北朝鮮人権情報ニュース(40)脱北に失敗した一家が拘禁され、劣悪な環境で拘禁されたのち収容所へ 

└ 2013-09-21 06:53

北朝鮮人権情報ニュース(40)脱北に失敗した一家が拘禁され、劣悪な環境で拘禁されたのち収容所へ 

事件の概要
2011年7月全恵玉の家族4人と道先案内人は韓国行きを企画した罪で、咸鏡北道(ハムギョンプクト)茂山郡(ムサングン)の郡保衛部に約1年間不法拘禁された。

事件の発生時期および場所
発生時期(期間) : 2011年7月

発生場所 : 咸鏡北道茂山郡の郡保衛部

人権侵害の類型
権利の類型 :個人の尊厳性および自由権
侵害の類型 :不法拘禁
細部な項目 : 保衛部及び安全部調査及び拘留施設

咸鏡北道茂山郡の郡保衛部に2010年7月韓国行きを企画した罪で全恵玉と全恵玉の家族(全恵玉の夫○ガンチョル、姑、舅、小姑の○クムスク)及び道先案内人の総6人が不法拘禁された。全恵玉と家族は豆満江(トゥマンガン)沿線のセコル警備隊に賄賂を渡したが、警備隊の告発で道先案内人と一緒に約1年間、2011年7月まで茂山郡の郡保衛部に拘禁された。この間、被害者らは劣悪な環境のせいで健康が急速に悪化し、特に全恵玉の姑は足が腫れて歩くこともできないほど苦しんだ。韓国行きの企画も知らずに同行した全恵玉を除いた残り家族4人と道先案内人は北朝鮮内地域未詳の政治犯収容所に送られたと推定される。

“5ヵ月で骨だけが残っていました。韓国行きは中央党から、どこどこに送れという話があるまでいなければならないので、ずっと保衛部に留まっていました。とても痛そうに見えましたが、脚がみな腫れて、歩くこともできず座ることもできませんでした。豆満江の沿線にすぐ横に車を止めていましたが、セゴル警備隊に人民元何万ウォンかを渡したそうです。ところでその金はみな貰っておいて、保衛部に告発をし、包囲されていることに誰も気がつかず、捕まったそとです。豆満江でみな捕まりました

被害者
全恵玉(女、1983年生れ、咸鏡北道穏城郡(オンソングン)居住)
○ガンチョル(男、未詳、咸鏡北道茂山郡(ムサングン)セコル里、セコル農場簿記員、管理所に拘禁と推定)
○クムスク(女、未詳、居住地未詳、○ガンチョルの兄弟、管理所に拘禁と推定)
名前未詳(男、未詳、居住地未詳、○ガンチョルの兄弟、管理所に拘禁と推定)
○ガンチョルの母(女、未詳、居住地未詳、管理所に拘禁と推定)
名前未詳(男、未詳、居住地未詳、道先案内人、管理所に拘禁と推定)


加害容疑者(機関)
咸鏡北道茂山郡の郡保衛部

情報提供者
情報提供者は上の事件を北朝鮮で直接目撃し、韓国へ脱北した後これに対して証言したが、自身の身辺安全上の理由から実名の公開を許諾していない。

情報の出処 : (社)北朝鮮人権情報センター人権調査面接紙
情報受付時期 :2013年1月
情報受付場所 : 北朝鮮人権記録調査室
情報受付方法 : 面談調査
情報取得および事件分析者 : 北朝鮮人権情報センター研究員
検証者 : 北朝鮮人権情報センター北朝鮮人権事件リポート検証委員会

北朝鮮当局は韓国行きを企画した罪を民族反逆罪(祖国反逆罪、スパイ罪、韓国行など)に取り扱い、政治犯と規定して最も強い処罰を処している。特に2009年以後は脱北に対する処罰が強化されている傾向にある。中でも家族単位で脱北しようとして逮捕された場合には、強制追放や政治犯収容所に行く事例が頻繁にある。また、韓国行きを企画した者は本人だけでなく、家族、親戚、親しい知人など、周辺の人にまで連座制を適用し、同伴処罰につながる。

韓国行を試みたという事実が知られて拘禁された場合、保衛部での調査及び拘留施設に拘禁され、最小6ヶ月から1年間厳格な調査を受けることになる。その過程で、ひどい拷問と劣悪な環境にさらされ、調査過程の中で死亡するケースも日常茶飯事だ。

北朝鮮人権情報センターの「NKDB統合DB」によれば2013年7月を基準に、脱北及び幇助罪で保衛部及び安全部調査及び拘留施設に不法拘禁された申告件数は5,059件である。

1.移動の自由
「朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法第5章 公民の基本権利と義務第75条」
-公民は、居住、旅行の自由を有する。

「市民的および政治的権利に関する国際規約(B規約)第3部12条1項」
-合法的にいずれかの国の領域内にいるすべての者は、当該領域内において、移動の自由及び居住の自由についての権利を有する。

「市民的および政治的権利に関する国際規約(B規約)第3部12条2項」
-すべての者は、いずれの国(自国を含む。)からも自由に離れることができる。

2.不法拘禁

「市民的および政治的権利に関する規約(B規約) 第3部 9条 1項」
-すべて人は身体の自由と安全に対する権利を持つ。誰もが恣意的に逮捕されたり、または抑留されない。どこの誰も法律に定めた理由および手続きに沿わずには、その自由を剥奪されない。

「朝鮮民主主義人民共和国 刑法第7章 一般行政管理秩序を侵害した罪 第2節 管理職の職務上の罪 第252条(不法逮捕、拘束、捜索罪)」
-法従事者が不法に人を逮捕、拘束、拘引したり、体もしくは住居を捜索したり財産を押収、没収した場合は2年以下の労働教化刑に処する。前項の行為を何度も行ったり、前項の行為で社会的物議をかもした場合は、3年以下の労働教化刑に処する。
「朝鮮民主主義人民共和国刑法第9章 公民の生命財産を侵害した罪、第291条(不法自由拘束罪)」
-不法に人の自由を拘束した者は、2年以下の労働鍛練刑に処する。情状が重い場合は、2年以下の労働教化刑に処する。




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