北朝鮮人権情報センターニュース(19)障がい者が30キロの石炭を背負わされる重労働 

└ 2012-07-30 08:07

北朝鮮人権情報センターニュース(19)
价川化所で下半身障害者チュギョンスク石炭30kg背負わされ15里の道を運搬‏

事件の概要

チュ・ギョンスクは2003年1月价川1号教化所に拘禁中、脚に障害があって歩行時にびっこを引いているのに、他の収監者たちとまったく同じように石炭30kg背負わされ15里(6キロ)の道を運搬する作業に投入された。これによる直接的な身体的障害はなかったが、作業時に非常につらい苦痛が伴った。証言者は价川教化所では障害者も一般教化生と同一な作業に同等に参与させられ、重傷の場合でも付き添って貰ったり、おんぶして貰ったりして、朝の点呼に欠かさず出席させられたと言う。

事件の発生時期および場所

発生時期(期間) : 2003年1月

発生場所 : 平安南道(ピョンアンナムド)价川市价川1号教化所

人権侵害の類型

権利の類型 : 被疑者と拘禁者の権利

侵害の類型 : 強制労働による侵害

細部な項目 :

・ 2003年1月价川教化所に詐欺罪で拘禁中だった教化生チュ・ギョンスクは、片方の脚に障害があり常に足をひきずりながら歩いた。 价川教化所は新入班に新しい教化生(囚人)が入所すると、一ヶ月間は無条件に石炭を運ぶ別名“愛用作業”に投入じた。 女の教化生も例外なくリュックサックを担しで一日に二回、午前、午後それぞれ一回ずつ、山の中にある炭鉱に行って、採掘した石炭を背負って降りて来なければならなかった。 炭鉱までの往復の距離は約15里(6キロ)、一人当たり一度に運ばなければならない石炭の重さは30kgで、身体の元気な成人男性でも手にあまる労働だった。 しかし价川教化所では障害者に対する一抹の配慮もなく、チュ・ギョンスクにも他の教化生と同じ重さの石炭を運搬させた。

“私たちに、尻尾の牛(教化生)が自動車よりましだと言うのです。背中に背負ってみな運べと言いました。 それを教化班で、ほとんど一月間しなければなりません。 チュ・ギョンスクも他の人たちと全く同じ作業をさせられました。 無条件でしければなりません。 両手の杖が折れてもしなければならないと言われます...”

被害者

チュ・ギョンスク(女、1970年生れ、平壌居住、現在生存)

加害容疑者(機関)

平安南道价川市价川1号教化所

情報提供者

情報提供者は2011年韓国に入国し、上の事件を直接目撃した後に証言したが、自身の身辺安全上の理由から実名の公開を許諾しなかった。

情報の出処 : (社)北朝鮮人権情報センター人権調査面接紙

情報受付時期 : 2012年2月

情報受付場所 : 北朝鮮人権記録調査室

情報受付方法 : 面談調査

情報取得および事件分析者 : 北朝鮮人権情報センター研究員

検証者 : 北朝鮮人権情報センター北朝鮮人権事件リポート検証委員会

上の事件の背景である价川第1号教化所は、平安南道价川市に位置し、人民保安部教化局の所属である。 開所された時期は確かでないが、国家安全部管轄の南新義州女子教化所が1982年3月价川に移って来て、人民保安部管轄に変わったと知られている。

良く知られているように北朝鮮の教化所は、韓国の刑務所に該当する施設だ。 罪を犯した人々を一定期間社会と隔離した所に受け入れ、再教育することで罪を悔いさせて釈放後の再犯を防ぐ機能をするという点に共通点がある。 しかし北朝鮮の教化所は韓国の刑務所とは違い、収監者に苛酷なほどにひどい肉体労働と思想闘争および思想教育を強要し、まともな食事もまた提供されないことで深刻な人権問題を量産している。

収監者は教化所に移監されると、まず最初に入所手続きをする。 入所手続きは身体検査および持ち物検査から始まる。 身体検査後、虚弱(栄養失調)や結核のような病気が発見されると入所が拒否されたりする。 教化所内で死亡者が出る場合、教化所の責任になるからだ。しかし身体障害者の場合、直接的な死亡とは距離が遠いと判断するのかは分からないが、概してそのまま入所させて労させるのが一般的だ。 したがって上の事件のように収監者の内で、身体障害を持つ人々も一般収監者と同じ程度の労働が義務となり、その過程で障害を持つ収監者は一般収監者より、さらに重い苦痛に耐えなければならない。

北朝鮮人権情報センターの「NKDB統合DB」によると2011年8月基準に、被疑者と拘禁者の権利の内、強制労働による人権侵害にあった事件は96件が申告、受付けられている。

1. 生命権

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第10条3項1節」
- 刑務所収監制度は服役者の校正と社会復帰を基本的な目的とする処遇を含む。

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第10条1項」
- 自由を剥奪されたすべての人は人道的に、また人間の固有な尊厳性を尊重して取り扱われる。

2. 拘禁施設での労働

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第8条3項」
- 何人も、強制労働に服することを要求されない。

「強制労働に関するILO条約」

「強制労働の廃止に関するILO条約」

「国連被拘禁者処遇準則第2部第71条1項」
- 教導作業は性質上、苦痛を与えるものであってはならない。

「国連被拘禁者処遇準則第2部第71条2項」
- すべての受刑者は作業の義務を負うが、義務官の判定する身体的、精神的適正に合うものでなければならない。

「国際非拘束者処遇準則第2部第72条1項」
- 教導作業の組織及び方法は、可能な限り施設外の同種の作業と類似したものとし、受刑者を正常な職業生活環境に備えさせなければならない。

「国際非拘束者処遇準則第2部第74条2項」
- 職業病を含む産業災害から受刑者を保護するための規定が備わってなくてはならず、この規定は法律によって自由労働者に認められる条件より不利であってはならない。


3. 障害者保護

「朝鮮民主主義人民共和国障害者保護法第1章障害者保護法の基本、第2条」
- 国家は、障害者の人格を尊重し、その社会的政治的権利と自由、利益を、健康な公民と全く同じように保障するようにする。


「朝鮮民主主義人民共和国障害者保護法第5章障害者の労働、第32条」
- 機関、企業所、団体は、障害者の障害程度と性別、年齢、体質を考慮し、適材適所に配置しなければならない。この場合、障害者の意見を充分に聞かなければならない。


「朝鮮民主主義人民共和国障害者保護法第5章障害者の労働、第34条」
- 機関、企業所、団体は、障害者の労働条件を充分に備えなければならない。必要な条件を備えなければ、障害者に労働をさせることはできない。

朝鮮民主主義人民共和国障害者保護法第5章障害者の労働、第37条」
- 労働に参加する障害者は、充分な休息を保障される。

4. 加害容疑者

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第5章社会主義経済を侵害した罪、第4節労働行政秩序を侵害した罪、第186条(労働安全秩序違反罪)」
- 労働安全秩序を破り、人命被害その他の厳重な事故を起こした者は、2年以下の労働鍛練刑に処する。 前項の行為で多くの人を死に至らしめた場合には3年以下の労働教化刑に処する。情状が重い場合には3年以上8年以下の労働教化刑に処する。

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第7章一般行政管理秩序を侵害した罪、第2節管理従事者の職務上の罪、第246条(職権乱用罪)」
- 管理従事者が利己的目的から職権を乱用し、厳重な結果を起こした場合には2年以下の労働鍛練刑に処する。 情状が重い場合には4年以下の労働教化刑に処する。





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