北朝鮮人権情報センターニュース(21)バクボグム、栄養失調で餓死 

└ 2012-09-02 17:29

北朝鮮人権情報センターニュース(21)バクボグム、栄養失調で餓死 

事件の概要

2004年9月咸鏡北道清津市道集結所で4ヶ月目の拘禁中だった女性収監者パク・ポグムは、集結所側の劣悪な食事供給と過度な強制労役により栄養失調で死亡した。

事件の発生時期および場所

発生時期(期間) : 2004年9月末

発生場所 :咸鏡北道清津市道集結所

人権侵害の類型

権利の類型 : 被疑者と拘禁者の権利 / 生命権

侵害の類型 : 適切な飲食権の侵害 / 他人からの直接的行動による死亡

細部な項目 : / 飲食物提供の拒否

2004年9月咸鏡北道清津市道集結所で、未詳の罪により4ヶ月目の拘禁中だったこの事件の被害者パク・ポグムは、入所後1月が過ぎた時点から慢性の栄養失調で苦しんでいた。しかし集結所側は被害者を、集結所収監者に賦課する強制労働からは絶対に外さず、被害者の状態はだんだん悪化した。このような状況の下でパク・ポグムは空腹を満たすために同僚の食べ物や集結所の食糧を盗んだのが発覚し、集団的ないじめに遭いつらい生活を送るしかなかった。

2004年9月に入り込むと被害者は、人すら食べてしまいたいと話すほど状態が悪化し、倉庫に隔離された。当時被害者は体が極度に衰弱し、大小便の区別ができない程、下痢をし続けるなど、集結所内で正常な日常生活を送ることが不可能な状態だった。 パク・ポグムは集結所側が被害者を回復させるための特別な措置も取らないまま放置され、結局隔離された後20余日で死亡した。

“あいつは虚弱(栄養失調)にかかって死んだのだヨ。どれ程度ひどい有様だったか、人を殺して食べてしまいたいと言っていました。 最後には肛門が裂けたのか、便がザアザアと流れ出て。 (死体を)持ち上げたら、あの子の体はとても軽かったヨ。”

被害者
パク・ポグム(女、1973年生れ、両江道(リャンガンド)出身、現在状態 : 死亡)

加害容疑者(機関)

咸鏡北道清津市道集結所

情報提供者

情報提供者は2011年韓国に入国し、上の事件を直接目撃した後に証言したが、自身の身辺安全上の理由から実名の公開を許諾しなかった。

情報の出処 : (社)北朝鮮人権情報センター人権調査面接紙

情報受付時期 : 2012年5月

情報受付場所 : 北朝鮮人権記録調査室

情報受付方法 : 面談調査

情報取得および事件分析者 : 北朝鮮人権情報センター研究員

検証者 : 北朝鮮人権情報センター北朝鮮人権事件リポート検証委員会

北朝鮮の集結所は北朝鮮K刑法に規定されていない不法な拘禁施設で、強制労働が賦課される一種の臨時収容施設だ。 咸鏡北道清津市松坪(ソンピョン)区域農圃(ノンポ)洞(恩平(ウンピョン)洞)に位置する咸鏡北道清津市道集結所は1970年代に設立され、当時は犯罪者が予審を受ける前に拘禁される場所であった。 その内1998年以後からは中国に脱出して強制送還される不法越境者を主に拘禁・管理していて、‘不法越境者集結所’と呼ばれたりする。

集結所に拘禁中のほとんどの収監者は、劣悪な食事と不潔な飲料水のせいで胃腸障害や下痢に苦しめられたり、少量の食事と強制労働で栄養失調にかかる場合が多い。収監者は一日三度の食事を提供されてはいるが、毎食心ごとの食事の量と栄養素は非常に劣悪だ。収監経験者の証言によれば、清津市道集結所の場合、2010年頃には一食100〜150gのとうもろこしご飯と塩の汁だけが提供され、飲料水の供給も非常に不足した状況だったという。

