北朝鮮人権情報センターニュース(43)リ・ミオク、韓国の歌が録音されたCDを販売した罪で教化所へ  

└ 2013-09-23 08:22

北朝鮮人権情報センターニュース(43)リ・ミオク、韓国の歌が録音されたCDを販売した罪で教化所へ 

事件の概要

リ・ミオクは2004年、CD流布罪で逮捕される。その後裁判を経て6年の教化刑を言い渡され、咸鏡北道・会寧(フェリョン)市の豊山(プンサン)里(旧・全巨里(チョンゴリ))12号教化所に拘禁される。

事件の発生時期および場所
発生時期(期間) : 2004年

発生場所 : 咸鏡北道・延社(ヨンサ)郡

人権侵害の類型
権利の類型 : 信念及び表現の権利
侵害の類型 :通信及び情報利用の制限
細部な項目 :情報聴取及び利用

リ・ミオクは 咸鏡北道・延社郡延社邑に居住し、その姉は両江道の三長(サムジャン)税関に勤めていた。姉を通じて中国から録画機とCD-Rを入手したが、その中には韓国のドラマ、歌、言葉が入ったCD-Rも含まれていた。以後そのCD-Rを販売したが、販売した咸鏡北道・延社郡新章里で109常務に追われ、結局CD-Rを販売したことが発覚した。109常務とは録画機・CD-Rを取り締まる常務であり、党・行政・保安・検察・青年同盟の計5つの団体が連携して組織された団体である。その後、3ヶ月に渡って咸鏡北道・延社郡保安署の監察課の取調べを受け、裁判は咸鏡北道・延社郡の裁判所で行われた。30分に及ぶ裁判の後に6年刑を言い渡されたリ・ミオクは、咸鏡北道・会寧市の豊山(プンサン)里12号教化所に拘禁された。

“裁判長、判事、弁護士、家族がいて、人民参審員が二人いました。裁判は30分くらいでした。まず、判事から弁護士に「まずこの人の罪名について弁護することがあれば弁護するように」と言うと「ない」と答え、判事が彼女に「こうした罪を認めるか」と聞くと「認める」と答えたのです。人民参審員が「なぜこのような罪を犯したか?国で禁じているのに」と聞いたけど、リ・ミオクは自分を弁護しませんでした。”

被害者
リ・ミオク(女、1969年生、咸鏡北道・延社(ヨンサ)郡延社邑居住)

加害容疑者(機関)

咸鏡北道・延社(ヨンサ)郡保安署

情報提供者
・情報提供者は上の事件を北朝鮮で直接目撃し、韓国に脱北した後これに対して証言したが自身の身辺安全上の理由から公開を許諾しなかった。
情報の出処 : (社)北朝鮮人権情報センター人権調査面接紙
情報受付時期 : 2009年
情報受付場所 : 北朝鮮人権記録調査室
情報受付方法 : 面談調査
情報取得および事件分析者 : 北朝鮮人権情報センター研究員
検証者 : 北朝鮮人権情報センター北朝鮮人権事件リポート検証委員会

北韓当局は、不法録画物などの映像を通じた情報の流通を厳しく取り締まっている。2004年の刑法改定の際、「退廃的文化の搬入・流布罪」(第193条)と「退廃的行為をした罪」(第194条)を新たに設け、退廃的・エロチック又はわいせつな内容を含む音楽・ダンス・絵画・写真・図書・録画物・CD-Rなどを許可なしに外国から搬入・生産・流布する行為や、こうした媒体の度重なる視聴・聴取又は媒体上の行為について処罰している。特に性的内容の録画物を搬入・保管・流布した場合は5年以上・10年以下の労働教化刑に処している。

しかし、摘発された場合に賄賂を使って刑を軽減させたり処罰を免じてもらうケースもしばしばある。賄賂は言い値なのでピンからキリまで様々で、取り締まる者がゆすり取ってCD-Rプレイヤーなどを奪うこともある。取締機関は非社グループ、人民保安部、国家安全保衛部など様々である。保衛部、安全部、規察隊などの連合でつくった組織である109グループに、都検察所、都裁判所、都安全部、都保衛部、区域党などの連合組織である「109常務」なども存在する。手電話機(携帯電話)やCD-Rの利用の場合、1990年代の後半から2000年代に入り、中国から流入された電子機器を通じて急激に増加しており、同じ時期に北韓の国家公権力を通じた様々な検閲、取締などの活動が増えていることがわかる。

摘発されると、教化所行きの場合は一般的に裁判を経るが、裁判の過程で弁護人の助力がほぼ期待できない。北韓の社会主義憲法第164条と刑事訴訟法108条において「裁判過程で弁護人の助力を受ける権利」を保障しているにも関わらず、実施的な権利の保障は行われていない。実際の裁判の過程において、弁護人が自ら被告を面談することは稀であり、裁判を経験したことのある脱北者は「弁護人は裁判に役立たなかった」と答えている。達する。

北韓人権情報センターの「NKDB統合DB」によると、2013年7月の時点で、信念及び表現の権利と関連する事件は247件、そのなかでも通信及び情報利用に対する制限の事件は103件に及ぶ。

1.表現の自由

「世界人権宣言 第19条」
-すべての者は、意見と表現の自由に対する権利を有する。この権利は干渉を受けずに意見を持つ自由と、あらゆる媒体を通じて国境とのかかわりなく情報と思想を求め、受け及び伝える自由を含む。


「市民的及び政治的権利に関する規約(B規約) 第19条2項」
-すべての者は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、書面若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報と思想を求め、受け及び伝える自由を含む。

「朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法 第5章 公民の基本権利と義務 第67条」
- 公民は、言論・出版・集会・示威と結社の自由を有する。国家は民主主義的政党・社会団体の自由な活動条件を保障する。
2.弁護権

「市民的及び政治的権利に関する規約(B規約) 第14条3項 (d)節」
-すべての者は、その刑事上の罪の決定について、十分平等に、少なくとも次の保障を受ける権利を有する。 (d) 自ら出席して裁判を受け、なお、直接又は自ら選任する者の法的助力を通じて弁護すること。万が一法的助力が受けられない場合、弁護人の助力を受ける権利について通知を受けること。司法上の利益のために必要な場合及び十分な支払手段を有しないときは、本人がその費用を負担することなく法的助力が与えられること。

「朝鮮民主主義人民共和国刑事訴訟法 第4章 弁護 第106条(被審者・被訴者の弁護権の保障)」
- 暴行や脅迫をしたり、または、救援を受けられない状態を利用して女性を強姦した者は、5年以下の労働教化刑に処する。前項の行為を複数回したり輪姦した場合には、5年以上10年以下の労働教化刑に処する。情状が重い場合は、10年以上の労働教化刑に処する。
「朝鮮民主主義人民共和国刑事訴訟法 第4章 弁護 第107条(弁護人の任務)」
- 弁護人は法律に従って刑事事件が正確に取り扱われ、被審者・被訴者の権利が保障されるようにしなければならない。




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