北朝鮮人権情報ニュース(13):价川(ケチョン)教化所で2009-10年にかけ栄養失調で大量の餓死  

└ 2012-05-27 02:12

北朝鮮人権情報ニュース(13):价川(ケチョン)教化所で2009-10年にかけ栄養失調で大量の餓死 

事件の概要

价川教化所の収監者は北朝鮮内他の教化所収監者と同じように非常に少ない量の飲食で延命している。2005年から2010年まで价川教化所で収監生活をした証言者によると、2008年教化所内の農作業が特に凶作だったので2009年食糧供給が非常に劣悪になり、そのために多くの死亡者が発生した。

事件の発生時期および場所

発生時期(期間) : 2009年〜2010年

発生場所 : 平安南道(ピョンアンナムド)所在人民保安部教化国傘下第1号教化所(別名价川教化所)

人権侵害の類型

権利の類型 : 被疑者と拘禁者の権利/生命権

侵害の類型 : 適切な飲食権の侵害/他の直接的行動による死亡

細部な項目 : 飲食の提供拒否

平安南道价川市に位置する人民保安部教化国傘下第1号教化所(別名价川教化所)で2005年から2010年まで教化生活をした後、2011年に脱北した証言者の話によると、第1号教化所では2009年度にとりわけ死亡者が多くて、一日に平均2人、1ヶ月で50人程度の教化生が栄養失調で死亡したという。2009年当時教化所で提供される食事は一食ジャガイモ三粒がすべてだったが、これは2008年教化所内の農作業が凶作だったことから始まった。証言者は自身が名前と死亡時点を正確に記憶する何人以外にも数多くの教化生が栄養失調で死んで運ばれて行くのを目撃したと証言した。

“2008年は肥料がなくて農作業が上手くできませんでした。農作業が上手くいってこそ、栽培したものを国家に大部分捧げられるのです。ところが農作業がひどくて囚人自らの供給量が足れないりのに、国家からの支援というものは絶対にありません。ただひたすら自ら解決するのみです。”

被害者

池(チ)明玉(ミョンオク)(人身売買、現在63才、咸鏡北道(ハムギョンプクト)会寧(フェリョン)) 2009年4月虚弱で死亡

金春福(キムチュンボク)(人身売買、現在63才、咸鏡北道会寧) 2009年10月虚弱で死亡

陳春玉(チンチュノク)(人身売買、現在43才、咸鏡北道会寧) 2009年11月虚弱で死亡

崔正吉(チェジョンギル)(人身売買、現在43才、咸鏡北道穏城郡(オンソングン)) 2010年3月7日虚弱で死亡

全(チョン)グムナン(詐欺罪、現在37才、平安南道徳川市(トクチョンシ)) 2010年8月24日虚弱で死亡

金善玉(キムソノク)(詐欺、現在47才、平壌(ピョンヤン)) 2010年10月虚弱で死亡

廉春花(ヨムチュナ)(同売買、現在39才、両江道(リャンガンド)ぉ市) 2010年11月虚弱で死亡

加害容疑者(機関)

人民保安部教化局傘下第12号教化所(別名价川教化所)

情報提供者

情報提供者は上の事件を北朝鮮で直接目撃し、2011年韓国へ脱北した後これに対して証言したが、自身の身辺安全上の理由から実名の公開を許諾していない。

情報の出処 : (社)北朝鮮人権情報センター人権調査面接紙

情報受付時期 : 2011年11月

情報受付場所 : 北朝鮮人権記録調査室

情報受付方法 : 面談調査

情報取得および事件分析者 : 北朝鮮人権情報センター研究員

検証者 : 北朝鮮人権情報センター北朝鮮人権事件リポート検証委員会

北朝鮮の教化所は韓国の刑務所に該当する施設だ。罪を犯した人々を一定期間、社会から隔離された所に収容し、再教育させることで罪を悔いるようにさせ、釈放後の再犯を防ぐ機能をするという点で共通点がある。しかし北朝鮮の教化所は韓国の刑務所とは違い、収監者に苛酷と言えるほど過酷な肉体労働と思想闘争や思想教育を強要し、食事もまともに提供しないことで深刻な人権問題を量産している。