集結所の強制労働は主に該当の保安局に帰属する副業地で行われる。また、保安局管轄下の各種の建設現場にも収監者が動員され、冬になると伐木地に送られる。伐木地は主に咸鏡北道清津市青岩(チョンアム)区域橋院(キョウォン)里の山中に位置している。脱北者らの証言によれば強制労働は午前8時から午後6時(日没の頃)まで続き、休み時間はないという。また強制労働過程では殴打される事件が頻繁に起き、特に労働能力が落ちる老弱者に殴打が集中するという。

北朝鮮では栄養失調を虚弱と称し、1度、2度、3度と区分するが、これに対する北朝鮮内での制度的な根拠や基準はない。民間の次元で栄養失調患者の症状を区分するため、任意に使った基準が慣例化したものと推定される。脱北者の証言によれば、虚弱判定は主に二種類の方法によってなされる。 ひとつは体重測定に基盤を置くものだ。 例えば患者の背が170cmの場合、1度の患者は42kg、2度は40kg、3度は38kgのケースに該当し、3度の虚弱患者は死ぬ直前の状態に分類される。二つ目の方法は肛門に手を入れてみるものだ。 深刻な栄養失調によってお尻周辺の肉と筋肉が急減すると、肛門の周辺、すなわち両方の尻の間に空間ができるが、栄養失調の程度によって空間の大きさも変わる。 前巨里(チョンゴリ)教化所で看護員として働いていた脱北者の経験によれば、手の平をたてて入るほどの空間がある場合は1度の虚弱、拳骨がかろうじて入るほどなら2度、げんこつが自由に出入りする程度を3度の虚弱と判定したという。

北朝鮮人権情報センターの「NKDB統合人権DB」によれば2011年8月を基準に、集結所に拘禁された事件の申告件数は1,516件で、この内栄養失調で死亡した事件の申告件数は15件である。
1.生命権

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第10条3項1節」
- 刑務所収監制度は服役者の校正と社会復帰を基本的な目的とする処遇を含む。

「市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)第3部第6条1項」
- すべての人間は、生命に対する固有の権利を有する。この権利は、法律によって保護される。何人も、恣意的にその生命を奪われない。

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約)第3部第10条1項」
- 自由を剥奪されたすべての人は人道的に、また人間の固有な尊厳性を尊重して取り扱われる。

「経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)第3部第12条1項」
- この規約の締約国は、すべての者が到達可能な最高水準の身体的及び精神の健康を享受する権利を有することを認める。

2.加害容疑者

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第7章一般行政管理秩序を侵害した罪、第2節管理従事者の職務上犯罪、第248条(職務怠慢罪)」
- 管理従事者が上級から受けた命令、指示、または職務上義務を遂行しなかったり、怠慢で厳重な結果を起こした場合には2年以下の労働鍛練刑に処する。 情状が重い場合には2年以下の労働教化刑に処する。

「朝鮮民主主義人民共和国刑法第9章 社会主義共同生活秩序を侵害した罪、第277条(厳重な結果発生放任罪)」
- 正当防衛の程度を越えたり、職務執行上必要な程度を越える行為を行い、人に重傷を負わせた者は2年以上10年以下の労働教化刑に処する。 情状が重い場合には2年以上の労働教化刑に処する。

「朝鮮民主主義人民共和国刑事訴訟法第12章判決、判定の執行、第431条(刑罰執行の停止事由」
- 無期労働教化刑、労働鍛練刑を受けた者が、一時的な精神病または重病に罹った場合には、その病気が治る時まで刑罰の執行を停止することができる。



HOME

守る会

組織
呼びかけ
会則
入会のご案内
脱北者あしなが基金
帰国事業訴訟支援

NEWS

北朝鮮最新情報

デイリーNK、開かれた北朝鮮放送等の情報です。

帰国者の証言

音声・動画ファイル

集会案内

守る会および関係諸団体の集会の案内です。

声明

守る会の声明です。

かるめぎ

守る会の機関誌「かるめぎ」を紹介します。

光射せ!

守る会の理論誌「光射せ!」を紹介します。

北韓人権

北韓人権市民連合ニュースレターの紹介

資料集

書籍/映像紹介

リンク集

過去ログ

旧ホームページのすべてを収蔵しています。ただし、一部古くなっている情報もありますので、疑問の点はお問い合わせ下さい。

光射せ!


News RSS

 

管理

This site is powered by CMS Designer.