権を乱用し厳重な結果を起こした場合には2年以下の労働鍛練刑に処し、情状が重い場合には4年以下の労働教化刑に処すると明示されている。

本事件の場合、安全員が個人的な感情から自身の職権を利用して収監者を無慈悲に暴行したのだから、憲法第79条と刑法7章2節246条に明白に違反しているといえる。

だが、実際には管理者の収監者暴行に対する厳格な規定が存在しないために(あるいは知られてはいないが、管理者は収監者を好き勝手に扱えるという内部および下部規定がある可能性も排除することはできない)収監者たちは、管理者による任意な処罰と拷問から決して自由ではおられないのが現実だ。 したがって教化所で収監者が管理者から目をつけられると、独房処罰のようにひどい処罰を受けたり拷問をされることがあると見られる。 また、教化所で発生する暴行に関する深刻な問題は、管理者が任意に処理できる権限を持っているので、時には収監者の命を脅かすほど危険な道具を使って殴打を加えることがある。

北朝鮮人権情報センターの「NKDB統合DB」によれば、2011年8月を基準に拷問および暴行を受けた事件は2,496件と録されている。

1.拷問および暴行

「世界人権宣言第5条」
- どこの誰も拷問および残酷で非人道的な、または屈辱的な待遇や処罰の対象になってはならない。

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第7条」
- どこの誰も拷問または残酷で非人道的な、または屈辱的な取り扱い、または刑罰を受けない。 特に誰もが自身の自由な同意なしに、医学的または科学的な実験を受けない。

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第10条1項」
- 自由を剥奪されたすべての人は人道的に、また人間の固有な尊厳性を尊重して取り扱われる。

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約) 第3部第10条3項1節」
-刑務所収監制度は服役者らの校正と社会復帰を基本的な目的とする処遇を含む。

「拷問およびその他残酷で非人道的な、または屈辱的な待遇や処罰の防止に関する協約」

2.加害容疑者

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第7章 一般行政管理秩序を侵害した罪、第2節管理従事者の職務上の罪、第283条(故意による重傷害罪)」
- 故意に人の生命に危険なほどの重傷を負わせたり、目、耳、その他の機能を失わせたり、顔にひどい傷跡をしたり、精神病を起こさせたり、労働能力を顕著に落とさせた者は5年以下の労働教化刑に処する。 前項の行為で被害者を死に至らしめたり、前項の行為を残忍な方法で行ったり、または共謀したり、色々な人に重傷を負わせた場合には5年以上10年以下の労働教化刑に処する。 情状が重い場合には10年以上の労働教化刑に処する。

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第7章一般行政管理秩序を侵害した犯罪、第2節管理従事者の職務上の犯罪、第246条(職権乱用罪)」
- 管理従事者が利己的目的から職権を乱用し、厳重な結果を起こした場合には2年以下の労働鍛練刑に処する。情状が重い場合には、4年以下の労働教化刑に処する。

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第7章 一般行政管理秩序を侵害した犯罪、第2節管理従事者の職務上の犯罪、第248条(職権怠慢罪)」
- 管理従事者が上部から受けた命令、指示または職務上の義務を遂行しなかったり、怠慢で厳重な結果を引き起こした場合は、2年以下の労働鍛練刑に処する。情状が重い場合は二年以下の労働教化刑に処する。




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