北朝鮮人権情報センターの調査によって存在が確認された北朝鮮の教化所は23ヶ所である。 上の事件の背景になる价川第1号教化所は平安南道价川市に位置し、大規模な工場が中にあり工業団地の様相を見せる。製靴工場、日用品工場、被福工場、裁断工場、輸出工場などがあり女性が働く工場と男が働く工場は隔離されていて、その間には8m高さ程度の塀が設けられていて互いに往来できないようにしてある。収監者の規模は2009年当時約2,000人余りという調査が出た。

北朝鮮教化所で収監者たちに提供される食事は非常に劣悪で、配給量は収監者の行動を制御したり労働力を搾取する手段として使われる。提供されるご飯の量は教化所ごとで少し差があるが、普通1〜7等級のとうもろこしご飯を差をつけて支給する。汁は塩を入れて沸かしたスープが出ればおかずはないという。教化所の収監者に与えられる飯は3等級が一般的だが、規定上一日700gを提供することになっていても、実際にされるのは300-400g程度だ。 普通、炭鉱のように過酷な肉体労働をさせられれば2等級や1等級の飯にありつける筈なのに、生活総括を通じて誤ちが指摘されたり、作業場で仕事をしくじった場合、4〜7等級の飯しか食べられない。これは別名‘処罰飯’と呼ばれるが、特に7等級は独房処罰を受ける収監者に配給する飯で、一日70〜90g程度で一食の量30g未満にしかならない。

したがって多くの収監者が慢性的な栄養失調に苦しめられることになる。特に2007年夏の水害による凶作が続き、2008年北朝鮮の食料事情が最悪に達した当時、教化所内の食糧状況はより凄惨で、栄養失調で死亡した収監者が多かったと知られている。

北朝鮮人権情報センターの「NKDB統合DB」によれば、2011年8月を基準に食糧権侵害事件の申告件数は1,503件である。

1.生命権

「経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)第3部第11条1項」
- この規約の締約国は、自己及びその家族のための相当な食糧、衣服及び住宅を内容とする相当な生活水準についての並びに生活条件の不断の改善についてのすべての者の権利を認める。締約国は、この権利の実現を確保するための適当な措置を取る。

「経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)第3部第12条1項」
- この規約の締約国は、すべての者が到達可能な最高水準の身体的及び精神の健康を享受する権利を有することを認める。

「市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)第3部第10条1項」
- 自由を奪われたすべての者は、人道的にかつ人間の固有な尊厳性を尊重して、取り扱われる。

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約) 第3部第10条3項1節」
-刑務所収監制度は服役者らの校正と社会復帰を基本的な目的とする処遇を含む。

「市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)第3部第6条1項」
-すべての人間は、生命に対する固有の権利を有する。この権利は、法律によって保護される。何人も、恣意的にその生命を奪われない。

2.健康権

「経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)第3部第12条1項」
- この規約の締約国は、すべての者が到達可能な最高水準の身体的及び精神の健康を享受する権利を有することを認める。

「経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)第3部第12条2項」
- この規約締約国が1の権利の完全な実現を達成するために取る措置には、次のことに必要な措置を含む。 (b)環境衛生及び産業衛生のあらゆる状態の改善 (d)病気の場合にすべての者に医療及び看護を確保するような条件の創出

「国際非拘束者処遇準則規則第2部第62条」
- 施設の医療サービスは非拘束者の社会復帰を妨害するような、すべての身体的精神的な疾病または欠陥を発見するように努力し治療しなければならない。必要なすべての内科、外科および精神科の医療施設が、上の目的のために提供されなければならない。

3.加害容疑者

「朝鮮民主主義人民共和国民法、第4編民事責任と民事時効制度、第1章、第248条(人身侵害の損害補償」
- 人の健康と生命に害を与えた機関、企業所、団体及び公民は、それに相当する損害を補償しなければならない。

「朝鮮民主主義人民共和国刑事訴訟法第12章判決、判定の執行、第431条(刑罰執行の停止理由) 」
- 無期労働教化刑、有期労働教化刑、労働鍛練刑を受けた者が、一時的な精神病、または重病にかかった場合には、その病気が治る時まで刑罰執行を停止することができる。

「朝鮮民主主義人民共和国人民保健法第6章人民の真の服務者である保健労働者、第40条」
- 保健労働者は、患者を自らの肉親のように惜しみ、愛してすべての知恵と真心をみな捧げて治療しなければならない。





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