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NEWS :良書紹介「『イムジン河』物語」(喜多由浩著 アルファベータブックス) 
└ 2016-09-22 10:35

1968年、フォーククルセイダースが、彼らの二枚目のシングル盤として発売する予定だった『イムジン河』が、朝鮮総連の抗議によって発売中止となりました。この名曲について、その発生から現在に至る様々な歴史を描いたこの一冊は、朝鮮現代史を、傷つきながら生き延び、これからも生き続けていくだろう名曲のドラマとして、ぜひご一読をお勧めします。

これは私もよく理解していなかったのですが、朝鮮総連の抗議は、それ自体は決してまとはずれなものではありませんでした。発売するなといったのではなく、この歌が北朝鮮の作曲家、作詞家により作られたのに、レコードでは「朝鮮民謡」として、作詞・作曲家名もつけずに発売されることと、同時に、原曲のリズムやメロディが一部改変されていることへの抗議であり、それ自体は公正なものです。ただし、「朝鮮民主主義人民共和国」という国名がレコードに記されることに対し、韓国からの抗議があるのではないかという恐れと、よくある過剰な自主規制から、むしろレコード会社のほうが発売を中止し、総連はむしろ拍子抜けだったことが、この本ではきちんと当事者のインタビューを通じて証明されています。

もともとこの曲は、朝鮮戦争後、北朝鮮に渡った韓国出身の、高宗漢 (曲)朴世永 (詩)によって、1957年に作られ北朝鮮で発表されましたが、実はかの国では全く不評で、この時一度しか正式には演奏されずに終わりました。その理由を著者は様々な視点から分析していますが、私見では、この歌のテーマそのもの(韓国を懐かしむ)が、あんまり北朝鮮ではリアリティを持てなかったのではないでしょうか。確かにこの曲の二番の歌詞は北朝鮮のプロパガンダが入っていますが、基本的には望郷の歌であり、作詞・作曲家の込めた思いは北朝鮮政府にとっても、民間にとっても伝わりにくかったのではないかと。

むしろイムジン河は、ここ日本で、在日コリアンやその周辺で伝わりました。南北分断の悲しみを、60.70年代の在日コリアンは我が身としてとらえる人が総連にも民団にもいたでしょうし、そこからフォーククルセイダースのメンバーがこの歌を知り、そして彼らなりに作り替えて歌ったのがフォークル版『イムジン河』でした。YOUTUBEに当時の貴重な映像がありますが、今聞いてもみずみずしい魅力を感じさせます。

https://www.youtube.com/watch?v=1-eJDL3zLCQ&spfreload=10

その後もこの歌はキム・ヨンジャによって、2001年の北朝鮮公演時、金正日の前で歌われました。(正式公演だけではなく、金正日の別荘でまで特別公演が行われたほどの歓迎ぶりでした)キム・ヨンジャとしては、フォークルのバージョンに敬意を表しつつ、『イムジン河』を、本来の朝鮮半島のスタイルで歌い上げた自信作だったのですが、しかし、他の曲は大好評だったにもかかわらず、この曲に対しては金正日も周囲も全く無反応でした。しかし、感動を与えたのは、帰国者、そして拉致被害者の人たちでした。彼らがテレビから流れるこの歌にどれほど感動し、日本を懐かしんだかを、著者は彼ら自身の言葉や著作を引用しつつ感動的に記しています。やはりこの歌は「望郷」の心を持つ人を最も深いところで揺さぶるのでした。

本書には、他にも多くの歌手がこの歌を歌い続けていること、イムジン河はまさに、政治も民族も乗り越えて「とうとうと流れ」ていることを教えてくれます。朝鮮戦争、帰国事業、拉致被害者、様々な歴史が、この歌を通して伝わってくる一冊でした。ぜひご一読をお勧めします(三浦)






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